どこ吹く風

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旅全体の印象

2011年09月07日 11時01分47秒 |  チェルヴィーノ
 2011年のアルプスの旅を振り返ってみると淡々と行われたという印象がする。氷河や谷に峠それに有名な観光地などを日数をかけて廻った。たとえばハイジの里、ザルツカンマグートの氷の洞窟、フルカ峠、ブリエンツ湖遊覧などツアーではなかなか組まないようなところへも行った。それなのに全体が平板に流れてしまったように感じる。旅のスポンサーであるお二人(妻と義妹)も口に出していた。何故だろう。

 何が足りなかったのか。毎日200Kmほど車で走り、ツアーはもとより個人旅行でもなかなか行けないところを廻ってきた。山と谷が織りなす景色はその地方独特の形となり見る人を感動させる。これがチロルだ~、これこそドロミテの風景だ、氷河と雪を背に聳える山々にさすがスイスは違うなど行く先々の景色は良かった。毎日違う場所で景色の変化を楽しんだ。しかしそれでも全体を振り返るとインパクトに欠けている。3000m級の山脈が連なるだけで四五千メートル級の山が無い風景というところだったのか。

 そのように感じる旅になった最大の原因は雄大な山に身近に接しなかった所為だと思われる。昨年チロルの三か所の谷へ行ったがどちらもロープウェイで上まで行き間近に雪山を仰ぎ見た。今年はそれが無かった、谷を詰めてもロープウェイは無く尾根越しに雪山を見るというパターンが多かった。スイスで最大の見どころマッターホルンを近くから眺めなかった。Vispフィスプの近くまで行ったのだからシュワルツゼーかゴルナグラードに泊まるべきだったかもしれない。スイスでマッターホルンは外したらいけなかった。画竜点睛を欠くとはこのことだろう。 

 マッターホルンを旅の目的から外したことは無い。近くからは何度も見ているのでスイスでは周囲から見ようと谷の最奥部から裏側を見たり、ゲンミ峠までも行った。更にわざわざイタリア側から見るためにチェルビニアに2泊も割いた。それなのにチェルマットを外したために旅全体に物足りなさを感じることになってしまった。
大きな反省事項です。

 PCのスクリーンセーバーは今年のアルプス風景にしてある。行った先々の写真がスライドショーで出てくる、仕事の画面を消して写真に見入ることもしばしばある。何処も彼処も文句無く美しい景色である。あまりの美しさに車を止めて写した名前の知らない村、そのような場所はチロルにあり、ドロミテにもありスイスにも当然あった。それなのにマッターホルンを外したために全体が霞んでしまった印象を与えたのは少々ザンネンである。

 バイキング料理で美味しく好きなものを腹いっぱい食べてフルコースとは違う満足感を覚えるも、ふと考えるとバイキングにはメインがない。あれもこれもそれなりに美味しかったのにメインがあるフルコースが良かったかなと感じるような贅沢な不満・考えである。


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