日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「ヴェネツィアングラス二千年の旅」展開催のお知らせ(2017.4.29~11.26)@箱根ガラスの森美術館

2017年05月09日 | イタリアの美術館・博物館
「ヴェネツィアングラス二千年の旅 ~古代ガラスの源流にみるロマン~」展開催のお知らせ(2017.4.29~11.26)@箱根ガラスの森美術館


2017年特別企画展 ─ヴェネチアン・グラス二千年の旅展─
 
会期:2017年4月29日(祝土)~2017年11月26日(日)まで 会期中無休

古代ローマ帝国時代 ガラス製法は飛躍的な発展を迎えました

パイプの先に熔けたガラスを巻き付け 空気を吹き込んで制作する吹きガラスの技法が発明され 貴重品だったガラスを 多くの人々が手にすることができるようになりました

高度に発展したガラス製法はローマ帝国の衰退後 ヴェネチアのガラス職人たちの情熱と技術で復活を遂げます
職人たちは古代ガラスの製法や 形体の復元に留まらず 創意工夫を重ねて繊細華麗な作品に昇華させました

長年の風化の影響で銀化し 虹色の輝きを放つようになった古代ガラスと その影響を受け発展を遂げたヴェネチアン・グラスを展示し ガラスの歩んだ時空を超えた旅を辿ります


1章 ガラスの誕生と多様なガラス器の登場


初期のガラス器は 固まった後に中の粘土を掻き出して作る「コア・グラス」や 模様入りのガラス片同士を熔着する「モザイク・グラス」などが作られました
これらは 一部の特権階級しか所持することができない貴重品でした

ガラス製法の一大転機が訪れたのは 古代ローマ帝国領内のシリアで 「宙吹き技法」が発明され 量産が可能になってからです

その一方で「モザイク・グラス」などの装飾されたガラス器は 富裕層のステータスや東方世界との貿易のため アレクサンドリアなどで作り続けられていました
技術の革新によりガラスの価値は 日常品と貴重品に二極化されていきました


2章 古代ガラス技法の継承とヴェネチアン・グラスの黄金時代


西ローマ帝国の消滅後 古代ローマのガラス製法は一部失われましたが 宙吹き 熔着装飾などのガラス製法は 東地中海地域 シリア・パレスティナ地方などで引き継がれます

さらに東のササン朝ペルシャでは精巧な「切子碗」が生まれ 西はコンスタンティノポリスや 日本の正倉院にも伝来していたそうです

中東地域で継承されたガラス製法は 7世紀以後「イスラム・グラス」として開花しますが やがて存亡の危機に瀕します

既にヴェネチアは 1291年の法令により ガラス職人をムラーノ島に強制移住させ ガラス製法の流失を防ぐ保護政策を打ち出しました

そしてこのシリアの争乱から逃れてきたガラス職人を受け入れ ヴェネチアン・グラスはさらなる発展を迎えました 
 
 
3章 古代への憧れと、再現される古代ガラスの技法

16世紀に黄金時代を迎えたヴェネチアも 18世紀末から苦難の時代が到来しました

1797年ナポレオンのヴェネチア侵攻後の仏墺間の条約により ヴェネチア共和国はオーストリア領となり ボヘミアやイギリスのガラス産業の台頭や 輸出入に伴う関税などが重くのしかかり ムラーノ島では18世紀末から不況を打破できるほどの大きな技術的進歩もなくなりました

ガラス職人の失業率が増える中 復活の兆しが見え始めたのは 「古代のガラス」に対する関心の強まりと 往時の技術の復活に取り組もうとする人々の登場でした

18世紀中頃から始まった「ポンペイ遺跡の発掘」や 1870年代の「トロイ遺跡の発掘」による古代文明への注目は ヴェネチアのガラス職人たちにも広がりました

以後 現在まで 古代のガラスの形態や技法などからの着想を得て さらに創意工夫を施したヴェネチアン・グラスが多数制作されているのです


ヴェネツィアングラス二千年の旅 ~古代ガラスの源流にみるロマン~」展
は こちら


箱根ガラスの森美術館
 こちら


ツアーで行ったことがありますが きれいでした~(*^^*)
 



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