心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

心の哲学と美学、その他なんでもあり

「すこぶる緊張してねー」という表現

2018-09-02 22:15:47 | 日記

大学生の頃出席していた講義で先生が面白い発言、というか表現をしていた。

それは「頗る緊張してね」というものである。

その先生は金岡秀友という有名な仏教学者であったが、講義は雑談が多く大変楽しかった。

毎回笑わせるような話があったが、その中でも特に印象深く、いまだに記憶に残っていてるのが、この表現である。

普通、「緊張」はシリアスで暗いイメージがある。

できるだけ緊張はしたくないし、また緊張したときのことは思い出したくないし、緊張する場面は避けたいのが人情である。

そこで「とても緊張した」とか「緊張して調子悪かった」とか「私緊張しやすい」という発言が多い。

それに対して「頗る緊張してねー」というのは、こういう神経質な心理をあざ笑うような痛快さがある。

「頗る」というのは「ちょっとは」という意味だが、一般に「緊張して」という言葉の副詞としては使わない。

「頗る緊張してねー」なんてナイーヴな人は絶対言わないし。

具体的な状況に適用してみれば、その諧謔が分かる。

「昨日被告として裁判に出廷したが、頗る緊張してねー」。

「昨日社長と懇談したけど、頗る緊張してねー」。

「昨日陛下とお会いしたけど、頗る緊張してねー」。

「昨日重大な会議があったけど、頗る緊張してねー」。

とにかく・・・・・笑えるwww

緊張が解きほぐされる、いい表現だ。


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