どこ吹く風

旅のことを主に書く。

2011年09月14日 10時37分02秒 |  チェルヴィーノ
 今回は湖ををよく目にした。意識的にそうしたわけでもない、谷をテーマにしたら湖が良く出てきたのである。湖とといえば琵琶湖のように丸い湖を思い浮かべるがアルプスでは細長い湖が多かった。考えてみれば谷川が堰き止められて湖ができたので細長く枝分かれしているのは当然でしょう。それにダム湖もといたるところにあった。

 まず最初に出てきたのはミラノ国際空港からスイスの南東の玄関口ティラーノへ向かう途中のコモ湖だった。”人”という形をしていて西岸を足の先から頭の天辺まで走った。私たちは街に入ると必ず道に迷うので、出来得る限り街に入るのを避けたい、それで予定していたコモ市内通過して東へのルートを湖畔沿いに北上することにした。湖畔沿いに走るならルートを間違えることは無いだろうとの単純な考えです。

 ティラーノから鉄道のベルニナ線沿いに行くとボスキアーヴォ湖が出てくる。汽車から見ると氷河から流れ出る水が溜まった池がある。其処へ行きたかったのだけど線路は右岸、道路は左岸を通っているので行けなかった。登り切るとラーゴ・ビアンコ(白い湖)がある。初めてスイスに来たとき湖畔の駅オスピッツオ・ベルニナ駅でのんびり休んだことがある。鉱物が溶け込んでいるのか名前の通り白っぽい。 

 スイスからチロルへ行く途中イタリア領のリヴィーニョ湖を通る、トンネルがあり抜けると又スイスになっていた。ミュスタイア修道院を過ぎると又イタリアになり、レジア湖を越えるといよいよチロルだ。レジア湖はダム湖で湖から教会の尖塔が飛び出している。 

 パッツナウンタールはダム湖の堰堤の近くの宿に泊まった。ツアイニス川を堰き止めたダム湖でGoogle Mapで調べるとシュバイヒャー・コップスとなっている。さらに西へ進むとチロルの典型的な風景となり峠へ上るとヴェルムント・シュタウ湖というダム湖があった。この峠は冬季は閉鎖されるようだ。下の村へ行くとトラクター祭りがあるのか何百台という農業用トラクターが隊列を組んで走っている。宿にも一グループ泊っていた。見ていて楽しそうな集団だった。

 そこから向かったのはドイツ領のアイブゼー、ツークシュービッツの麓にある小さな湖で保養地となっている。ロープウェイから見ると色・形がきれいなので湖畔のホテルに泊まるつもりで行ったのだが生憎満室で泊れなかった。  
それで宿を探しながらヴァルヒェン湖畔をさまよい、そこにも泊まれずさらに先へ進みスルヴェン・シュタイン湖に近い林の中のホテルを探した。湖の名前は帰ってから調べました。

 地図で見るとシルヴェン・シュタイン湖は入り組んだ形をしている、チロルで有名なアヘンゼーの上流に位置している。今年のアヘンゼーは寒いのか人気が無かった。その夜はザルツカンマグートに泊まり翌日ツェルアムゼーを一周してドロミテへ行った。ツェルアムゼーは小さな湖で30分弱で廻った、どこの湖も保養地で観光客が多い。海の無いオーストリアだから湖の人気があるのか。

 ツェルアムゼーから南下せずグロースグロックナーの西側マトライへ向かう。リエンツ、ドビアーコのメインルートを通ればドロミテは近いけどカルスから西へ山越えした。高度はぐんぐん高くなるけど山も高くなるので谷間の風景は変わらない。開けたところに湖が見えてきた、オーストリアとイタリアの国境である。オーバー湖を見下ろす高台に記念碑とキリスト像がある。
イタリア側の道路は道幅が狭く毎正時から15間分だけ下ることができる、時間ごとの一方通行である。峠道を下るとアンテルセヴァ湖が出てきて行楽客が散策していた。

 ドロミテは多くの湖があるけど今回はミズリーナ湖で休んだだけ。スイスに入ってブリエンツ湖で遊覧船に乗った。車の旅なので遊覧船に乗るためにブリエンツからインターラーケンまで汽車で行き、遊覧船に乗って戻ってくるという面倒なことが起こる。振出し(車を置いた場所)に戻らねばならないのはドライブ旅行の悩みどころである。湖の遊覧にもっと時間をとってもよかった。

 谷に湖は付き物だと書いたけどトゥールマン谷では湖の記憶が無い。アンニヴェイ谷でも浄水場のような池は見たけど自然の湖はなかった。隣の谷(右俣)の最奥部にモワリー湖というダム湖があり行楽客で賑わっていた。谷の斜面に点在する村の風景は美しく遠くに雪山が見え隠れする様子と相俟って美しい景色となっている。。

 エレナ谷も同じで集落を縫うように走る道沿いに湖はなく奥の奥へ行くとダム湖があった。雨の日だったのでダムの堰堤の下まで行って引き返した。GoogleMapで見るとディ湖のようでロープウェイもあり、氷河までの距離も近いようだ。晴れていれば素晴らしい眺望だったであろう。その時はそういう場所とは知らなかったのでさほどザンネンに思わなかった、それで良かったのだ。

 シャモニーでは湖は丸っきり意識しなかった。チェルビニアでは雨のハイキングで湖のすぐ傍まで行ったのに全く見えなかった。翌日ロープウェイから見るとエメラルドグリーンにコバルトブルーの池がある、名前は分からない。
最後はマッジョーレ湖、帰りの便の都合でマルペンサ国際空港から1時間程度ということで選んだ場所です。湖の中に島があり有名な建物があり、そこを目的とする観光ツアーもあるような湖だった。旅行最後の夜をミラノの安宿にせず此処にしたのはマチガイではなかった。
 
 図らずも数多くの湖廻りもした旅行だった。行った湖を調べてみました。旅の一コマひとコマを思い出しながら楽しめました。


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