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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

大家は悲し

2010-07-28 10:40:00 | Weblog

          



 大きな富良野産メロンが.....ひとつ、ふたつ、みっつ.....全部でいつつ!
えっ!もっとあるんじゃないかって?
あはっ、半分は虚像。鏡による見せかけだ。

 メロンは食べ頃が難しい。指をくわえて眺めている時間の方が長い。
たったひとりの昼下がり、メロンに向かって声をかける。

 「もういいか~い?」 「まぁだだよ~!

                  
                   ☆ 


 ところで、地デジの完全実施までついに後一年を切った。
我が家は早々と準備をしていたから安心していたが......

 先日テレビのクイズ番組を見ていたら
貸家の地デジ化は大家の義務である
と、なんともお節介な法律家が言っていた。
地デジ化に関しては、ガスや電気や水道のライフラインと同様に解釈すべきなのだそうである。
あらまぁ、言われてみれば当然のような気もするが、店子嬢のテレビを見る権利についてなど考えてもいなかった。
デジサポに相談すれば50%の補助が出るそうだから、早めに電話した方がよいだろうか?
あのアナログの古民家には、デジタルテレビは似合わないのに...... 

 それでなくても今年は、店子嬢から乞われて水道管の取り替え工事をしたし、税金も年額で納め、火災保険料も払い込み、この上地デジの工事までしなければならないとなると、圧倒的に支出の方が多く、なにも無理して大家になる必要はなかったと嘆きたくもなる。

 しかも配管工事をやってくれた水道屋さんがこっそり教えてくれたのだが.....

「奥さん、あれはひどい!家の中しっちゃかめっちゃかになっていたよ!!」

 なにやら元気のよい中型犬を玄関で飼っているらしいのだが、その犬が暴れて壁を破壊して大きな穴が開いていると言う。
ドアの下の部分も破れて無惨な姿と化しているらしい。
舅・姑が丹精こめて手入れしていた庭も荒れ放題。

 育ち盛りの二人の腕白坊主がいることは承知していたし、家族(愛犬も含め)みんなで伸び伸びと暮らして欲しいと願ってはいたが、どうやらこちらの想像以上のことが発生しているようだ。
夫が心配して確かめに出かけたが、店子嬢はドアの前で両手を開いて通せんぼ。
中に入れてもらえず、すごすごと引き返してきた。

 さて、そろそろ私の出番だろうか?
私はまだ店子嬢とは一度も対面したことがない。
地デジ工事の相談も兼ねて、鏡の中の虚像のメロンを一個お土産に携えて訪ねてみよう。


 「空き家は放置すれば廃屋になり、他人に貸せばボロ屋になる。(by nihao)」





ドクターG

2010-07-20 11:00:00 | おすすめ記事
 朝起きたら、たまらなく全身が痒かった。
虫にさされた覚えもないし、痒点がどこかもはっきりしない痒さだ。
お昼頃になったら、腕に湿疹のようなものが出てきたので、消えないうちにと急いで近所のかかりつけ医院に行った。

 この医院、昔は患者が入り口から溢れるほどの繁盛ぶりだった。
もう25年以上のつきあいで、家族全員なにかとお世話になってきた。


●息子が入試の前日に突然40度の熱を出した。
「何とかしてください!」と慌てて駆け込んだら、翌日にはすっかり回復して受験することが出来た(熱は下がったが試験は落ちた)

●電子レンジでゆで卵を作る実験をしていた私、ふたを開け中を覗き込んだ途端に大爆発。
ミクロに粉砕された卵の殻や黄身・白身などが毛髪や皮膚や衣服にべったりと張り付いた(危険です。絶対に真似をしないでください!)
見るも無惨な私の姿にドクターもナースも身体を揺らしながら笑いを噛み殺していたが、顔のやけどは五日間で跡形もなくきれいに治療してくれた。

●ここ数年来胃薬を処方してもらっている。
ドクター曰く「忘れてもよいから必ず飲み続けるように」
意味の解らない言葉だが、このように言われると却って忘れてはいけないと努力するので、私の胃はすこぶる快調だ。

●医療法の改定で、慢性疾患の場合の薬は何ヶ月分でも出してもらえるようになったと聞き及んだ夫。
2週間ごとに通院するのは面倒だし医療費も嵩むので「三ヶ月分処方してください」とお願いしたら
「あんたはなんて非常識な人間なんだ!」と叱られ衝撃を受けていた。
この歳になると、ご親切に非常識だなどと注意される事は滅多にないことだからよかったのか?


