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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

はなまる美術館

2008-11-25 11:15:07 | Weblog
昨日の朝『はなまるマーケット』を見ていたら、司会の岡江久美子さんによる青森の旅あれこれが放送されていた。
そこで紹介されていたのが、今春オープンしたばかりの【十和田市現代美術館
日本の道百選に選ばれている十和田市の官庁街通りに建てられている。
昨年新緑の頃、この美しい道を通った時にはまだなかった。
120㎞離れた地だが、雪が降る前に行ってこようと思い立った。

十和田市の中心地はシャッタ街ーが目立っていて、景気が冷え込んでいる感じだったが、アートによる街づくりで地域の活力を掘り起こそうとする市の英断に感心した。
美術館は、はなまる効果もあって大変な賑わいだった。
小さなお子さん連れの若い夫婦もたくさん来ていた。
難解と思われ敬遠されがちな現代アートだが、この美術館は、子どもからおとなまで気軽に楽しめるように工夫されている。


             


 先ず正面入り口にある『フラワー・ホース』が圧巻。
エントランスホール一面の華やかな色彩の床も作品のひとつだ。

 陽光が燦々と降り注ぐガラス張りの迷路のような回廊を巡って作品を見学する。
ひとつの作品をいろいろな角度から眺めることが出来る。
屋外に展示されている作品は触れ合ったり体感したりして楽しむことも出来、オノ・ヨーコさんの『ウィッシュ・ツリー』には、願い事を書いた短冊がたくさんぶら下がっていた。

 美術館内部から屋外への出入りも自由で開放的。
空間全体を使ってアートを表現・呈示して楽しませてくれる。

 あらっ? なにかしら既視感が.......
そうだ! これは旭山動物園の「行動展示」に似ている。
実際に『オオカミ館』とそっくりな、天井の穴に頭を突っ込んで確認する作品があり、やじ馬たちの行列が出来ていた。
私ももちろん並んで順番を待った。 わくわく。
穴の中には??? いや、言わぬが花というものだろう。

 帰途、座敷わらし伝説で有名な金田一温泉へ。

 それにしても、女としても主婦としても偏差値の高い高好感度女優の岡江久美子さん。
岩手に来てひとこと
盛岡に行ったらゼッタイに○○館よねっ!
と全国の視聴者ににこやかに語りかけてくれたなら......
赤字で苦しむ当地の美術館や、あまたある文化事業団関係の○○館は、どれだけ息を吹き返すことだろうと独り言。


新型インフルエンザ予防策

2008-11-22 09:45:03 | Weblog
           


 これはプロポリスのサプリメント。
プロポリスはギリシャ語で「敵の侵入を防ぐ城壁」という意味。
天然の抗生物質といわれ、免疫力を向上させる働きがあるらしい。
価格は様々。100円ショップでも売っているし数万円もするものもある。
写真の製品は一ヶ月分3000円台で買えるお買い得品だ。

 8年前初めて中国旅行をしようとした時、中国にしばらく滞在したことのある友人から
「それなら絶対にプロポリスを飲んで行くように」
となぜか強力に勧められた。
その忠告に耳を貸さなかった私は、本当にひどい目にあってしまった。
おそらく膀胱炎にかかったのだと思うが、劣悪なトイレ事情の中国で、耐えられない痛さと恥ずかしさと情けなさに、涙を滲ませながら何度もトイレに駆け込むことを余儀なくされた。
当時の中国の観光地のトイレのおぞましさ......今でも夢でうなされる。

 その後猛烈に反省してプロポリスを飲み続けてきた。
服用し始めてから風邪を全くひかなくなった。
いや、健康体でいると都合が悪いことも生じるので、TPOに合わせて風邪をひいているふりをしたことは何度もあった。
でも本当は8年間一度もひいていないのが自慢。
熱を出したことも咳をしたこともないが、単なる偶然だろうか?

