日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「古代ローマ帝国 1万5000キロの旅」(アルベルト・アンジェラ著・関口洋子訳/河出書房新社)を読みました

2021年10月16日 | イタリアの歴史

「古代ローマ帝国 1万5000キロの旅」(アルベルト・アンジェラ著・関口洋子訳/河出書房新社)を読みました

 

イタリアで人気の ローマ帝国等の歴史ドキュメンタリー番組UlisseをYou Tubeで見る機会があり その番組の人気司会者アルベルト・アンジェラ氏の書かれた著書の日本語版を早速読みました!!

1枚のセルティウス貨が ローマ帝国各地をかけめぐりながら織りなす物語で ワクワクしながら読み進めました💖

 

氏の前作の「古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活」も読みましたが こちらは1日の時間の中でのローマの人々の生活を切り取って描いた物語です

一枚のセステルティウス貨が トラヤヌス帝下のローマ帝国で様々な人の手に次々とわたり それに伴って様々な土地とそこに住む人々の様子が生き生きと描かれて 大変興味深く ぶ厚い本ですが飽きずに読み通すことができました

一番のクライマックスは ローマの大競技場キルクス・マクシムス(チルコ・マッシモ)での剣闘士の戦いのシーンですね チルコ・マッシモは 当時はコロッセオよりも重要な娯楽の場だったそうです

また当時の公衆浴場テルマエ・ロマエは 交流の場としても有名でしたが この温泉のために当時たくさんの木が伐採されたこと そしてコロッセオの剣闘士との闘いで殺された多くの猛獣たちが ヨーロッパ各地から連れてこられる間に 何割も旅の途中で死んでゆき コロッセオやチルコ・マッシモの舞台に出てもやはり動物たちはどのみち殺される運命にあり とてつもない浪費が行われたこともわかりました

「ローマ歴史講座」で習った緋色(porpora)のトーガ ローマ帝国のステータス・シンボルともいえる 元老院の貴族や皇帝のトーガの色ですが この緋色を出すために アッキガイ科のシリアツブリガイという貝から ごくわずかに取れる物質を取り出すため 地中海でこの貝が絶滅してしまうほどだったとのこと これは知りませんでした

 

ローマ帝国時代の調味料ガルム(魚醤)についても紹介されていました  今はナポリ南部の漁村で ガルムの流れを汲む調味料として コラトゥーラが作られていますね

ローマからロンディニウム(ロンドン)  パリ トリ―ア メディオラヌム(ミラノ) リミニ オスティア スペイン プロヴァンス バイア エジプト インド メソポタミア エフェソスへと  旅は1枚の貨幣が人の手から手へと渡されるのに伴い続きます 

終盤で  トラヤヌス帝本人がメソポタミアの地で偶然 自分の横顔の掘られたこのセルティウス貨を手にするシーンはとても印象的でした

古代ローマの領土を最大にし 富と繁栄をもたらしたトラヤヌス帝の時代に舞台を据えたこの物語に惹きこまれました

古代ローマ帝国1万5000キロの旅」は こちら

 

P.S.  10月初めの週末の イタリア各地での反グリーンパスの大規模デモで 極右政党フォルツァ・ヌオヴァの党首等数名が逮捕とDeutsche Welleで聞き イタリアの新聞サイトを調べてみると 暴力的なこの政党の禁止・解散を求めるとありました

 


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