 最近はドクターが歳のせいか偏屈になって愛想も悪く、少々評判を落としている。


 さて、この日、全身の痒さに見舞われた私。
診察室で「どこが痒いのですか?」と聞かれたので
「どこが痒いかわからないけれど凄く痒いんです!」と訴えたら......
「自分のことなのにどこが痒いかわからないとは、なんてあんたはヘンな人なんだ!」
と、突然叱られた。

 私、なにかいけないことを言ってしまっただろうか?
「どこが痒いかわからないほどの得体の知れない痒さ」と言うのは、文学的表現すぎて、理科系の医師には通じない言葉だったのだろうか?
ヘンな人という自覚もない訳ではないが、ここまでハッキリ言われたら私も引き下がることは出来ない。
言われてもいないのに自らパンツを脱いで証明した。

 結局充分な説明のないまま(怖くて聞けないし)に注射され、飲み薬と塗り薬を処方されたが、その日のうちに症状は改善された。
なぜかこのドクターの見立ては正しく薬もとてもよく効くので、いろいろ文句も疑問もあるのだが、いまだに彼に替わるホームドクターは見つからない。


 NHKBS2及びHIビジョンTVで放送中の【総合診療医ドクターG】は、画期的な知的医療エンターテイメント番組だ。
Gは総合を意味するジェネラルの頭文字。
この番組を見ると、総合診療できるかかりつけ医の重要性がよくわかる。
患者のために日夜研鑽努力する医師や研修医の誠実な姿勢にも頭が下がる。

 我が町のドクターも年々立派な『ドクターG』(Gは傲慢のG)となりつつある。
我らも立派な『クランケG』となって対応していかなければならない。





マニフェストマッチ

2010-07-15 12:00:00 | Weblog
          




 夏本番! ミニひまわりが咲いた。
種を蒔いてから一ヶ月とちょっとしか経っていない。
向日性を受け入れずそっぽを向いているひまわりが1本あるが、このちょっとすねたような姿......なにか自分をかいま見ているような感じがする。


                 ☆


 急に暑くなったり寒くなったりしておろおろしているうちに、WCサッカーも参議院選挙も終了してしまったが.....選挙の話をひとつ。
どこの誰とは言わないが、あるばか夫婦...あっ、いや、ある若夫婦のお話だ。


 この若夫婦、新聞購読もしていないし、テレビのニュースも見ることがないので政治経済の動向には関心がない。
結構不遇な人生を送っているのに、それが政治のせいであるとは考えないお人好しだから、為政者にとっては、まことに都合の良い若者たちである。
今まで真面目に選挙権を行使したことはなかったが、結婚を機に少し意識が変わり、投票所に足を向けるようになった。
しかし、どの党の誰に投票したらよいか全く判らない(実は私も判らない)

 以下、私(A)と若夫婦の妻の方(B)との会話

(A)投票に行った?
(B)行った!でもどの党に入れたら良いのか全然判らなくて......
(A)それでどうしたの?
(B)ネットに、各政党のマニフェストの一覧から自分の気に入ったのを選択していくと、最後に「あなたの一票にふさわしい党」を教えてくれるサイトがあって...
(A)あらっ、ゲームみたいね。
(B)ゲームみたいだけれど、この方法が私たちには一番わかりやすくて...
(A)それで、あなたたちの一票にふさわしい党はどこだったの?
(B)結果、私は『たちにち』夫は『社民党』。でも『たちにち』が何だか知らなかった。
(A)『たちあがれ日本』のことだわね、きっと。
(B)夫に『社民党』の党首は誰かって聞かれたから「土井たか子よ!」って教えてあげたわ。
(A)おいおい...一体いつの時代のお話じゃ?

 結局彼らは、この結果を大いに参考にして投票に臨んだらしい。


 若者たちの政治離れが叫ばれてから久しいが、地域や職場などからのしがらみを持たない若者たちが、このようなウェブサイトを手引きとして投票するしかないのもひとつの現実だ。
ちなみにこのサイトはたぶんこれだろうと思われる→【マニフェストマッチ

 もう選挙は終わってしまったが、私も気になってやってみた。
各党の主張の違いが一目瞭然で判別でき、ゲームをするような感覚で是々非々の判断を下しながら選択することが出来るので、なかなかよく出来ていると思った(次回は私も参考にしよう)
しかし常に流動的な政治の背景や実態を知らずに、絵に描いた餅のようなマニフェストだけを指針として選択するのは疑問を感じた。
それにしても、7月11日までの32万以上の参加者が支持したマニフェストは、ここでもやはり『みんなの党』が大人気、民主党は不人気だったので、選挙の結果を正しく予測していたと言えよう。
 
 ネットから投票出来るようにしたら投票率はもっと上がるだろうと言われている。
将来はこのマニフェストマッチのようなシステムの最後の欄で、清き一票の決定ボタンを押すような世の中がくるかもしれない......と考えると、ネット投票の実現には慎重を期した方がよいのではないだろうかと思った。





 

ウミネコが棲む島

2010-07-07 12:00:00 | Weblog

          




 青森県八戸市の港内にある蕪島(かぶしま)
八戸までの高速料金が無料となったので30年ぶりに出かけてみた。

 蕪島はウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている。
写真ではわかりにくいが、あちこちに点在している無数の白い物体がウミネコだ。
この島には約4万羽のウミネコが棲息している。
島に近づくと、ミャーミャー、ニャーニャーと子猫のような鳴き声が聞こえてくる。
実にすさまじく、耳を覆いたくなるような騒がしさだ。
島と言っても現在は埋め立てられて陸続きになっているので、ごく間近でウミネコの生態を観察できる。
今なら6月に孵化したばかりの可愛いヒナたちを見ることができる。
蕪島の頂上には商売繁盛・子授けの弁財天が祀られている。 