 今春から年金生活になって、たった3000円なにがしかの節約をするために、しばらく服用を休止していた。
しかしだ!
最近よく話題になる新型インフルエンザの大流行の兆し。
人類のほとんどが免疫を持っていないために、容易に人から人へ感染し、世界的な大流行が引き起こされるというではないか。致死率も高い。
昨夜のニュースでは、罹患率の予想が25%から50%に上昇した。
2週間は外出しない方がよいというから、食料の備蓄も必要だ。

 私は慌ててプロポリスを買いこんだ。
あわよくば助かるかも.....という期待。
もちろん飲むのは私だけ!
50%の確率なら夫は病に倒れるだろうが、私が元気であれば何とかなる。

    .....ワタクシだけがつつがなく.....
                      (by nihao)

 これが年金生活防衛隊員の新型インフルエンザ予防策だ。
 

 

ハードボイルドな一日

2008-11-19 20:00:08 | 読書

 


 レイモンド・チャンドラー作、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』
530ページの長編だが、家事をさぼってまる二日間夢中で読んだ。
途中でハッと犯人像が浮かんだ。
そうだ.....別訳(清水俊二)ですでに読んでいた!
松田優作のTVドラマ『探偵物語』の下地は、作品中の私立探偵フィリップ・マーロウである。

僕は金持ちなんだぜ。その上幸福になる必要がどこにある
さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ
ギムレットを飲むには少し早すぎるね

 随所に、しびれる決めぜりふが散らばる。
友情、孤独、男の誇り、夢の喪失、幻想と幻滅、軽口のお喋りと軽妙な比喩。
村上春樹の文体が、作品の小道具や背景を巧みに演出している。

 ハードボイルドの主人公は、どのような事態に陥っても自らの人生観を絶対に曲げない。
その大人になりきれない単純さと不器用さが可愛い。
この作品を読んだなら.......
男はみんなフィリップ・マーロウのようなタフな探偵に憧れる。
そして女(私)も、芳醇な酒の香り、煙草の紫煙、スローテンポなジャズが流れる珠玉のハードボイルド・ミステリーに酔いしれる。
フィリップ・マーロウに宿酔。しばし呆然。

 我に返って、夕食はお肉や野菜をじっくり煮込んだハードボイルド・ロシアンスープ『ボルシチ』を作った。





 ボルシチを作るためになくてはならない材料がビーツ(赤カブ)
そろそろフレッシュのビーツが出回る時期だが、生産量も需要も少ないので滅多に手に入ることはない。 
近くにコストコのような海外スーパーもないので、ネットでロシア産の缶詰を注文する。
ビーツ缶さえあれば簡単。
カレーやシチューの材料と相違ないがサワークリームは必須。
世界三大スープとして名高いボルシチをお試しあれ。

 

もし裁判員に選ばれたら

2008-11-17 11:30:02 | Weblog
 昔から海外の法廷ミステリーを愛読してきた私は、幾度陪審員席に座っている自分を想像して夢中になってきたことだろう。
いよいよ日本の司法の大改革の幕が開く。

「来年から裁判員制度がスタート!」

 最近このCMが頻繁に流れるのを見ると、なんだかそわそわ落ち着かなくなる。
多くの人は、どうせ自分は裁判員の候補になることはないだろうと考えているらしい。
予想では数千人に一人の倍率らしいから、無縁でいられるかもしれない制度だ。

 しかしおそらく私は早い時期に当たるだろう。
あっ、いや、宝くじではないから当たるは不適切......必ずや選出されるという確かな予感でいっぱいになる。
この予感は、裁判員になりたいという深層心理の現れだろうか?
いや!宝くじ同様、いつかは絶対当たると信ずる妄想体質からくる。

 宝くじはまだ当たってはいないが、無作為抽出されることはよくある。
電話による選挙の事前調査、出口調査、街頭アンケートとか......。
もっと凄いのもあって、ある企業のモニターにも無作為抽出されている。
しかもこれは宝くじ当選率にも該当するほどの希少ケース&重要ミッションで、私はくじ運は悪いが無作為抽出運は非常によい方なのだ。

