日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

ウクライナの7つの世界遺産(2022年現在)・世界遺産活動の目的は 心の中に平和の砦を築き 世界平和を築くこと

2022年04月01日 | イタリア旅行・世界遺産

ウクライナの7つの世界遺産(2022年現在)・世界遺産活動の目的は 心の中に平和の砦を築き 世界平和を築くこと

 

ウクライナには2022年現在 6つの文化遺産と 1つの自然遺産がありますが

今 ウクライナではさまざまな文化遺産も爆撃のリスクにさらされています

国連教育科学文化機関(UNESCO)などを筆頭に 文化遺産を守る動きが進んでおり リビウ国立博物館ではすべての文化財を地下施設に運んだそうです

ウクライナの文化遺産を守る ユネスコ、現地が奔走」(2022.3.18)は こちら

 

ウクライナの世界遺産について:

1. キエフの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキエフ・ペチェールシク大修道院 

Kyiv: Saint-Sophia Cathedral and Related Monastic Buildings, Kyiv-Pechersk Lavra

1990年登録 

ウクライナ最初の世界遺産です 

かつてロシアへのキリスト教普及に多大に貢献し キエフ・ルーシ

(キエフ大公国/9-13世紀)の繁栄を今に伝える聖ソフィア大聖堂 

キエフ・ペチェールシク大修道院 ベレストヴォの救世主聖堂の3つが構成遺産です:

聖ソフィア大聖堂  Saint-Sophia Cathedral (上の写真)

ウクライナの首都キーウ(キエフ)* の真中心にあるキリスト教の大聖堂

ウクライナ最初の中央政権国家キエフ・ルーシ最大の聖堂として 1037年に建立されました

11~18世紀のウクライナ建築史上 最も名立たる教会であるとされます

*「キエフ」は「キーウ」 「ドニエプル川」は「ドニプロ川」 「チェルノブイリ」は「チョルノービリ」になるそうです

 

キエフ・ペチェールシク大修道院 Kyiv-Pechersk Lavra

キエフのぺチェールシク地区にある 11世紀半ばに建てられた修道院です

ロシア正教の中でも数少ない「大修道院」の称号を持つ ロシア正教ウクライナ支部の総本山です

ベレストヴォの救世主聖堂 Church of the Saviour at Berestovo

キエフのペチェールシク地区にある聖堂です

 

2. リヴィフ歴史地区 Lviv

1998年登録

ウクライナ西部のリヴィフ州リヴィフに位置しています 

13世紀半ばに ガリチア公ダニール・ロマノビッチによって建設され

政治 商業の中心として栄えましたが 14世紀以降ポーランド・ 

オーストリアの支配下となり 旧ソビエト連邦に併合されてウクライナの一部となりました

リヴィフ歴史地区はこのような複雑な歴史を反映して 東欧の伝統様式と

イタリアやドイツなどの建築様式が混在する この町独特の建造物が建ち並びます

また ウクライナ・カトリック教やアルメニア正教など 数多くの宗派の教会がある事でも有名です

リノック広場を中心とした旧市街には 17~18世紀の建造物が多く残されており 中世の雰囲気が漂っています

 

3. シュトルーヴェの測地弧  Struve Geodetic Arc

2005年登録 

ノルウェー・スゥエーデン・フィンランド・ロシア・エストニア・ラトビア・リトアニア・ベラルーシ・モルドバ(唯一の世界遺産)・ウクライナの10か国にわたるトランスバウンダリーサイト 

ドイツ出身のロシアの天文学者 フリードリヒ・フォン・シュトルーヴェが中心となって1816~1855年にかけて設置した 子午線弧長の三角測量のために設置した 2820kmも続く三角点群のことで 地球の大きさなどを正確に測る上で多大な貢献をしました

当時設置された265か所測量点のうち34か所が 2005年に世界遺産に登録された

*これを世界遺産検定で初めて知った時はスケールの大きさに驚きました!!

