日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「永遠の都ローマ展」見学会を開きました(2023.10.5)@東京都美術館

2023年10月06日 | 活動の報告

「永遠の都ローマ展」見学会を開きました(2023.10.5)@東京都美術館

 

ようやく涼しくなってきた10月5日(木)午後 サークルの古参会員4名で「永遠の都ローマ展」見学会を開催しました  平日午後で比較的すいていてゆっくり観られました😊

 

Ⅰ ローマ建国神話の創造

入ってすぐにある 有名な「カピトリーノの雌狼(複製)」のブロンズ像!

ローマ建国神話にまつわる ロムルスとレムスを雌狼が助けてお乳をあげて育て のちにロムルスがローマ建国の父となったという神話を表す像ですね

ドラクマ銀貨・デナリウス銀貨・アウレウス金貨・ヌンムス銅貨は 小さいながらも当時の貨幣流通の様子がわかります

 

Ⅱ 古代ローマ帝国の栄光

カエサルの肖像は 今まで見てきたカエサルのイメージとはちょっと違っていて偶像化を排したようで すぐそばにあったイケメンのアウグストゥスの肖像とは違っていましたが史実では...? 

アウグストゥスの妻リヴィアの肖像もありました ローマ歴史講座で習ったように 「祖国の母」ユリア・アウグスタの称号を持つリヴィア・ドルシラの像を見たのは初めてでした

五賢帝のひとりハドリアヌス帝の妻の母マティディアの大理石の肖像や カラカラ浴場を作ったカラカラ帝の大理石の肖像もありました 

 

そして いよいよこの展覧会のメイン彫像 「カピトリーノのヴィーナス」 2世紀に作られた大理石の彫像です 前から見ても後ろから見ても美しい~💕

また チラシに使われたメインの彫刻 「コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製)」はさすがに迫力がありました😲 

また 「コンスタンティヌス帝の巨像の左手(複製)」も展示されており この左手の人差し指がルーブルで発見されたとありました 

同様に左足(複製)もあり 全身ではどれだけの大きさになるだろうかと思いました...

 

Ⅲ 美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想

モザイク2点とも バックは金のテッセラによるモザイクですね

ミケランジェロの肖像もありました トスカーナの画家の描いた有名な肖像です 

ミケランジェロによってカンピドーリオ広場が設計され その模様についても詳しく描かれておりました 私もローマに行った時に行っておけばよかった...

 

Ⅳ 絵画館コレクション

こちらも収集された絵画のコレクションです

ナイフを胸に当てた「ルクレツィア」(グイド・レーニ作)の絵は  ローマ王の息子セクトゥス・タルクィニウスによる陵辱を恥じて短剣で胸を突いて自殺したルクレツィアの肖像ですが  この事件は王政に対する反感を盛りあげてローマが共和制に移行するきっかけとなったのですね 

P.コルトーナの「教皇ウルバヌス8世の肖像」の レースのひだの細やかさやビロードの厚みに見惚れてしまいました💕 

D.ロレーティの「教皇ベネディクトゥス14世の肖像」もありましたが 彼は1734年にこの美術館を公開したクレメンス12世の次の教皇です ちなみにこのカピトリーノ美術館は 一般市民に公開された美術館としては世界最古の事例です

 

Ⅴ 芸術の都ローマへの憧れ ー 空想と現実のあわい

なんといっても ローマ帝国の領土を最大に広げたトラヤヌス帝記念柱を描いた数々の作品が見ごたえがありました ダキア戦争の勝利を描いた彫刻がらせん状に掘られているものです

ここで撮影OKの 唯一の2点のレリーフがありました

モエシアの艦隊」「デケバルスの自殺」です: 

  「モエシアの艦隊」

   「モエシアの艦隊」の細部 

 

続いて... 

  「デケバルスの自殺」

 

 

また レリーフ「バイエーケス人の踊り」(A.カノ―ヴァ)は実に優雅な踊りが描かれておりました 

ロムルスとレムスの発見」を描いたD.コルヴィの作品「女神ローマの座像」には 左右に川を表す像も描かれています

 

特集展示 カピトリーノ美術館と日本

これは 天正遣欧使節岩倉使節団がカピトリーノ美術館とフォロ・ロマーノを訪れたこと等を紹介するものです 

ディオニュソスの頭部」の大理石像は カピトリーノと日本とを結ぶ作品でもあり 多くの画学生がモデルとして使ってきました😊

また 1876年に 日本初の美術教育機関である工部美術学校が開かれた際に 3名のイタリア人が教師として招聘されたとありましたが うち1人ヴィンチェンツォ・ラグーサ (彫刻家)の妻は 夫とともにシチリアに渡った かのラグーサ玉ですね😊

 

見どころ(写真)は こちら

 

印象としては 絵画よりも彫刻の方が見ごたえがありました 

いくつかのセミナーを事前に聞いておいてよかったです 

 

 

セミナー「古代美術とローマ市民ーー教皇シクトゥス4世の寄贈からローマ首都宣言にいたるまでのカピトリーノ美術館」(イタリア文化会館)リポートは こちら

講演会「新古典主義時代のローマ」(イタリア文化会館)リポートは こちら

 

終了後 サークルの古参メンバーたちでひさびさにお茶したあと 上野公園150周年記念イベントの屋台をそぞろ歩いて家路につきました🏡

 

   上野公園150周年記念の屋台!

 

永遠の都ローマ展」は こちら (2023.9.16~12.10)

 

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