 法廷小説や映画に夢中になっていた頃は、自分こそは陪審員にふさわしい人物だと信じて疑わなかったが、実際に選ばれたらどうしよう?
裁判員は刑事事件の重罪裁判の審判を任せられるのだ。
死刑を宣告する局面を迎えることもあるかもしれない。
 ★裁判の内容が理解できるだろうか?
 ★他人の罪を罰することなど出来るだろうか?
 ★冷静に判断することが出来るだろうか?
 ★事件が冤罪だったらどうしよう?
不安と心配のタネは尽きない。

 逆に、もし自分が裁かれる立場だったらどうだろう?
庶民感覚のない裁判官に裁かれるよりは、自分と同じような生活をして同じような問題を抱えている一般市民に話を聞いてもらい判断してもらいたいと考える。
そして罪を犯した心情を理解してもらえることを期待する。
しかし『罪を憎んで人を憎まず』という原則に慣れていない一般人の裁定は、裁判官の裁定よりも厳しいものになることも予想される。
死刑執行の数は一段と増加するだろう。

 あら?もしかしたらこの制度は、現行の裁判よりも量刑を重くするために実施する制度なのだろうか.......ふと疑問。

 裁判員制度は、法律専門家の判断だけでなく一般人の常識を判決へ反映させることを目的としている。
もし裁判員に選ばれたら........
国民の常識良識を持ち合わせていれば大丈夫だという話だ。
私の場合は、それが問題だ。


 

世界でひとつだけのフリース

2008-11-14 11:00:03 | 手仕事
 フリースが恋しい季節になった。

 テレビのローカルニュースで、当地のお役所がウォームビズ励行のためフリース着用で仕事をしている光景が映っていた。
フリースは、希望者が自己負担で購入しているという。

 室内でフリースを羽織らなければならないほど、オフィスは冷え切っているのだろうか?
エネルギー削減、二酸化炭素削減はこれからの地球にとって重要な課題だ。
クールビズ、ウォームビズともにその趣旨は理解できる。
しかし夏の暑すぎ、冬の寒すぎは、仕事の意欲の減退や作業能力の低下に繋がったりはしないのだろうかと心配になる。

 夫の職場も暖房の設定温度が低い。
「寒くて寒くてたまらん!」と珍しく毎日音を上げている。
長い職場経験で、夫が寒くて我慢出来ないと言い出したのは今回が初めて。
新しい職場では一日中机にかじりついている仕事なので、身体が温まる暇がないのだろう。

 老体に鞭打って働いてもらっているので風邪でもひかれたら大変だ。
発熱下着を買ってプレゼントした。
うちエコ運動には全く無関心の私からのせめてもの罪滅ぼしだ。
「こんなもの信用出来ん!」
と言っていたけれどその効果にはきっと驚くはず。
給料の少ないのは目をつぶる。
そのかわり丈夫でながく、なが~く働いてほしい!

 この時期は私もフリースを愛用している。
もちろんユニクロ。
軽くて暖かくて耐久性があってその上安い。

 しかし私の年齢では、ユニクロのフリースをそのまま着用するのにはかなり抵抗がある。
ユニクロブランドに抵抗があるというのではなく、みんなが同じモノを着ているという現象がすごく照れくさい。
仲間!仲間!とうかれるわけにはいかないおばさん魂!
そこでちょっとだけ手を加えて自分らしさを演出する。




 
小さなアップリケを縫いつけたり、ミシン刺繍やボタンで飾ると、世界でたった一枚のユニクロのフリースになる。
このアイディアは結構気に入っている。

 

大穴の検証

2008-11-12 10:00:40 | 手仕事
 大穴と言ってもエリザベス女王杯やジャパンカップの検証ではありません! 




