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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

素晴らしき発酵食品!

2012-04-19 12:30:00 | グルメ
 もうかなり前のことになるが『カスピ海ヨーグルト』なるものが一大センセーションを巻き起こした。
これは、牛乳にヨーグルトの一部を溶かし数時間放置するだけでヨーグルトが簡単に出来上がるという画期的な発酵食品だった。
かなり粘り気の強いヨーグルトだったが、食べ慣れると美味しかった。
何よりも自宅でお手製のフレッシュヨーグルトを毎日頂けるのが嬉しかった。

 種菌を絶やさぬためには毎日作り続けなければならない。
私もせっせとヨーグルト作りに明け暮れていたが、作るのにも食べるのにも追われて段々面倒になってきて止めた。


 そして現在、【塩麹】が空前の大ブームである。
いつの世も発酵食品の人気は変わらない。


 テレビ好きの私なのに、塩麹関連の番組を見たことがなく、ブログ仲間の【すずめさん】【ギズモ。さん】【ポケッと女房さん】たちの記事に触発され、遅蒔きながら塩麹作りに挑戦した次第。
塩麹の作り方はギズモ。さんの記事を参考にした。
室温が低くて発酵しないのではという懸念があったが、コタツホースを利用したらうまくいった。

 塩麹は最強の万能調味料との評判が高い。
食品の保存期間を延ばしたり、酵素の力で固い肉を柔らかくしたり、ビタミンや乳酸菌が豊富なので美肌、整腸、老化防止の効果があると言われている。
なおかつ食品内のグルタミン酸が増量するので、塩麹で作った料理は突然魔法がかかったように美味しくなるのだ。
私もその威力に驚きとりこになったひとりだ。

          

        

 写真上は「三平汁」「アスパラ炒め」
写真下は「卵とトマトの炒め物」「あさりと菜の花のパスタ」
塩のかわりに塩麹を使う。化学調味料を加える必要はない。
シンプルな味付けなのだが深い味わいがある。
 
 ふと考える...私は美味しいものに心惹かれる。
それは取りも直さずグルタミン酸が大好物と言うことだ。
故に塩麹が気に入るのは当たり前のことなのである。
第一弾で作った塩麹はもう全部使い切り、現在は第二弾を仕込み中だ。


 そしてさらに私が最近はまっている発酵食品が【小泉流粕床】を使用した粕漬けである。


 粕漬けが好きである。
しかし今までは一年に一度だけ、お歳暮の新巻鮭の半身を粕漬けにしてお正月のご馳走とするだけだった。
でも東京農大の小泉先生のお話を聞いて粕漬けに関する考え方が変わった。
贅沢で特別な調味料と位置づけていた粕床を、これからはもっと普段使いで利用してみようと思った。
ちょっと大変だったが頑張って粕床作りに挑戦した。
小泉先生のお話をヒントにnihao のアレンジも加え、いろいろな食品を漬けてみた。
小泉先生は「霧吹きで焼酎をかけて管理すれば粕床は腐敗しない」と仰っていたが、私はやはりその点がすごく不安だ。
粕床に漬け込むことはせず食品別に粕を塗り付け、粕は一度きりで使い捨てにしている。


          


 左上からウインナーソーセージ。二段目左からはんぺん、筋子、ゆで卵。
三段目左からかまぼこ、アボカド。

 上記の食品は、酒粕の力でどれも本来の味が変化して新しい味の魅力を出している。
特に私のお薦めはアボカドとはんぺん。どうかお試しあれ!
 
 ふくいくとした酒粕の香りをまとった魚介類や野菜を口にすると、思わず「日本人に生まれてよかった」と呟く。
あまり美味しいので最近私は朝からほろ酔い気分なのであ~る♪







形見分け

2012-04-02 15:50:00 | マダムH

         

               [抱き人形]


 Mr.H(マダムHのご主人)とお嬢さんと婿殿の三人が、我が家を訪ねてくれた。
マダムHの思い出話で涙、涙にかき暮れるのではないかと不安だったが、ご家族の皆さんは、マダムHの死を乗り越えて明るい表情を取り戻していた。


 お嬢さんは「今年中に絶対に新しい家族を作る!」と張り切っていたし、
結婚当初研修医だった婿殿は、いろいろ悩み考えた末、近年なり手の少ない産婦人科の医師になることを決断した。
Mr.Hは『男子厨房に入ろう会』や『放送大学』に参加したり、カメラを新たな趣味に加えて忙しそうにしていたし
上海在住の長男さんには、もうすぐ待望の赤ちゃんが生まれる。
すべてマダムHが望んでいたように回っている。
もしここにいたらどんなに喜ぶことだろう。


 お嬢さんからマダムHが製作した抱き人形を頂いた。
形見分けに私にも何かひとつ...できれば彼女の作った人形が欲しいと思っていたのでとても嬉しかった。
全長45センチの存在感のある人形だ。


 生前彼女は、忙しい時間をやり繰りして創作人形教室に通っていた時期があった。
人形教室と彼女の取り合わせが意外だったので驚いたのだが、元来が器用でセンスがよいのであっという間に上達した。
彼女は古布や端布の使い方や小物作りが上手で、いつも楽しそうに工夫していた。
幼い子どもたちをモデルにした彼女の【お迎え】は、ふたりにそっくり!
お母さんの愛情を感じさせるほほ笑ましい作品だ。


 私が頂いた人形は今にも泣き出しそうな憂い顔。
悲しみにじっと耐えているかのようだ。
人形の表情は変化しない。この人形がほほ笑むことは絶対にない。
彼女はどうしてこのような顔の人形を作ったのだろう?


 人形の顔ってながめているうちに不思議と制作者の顔に似てくる。
闘病中、決して泣き言など言わなかったマダムHだが、自身の死をおそらく覚悟していたことだろう。
誰もいない病室で、きっとこの人形のような顔をしていろいろなことを考えていたのではないだろうか。

「心配しないで。だいじょうぶよ。何もかもうまくいっているわよ!」

 思わず人形に向かって声をかけていた。


 私も最近は、知らないうちにこのような顔をしていることがよくある。
怒ったり泣いたり呆然としたり...
薔薇と虹と酒とご馳走だけで出来ている人生などないもの。
でもこれからは私の憂鬱や不愉快を、この人形にぶつけてみよう。
もしかしたら全部吸収してくれるのではないだろうかと、虫のよいことを考えている。
マダムHの形見の人形、特別な力があると信じたい。