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【Laundry】
窪塚洋介/小雪/森淳一監督
前回、巨大すいかに化けたガスタンクに関する記事を書いた。
確かガスタンクの映像が印象的な映画があったはず。
記憶の引き出しに横たわっていながら、どうしても思い出せない映画のタイトルがあったのだが........それがこれ『ランドリー』だったとやっと判明。
不気味に聳えるガスタンクの存在が、作中人物たちの心象風景に重なって効果を上げていた。
数年ぶりに見直してみたが、なかなか優れた小品だ。
「婆さんが言っていた。あの女は女狐だ!」
字幕が中国語になっているのは、上海に留学していたH嬢のご子息からのお土産だから。
日本語の台詞がそんなにややこしくないので、中国語字幕もいたってシンプル。
耳で日本語を聞きながら目で瞬時に中国語を読む。
初級者の語学練習には最適な方法で、何度も何度も繰り返して鑑賞していた時期があったのにすっかり忘れていた。
ところで窪塚洋介クン、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得するなどして将来を期待された個性派の役者だったが、最近は露出度が極端に減っている。
やっぱり、あの.......謎の転落事故が原因なのだろうか?
奇行や数々の過激発言で注目を浴びていたが、この『ランドリー』という作品を見ると、難しい知的障害者の役を好演していて、いかに優れた役者であるかがよく分かる。
最近はスポーツ選手にしても芸能人にしても、お行儀の良い若者ばかりが人気を博す。
大衆もまた、その手のそつのない好人物を要求するから、窪塚洋介クンのようにいかに才能ある役者が登場しても、彼が若さの特権である純粋さや危うさを正直に露呈することを許さない。
個性豊かな若者に、人品高潔であることやマナーの良さを押しつけても意味がない。
若さの真髄は危うさのなかにある。
お行儀の良いふりをする若者はちょっと信用できないと、いまだに行儀の悪いnihaoは思うのだが........。
窪塚洋介クン、もう一度翼を羽ばたいてぜひ浮上して欲しい。