 これは......穴あき玄関マット? まさか

 またまた考えついたイジーソーイングのおしゃれ着。
何故穴があいているか?  もちろん腕を通すため!
イオンの洋服売り場をぶらついて気がついた。
最近はこのような、体形を選ばない不思議な形の洋服が流行している。
ありがたい!しかしお値段は結構する。
これなら私でもすぐ作れる! 製作時間1時間半。


             


 以前同じ布地で作っておいたキャミソールの上にはおってみる。
長方形の布地だからサイドが余る。 歩くとひらひら舞う。
とても個性的だが不自然なフォルム。
う~ん、なんだか落ち着かない。
ドアにはさまったり家具などにひっかけてしまいそうだ。
電車の乗り降りには要注意だ。
どこかのあんチャンに裾を引っ張られ、暗がりに連れ込まれる危険性もある.....(ない?ない!)


             



 そこで2パターンの着こなしを考えてみた。
ベルトを使用したタイプと、サイドの余っている布地を正面で結んだタイプ。
いずれにしても私が着るとちんけな感じ。
スタイリッシュでも実用的でもないことが判明した。
製作前のイメージと完成品が、大きく異なるのが素人洋裁の難点。
自分に似合う洋服が何たるかを知らないのは私の欠点。

 では他の利用法を考えてみよう。

①二つ折りにしてマフラーにする(穴あきだけれど)
②そのまま肩掛けとして使う(穴あきだけれど)
③膝掛けにもなる(穴あきだけれど)
④とっさの時の風呂敷がわりになる(穴あきだけれど)
⑤戸外での敷物がわりになる(穴あきだけれど)
⑥前後を逆にすると介護用エプロンになる
 
 さまざまな利用法が考えられ、大変優れたアイテムであることが証明された。
しかし苦労して穴をあける必要がなかったことも証明された。
 


愛の力?

2008-11-10 11:50:05 | おすすめ記事

                          

 我が家は10年来棟方志功の版画カレンダーを愛用している。
今年もはや残り一枚となってしまった。 冬支度に気ぜわしい。

 そういえば先日、TVドラマ『我はゴッホになる!』で、劇団ひとりが棟方志功役を演じていた。
棟方志功が乗り移ったかのような熱演だったが、実物も本当にあんなに凄まじかったのだろうか?
劇中の台詞のほとんどは津軽弁だったが、この難解な言語は隣県に住む私ですら半分程度しか聞き取ることができなかった。
恐るべし正調津軽弁!日本語の原型を全くとどめていない。
標準語字幕が用意されていなかったことがとても不思議だった。

 私は方言で綴られているブログが好きでよく読む。
書き言葉にされた方言は何とも言えない味が出て面白い。
巧みな方言の遣い手たちは詐欺師に似ている。
ちっとも面白いことを書いていないのに、方言というスパイスを使って最高の味付けをしているから(ずるいなあ.....)

 ところで環境に慣れるということは恐ろしい。
隣県・近県のズーズー弁には敏感に反応する私だが、年々耳が馴染んできたせいか、もはや岩手弁は方言として認識されなくなっている。
訛りも全く感知不能。どうやら耳までナマってきたらしい。
少なくとも私の周りには、岩手弁の遣い手はおろか訛っている人間すら一人もいない.......という錯覚に陥っている。

 先日我が家に逗留した姪が
「伯父さんが早口で喋ると、訛っているから全然わからな~い!」
と言ってきた。
「まあ、あなたこそ何言っているの!伯父さんは流ちょうな標準語でしょ!」
とたしなめておいた。
姪は唖然として言葉を失っていた。

 私の兄弟たちからも夫の訛りを指摘されることがある。
そんなことはない!夫は全然訛ってはいない!憤然と私は抗議する。
それどころか
「職場で標準語を話しているのは夫だけなのよ!」
と自慢する(夫がいつもそう言って自慢しているから)

 兄弟たちは「愛の力だ!」と感心するが、私はなぜみんなが驚くのか理解できない。


 

導かれるままに

2008-11-07 11:00:06 | Weblog


         

 これはどちらもデジカメ。右は10年前の、左は新製品。
サイズも重量も約三分の一に縮小、軽量化されている。

 古い方のデジカメを持ち歩いていると
「これは、ホントにホントにデジカメか?」
と不思議そうな顔で何度も念を押されるからうんざりする。
デカすぎ!重すぎ!写り悪すぎ! 残念だが換え時だ。
 
 法事帰省していた娘がやたらと電子機器に精通しているので、娘がいる間にデジカメの購入と夫の携帯電話の機種交換をした。
娘のアドバイスと講習なしでは一歩も前に進めないデジタル音痴の私たち。
説明書を読めば解るだろうって?
いや!混迷と停滞の次元に住みつく我らには絶対無理な難題である。

 デジタル機器の取り扱いを説明する時、娘はいつも私たちに
叩けよ さらば開かれん!
   導かれるままに汝の前にある道を歩め!
 