         



 糞害避けの傘と、かっぱえびせんの袋を手にして車を降りると、即刻大勢のウミネコたちのお出迎えを受け、嬉しいと言うよりはひるむ。
これだけの数のウミネコに囲まれると恐怖心の方が先立ち、私はかっぱえびせんの袋をいやがる夫に無理矢理手渡した。
現金な彼らは餌を持っていない人間には見向きもしない。
夫は執拗に追いかけ回されて悲鳴をあげていた。


 このような光景を目にして思い出すのは、ヒッチコックのパニック映画『
ある日突然人間が凶暴化した鳥に襲われるという衝撃的な内容だったが、最後までその理由は不明、為す術も全くないという救いのない娯楽映画だった。
まだCGの技術が生み出されていない頃の古い映画だから、剥製や本物の鳥を大量に使って撮影したそうだが、リアルな演出が怖くて震え上がった。
それまでは愛玩動物としての存在でしかなかった鳥だったが、この映画を見た後は否応なく意識が変わり、しばらくは鳥を見るのもイヤだった。

 ウミネコもよく見ると、どう猛で意地悪そうな顔をしている。特に目が冷酷だ。
蕪島のウミネコたちもある日突然......



          



  二羽の海猫が、1匹の魚の死骸を取り合って喧嘩をしていた。
彼らは威嚇しあったりにらみ合いを繰り返すばかりで、なかなか闘いの勝負がつかない。
喧嘩の様子をみていると、かなり冷静な鳥であることがわかる。
育ち盛りの我が子に与える食事を賭しての闘いだからどちらも真剣だ。
ヒナたちが周りに寄ってきて、懸命に親鳥を応援している。
 食べる!生きる!子を作る!
たったそれだけの短くシンプルな一生だ。どちらも頑張れ!



          


  
 静かに佇むウミネコの集団を見ると映画『鳥』のラストシーンが思い出される。
神社へと上る階段には、足の踏み場もないほどの数のウミネコがいて、人間に慣れているのか近寄っても全然逃げようとはしない。
生まれたばかりのヒナたちも、よちよちと愛らしい姿で散歩している。
手を差し伸べたら容易に捕獲できそうな感じがするが、この人間と鳥の共存の関係が破壊された時......
映画『鳥』のような不幸が起きないとは限らない。







水の心

2010-07-04 11:55:00 | Weblog
 
         



 冬場に咲くクリスマスカクタス(シャコバサボテン)の蕾が大きくなった。
5月、6月の低温にビックリして、早くも冬の到来と勘違いしたのだろうか?
なんとも慌て者のサボテンだ。  


 5月に軽米町のチューリップガーデンに出かけたことがあった。【開けチューリップ!
15万株もの花を手入れしている関係者の苦労を思うと、たかだか数十株の球根で怠けてはいられない。
長年花壇に植えっぱなしにしていたチューリップの球根を掘りあげることにした。
里芋のように分球して育った球根が出てくるわ出てくるわ...と想像しながらワクワク。
しかし期待は見事に裏切られ、どれもこれもやせ細っていて見るも無惨な姿だった。
数も半分以下に減っていてショック。
チューリップガーデンで私の意識は大きく変わった。
これからは絶対に手入れを惜しまないと誓う。



               ☆



 今年のあつはなんともなっつい...いや、今年のなつはなんともあっつい
だらけて口も回らないし何にもする気が起きない。一日がすごく長い。
ナイフで切ったように夏が終わる」と言う名コピーがあったが
ゆるやかな自殺のように夏が始まる」 (by nihao)

全身の細胞が北国仕様になっているものにとっては、夏は一年中で一番残酷な季節だ。
夏の暑さと冬の寒さ、はたしてどちらが耐え難いだろうか?
+30度と-30度の世界なら迷わず-30度の世界を選ぶ......とは真夏用の戯言。



                        




 豊かな水をたたえた滝沢村総合公園のロックガーデン。
ひとときの涼を求めにやってきた。




             


 
       [滝の裏側]


 滝を目前にして佇むと、なぜかその裏側の世界を知りたいという思いが募る。
存在するあらゆるものに表と裏はあるけれど、水の流れの裏側を見ることは難しい。
裏側に回りこむことが出来る滝を[裏見の滝]と呼ぶそうだが、そのような滝は全国的にも珍しいらしい。
だから簡単に滝の裏側に進入することが出来るこの公園の人工滝の構造は嬉しい。

 水が生き物のようにランダムに形を変えて激しく流れる。
このような模様も水紋と言うのだろうか?
古来から水紋には妄想や妄執を洗い流す力があると云われているが
冷感が外の暑さを遮断して別世界に踏み込んだような爽快な気分になる。
水のヴェールを通して見る表側の世界も神秘的で新鮮な感じに見えてきた。
ちょっとだけ元気になって家に戻る。