 

4. ブコヴィナ・ダルマチア府主教の邸宅

Residence of Bukovinian and Dalmatian Metropolitans

2011年登録

ウクライナのチェルニウツィーに残る建造物群で ブコビナ(ウクライナとルーマニアの歴史的地名)がオーストリア帝国に属していた1864年から1882年にかけて チェコ人の建築家ヨセフ・フラヴカの設計で建てられました

建造物群は かつてのブコビナ府主教たちの住居や聖堂・修道院・庭園などからなり 現在はチェルニウツィー大学の校舎の一部として利用されています

ハプスブルク君主国が宗教寛容政策を採っていた時期に栄えた 東方正教会の影響力の大きさを伝えるとともに 様々な時代の建築様式が素晴らしい形で融合した歴史主義建築の傑作であることから 2011年にユネスコの世界遺産に登録されました

第二次世界大戦中には建造物群が荒らされ 戦火によって著しい被害を受けた歴史もあります

 

5. ケルソネソス・タウリケの古代都市とその農業領域

Ancient City of Tauric Chersonese and its Chora

2013年登録

ウクライナのクリミア半島セヴァストポリ近郊(2014年以降ロシアが実効支配)に残る 古代都市遺跡と周辺の農業遺跡を対象とする世界遺産です

ウクライナのポンペイ」とも呼ばれ かつてウクライナの紙幣の図案にも採用されたケルソネソスの考古遺跡は 黒海周辺に植民した古代ギリシアのポリスと それを支えた農業領域の姿を伝えている点などが評価されています

この世界遺産はの8件の構成遺産からなります

 

6. ポーランドとウクライナのカルパティア地方の木造教会群

Wooden Tserkvas of the Carpathian Region in Poland and Ukraine

2013年登録

ポーランドとウクライナに点在する 16世紀から19世紀に建造されたギリシア正教会16の聖堂で構成され この地方の4つの民族への文化的な拡大と 様式的・装飾的・技術的特徴を代表するものです

木造教会はポーランドやウクライナ以外にも多く存在しており その代表的なものは世界遺産への登録が進められてきました

登録物件には ウクライナ側からは ドロホブィチの聖ゲオルギオス聖堂 天使首ミハイル会衆聖堂 至聖三者聖堂が有名です

リヴィウ州 イヴァーノ=フランキーウシク州 ザカルパッチャ州(ウクライナ側)

ポーランド側には 天使首聖ミハイル聖堂 聖パラスケヴァ聖堂 使徒小イアコフ聖堂などがあり それぞれに異なった建築様式を持っています

* 木造教会の写真を見た時は 新鮮な驚きがありました💖

 

7. 自然遺産 カルパティア山脈のブナ原生林とドイツのブナ古林群

Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe

2007年、2011年、2017年、2021年拡大

最も多い国数の ヨーロッパ18か国(アルバニア・イタリア・ウクライナ・オーストリア・クロアチア・スイス・スペイン・スロバキア・スロベニア・チェコ・ドイツ・フランス・ブルガリア・ベルギー・ボスニアヘルツェゴビナ・ポーランド・ルーマニア・北マケドニア)にまたがる自然遺産です

アルバニア・オーストリア・ベルギーにとっては初の世界自然遺産になります

スロバキアとウクライナにまたがるカルパティア山脈10箇所ブナ原生林と ドイツ中部および北西部にある15箇所ブナ林 さらに残りの国の9か所自然保護区が対象になっています

カルパティア山脈のブナの原生林は 東西185キロメートル 総面積2万9278ヘクタールに及ぶ世界最大のブナの原生地域です

ブナだけでなく ナラやボダイジュなどの樹木も生育し カエデやカシ モミなどの 別の樹種との混交林も見られる多様な植物が共存している場所です キンメフクロウなどの114種の動物を豊かに養う貴重な楽園として 原始のままの姿を現代に伝えています

日本のブナ林とは異なり ヨーロッパブナの森林を対象としています

 

   *   *   *


ちなみに 2022年6月19日~30日 ロシアのカザンで開催予定の第45回世界遺産委員会には ウクライナの世界遺産候補は出されていません

 

世界遺産活動の目的は 「人類共通の遺産を 国際協力による保存活動を通じて 心の中に平和の砦を築き 世界平和を築くこと です


ウクライナの世界遺産は こちら

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« すみだ北斎美術館「花らんま... | トップ | イタリア絵本「ぼくはしょう... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

イタリア旅行・世界遺産」カテゴリの最新記事