 まるで伝道師のような説教を垂れるが、導かれるまま辿っていって真理もゴールも見えたためしがない。
挙げ句の果ては、道に迷ったり途中で貴重なデータを消失するのが関の山だ。
昨夜も夫は一人で携帯と格闘していたが、数年来保存していた写真をすべて失い、青ざめた顔つきでうなだれていた。
やはり......選ばれし者のみが導かれていくらしい。

 さて新型デジカメの講習を受け、何となく理解した気になっている私。
今までブログ用の写真はすべて携帯カメラで撮ってきたが、これからはより鮮明な写真をUPすることができるかもしれない........ワクワク。

 先日姪が、イカ墨パスタとドライトマトを買ってきてくれたので調理してみたが、デジカメの威力を確かめるべく携帯カメラとの比較写真を撮ってみた。
上がデジカメ、下が携帯写真である。

  

              


 あら? 正直言って違いがよく分からない.......。

宮沢賢治の下宿先

2008-11-05 10:15:01 | Weblog

           


 連休中は、舅の十三回忌と姑の一周忌を執り行った。
家族、近隣の親戚たち、遠来より舅・姑の姪たちも駆けつけてくれた。

 この一年あらゆる生活の場で、今もし婆婆がここにいれば....どのように感じ何を話すだろうと、姑を強く意識させられる日が少なくなかった。
法要の最中、閃光が走り雷鳴が轟いた。
すさまじい轟音......これは婆婆の怒りの鉄槌?
あっ!いや......生き残った者たちへの婆婆からの喝であろう。
介護を通し晩年に深く関与したものとしては、はたして婆婆を幸せにすることができただろうかと、いまだに後悔と反省の気持ちが交錯する。

 我が家の菩提寺は浄土真宗『徳玄寺』
銭掛けの松】という伝説が残っている古い寺だが、実は宮沢賢治の盛岡中学時代の下宿先としても知られている寺だ。
『賢治さんの部屋』は今でも本堂のすぐ脇に現存する。
何も宣伝していないので見落とされがちだが、お願いすると案内してくれる。
 
年譜によるとこちらでの下宿体験が仏教への興味や関心を育んでいったようだから、本来であれば、あまたひしめく賢治研究家やファンにとって絶対に見逃すことのできないスポットだと思う。
そこで迷カメラマンnihaoが潜入して、ネットでも流出していない『賢治さんの部屋』の証拠写真を撮影することに成功!


           

 大変貴重な一枚であるにもかかわらず、なんじゃこれ写真になってしまった。

 実は現在この部屋は、つい最近後継者になったばかりの若き住職さんの控えの間になっている。
茶道具や衣類などの私物が並んでいて『賢治さんの部屋』というよりは、どうみても『徳玄寺の若様の部屋』だ。

 仕方がないから視線を上にして撮影した。
大正2年頃、宮沢賢治は毎日畳の上に寝転がり、この砂壁を眺めては深遠なる宇宙や人間の真理について思いを巡らしていたはず.....なのだ!

 盛岡市には、たった3週間しか住まなかった【石川啄木新婚の家】という観光スポットがあるが、徳玄寺の『賢治さんの部屋』だって、宣伝すればかなり注目され観光客が押し寄せるのではないだろうかと、檀家の末端人はつい想像してしまうが.......。

 いや、ひっそりと陽の当たらない寺の一隅で、密かに時を刻んでいる方がよいのかもしれないなあ。