■本当にスターリンという人物は面白いですなあ。何を考えているのか、本人も分からなかったのではないでしょうか?晩年は相当に危険な精神状態だったそうですが、本当はずっと前から変だったのではないでしょうか?
平沼騏一郎内閣は、昭和14年の独ソ不可侵条約に仰天して「欧州の天地は複雑怪奇なる新情勢を生じ」と退陣しますが、まあ複雑だけど、怪奇ではないですよね。国内でも、見える人には見えている。宇垣一成のように……「霞ヶ関(外務省)や三宅坂(参謀本部)は青天の霹靂だったようだが、何も驚くに値せぬ。来るべきものが当然に到来しただけだ」と日記に書いている
■ここで名指しされているのが外交と陸軍の中枢だというのは大問題です。東京大学法学部と陸軍大学のエリートが、集団で大間違いをしていたという事ですぞ。松岡さんくらいの胆力と張ったりが有れば、エリート集団なんかはころりと参るのでしょうか?その松岡さんもまんまとドイツに嵌められたわけです。四国同盟のホラ話を重大機密のように耳打ちされた大島浩駐ドイツ大使や松岡さんは、有頂天になったようです。ここでも、冷静に情勢を見ていた人物は一人だけだったようです。
『昭和天皇独白録』で、「松岡は(昭和16年)2月の末にドイツに向い4月に帰って来たが、それからは別人の様に非常なドイツびいきになった、恐らくはヒトラーに買収でもされたのではないかと思われる」
人物を見抜く昭和天皇の眼力は大変なもののようです。古代から、天皇家は情報と文化の力だけで生き残ってきたお家柄ですからなあ。常に勝ち馬に乗っていないと、天下大乱になってしまうのですから、天皇家の教育システムには要注意ですぞ。
ゾルゲ事件について、戦後、GHQ特にG2(参謀第二部)のウィロビーらが徹底的に調査しています。当時国民党が支配していた上海にも調査団を送った。おそらくゾルゲはアメリカの情報源でもあったからです。
■篠田正浩監督が最後の作品として撮った『スパイ・ゾルゲ』でも上海は重要な場所として登場しましたなあ。スメドレーなどという懐かしい女性も出て来たりして……。
ドイツ側にも日本の情報を与えた三重スパイの可能性があります。イギリスの研究者によると、ゾルゲがドイツ大使館にあれほど食い込めたのは、日本政府の極秘情報をドイツに持って来るからだと指摘しています。野坂参三もそうですが、1930年代から大戦にいたるまでは、忠誠心のありかが全く不明なスパイが暗躍した時代ですから、珍しくはありませんが、アメリカがゾルゲ事件を戦後追及したのは、ソ連情報を取りたいのと同時に、ドイツやソ連がどこまで連合国の情報網に食い込んでいたかを検証したかったからだと思います。ドイツの対日情報力、宣伝工作は大変なものがあった。
話がこういう所に入って来ると素人の手に負えなくなりますが、プロはそんな弱音を吐いては行けません。憲法9条が有ろうと無かろうと、情報戦から撤退したら国家は死生を制せられます。今の日本は相当に制せられているそうなので心配です。佐藤優さんの本などを読むと、頑張っている外務官僚も居るらしいのですが……
昭和13年10月7日に、対ソ情報交換及び謀略に関する日独両国軍部のとりきめが正式に調印されています。ドイツ国防軍最高司令官カイテルと大島浩の間で調印された軍事協定は、日独がソ連軍及びソ連邦に対する防衛工作を協力して行なう事を定めていますね。
こんな「取り決め」など知りませんでしたが、大島浩さんは戦後、自分の情報戦での大失敗を認めて謹慎生活をしたそうですから、日本は弄ばれただけだったのでしょう。中野学校のスパイを演じた市川雷蔵が泣いてますぞ。
平沼騏一郎内閣は、昭和14年の独ソ不可侵条約に仰天して「欧州の天地は複雑怪奇なる新情勢を生じ」と退陣しますが、まあ複雑だけど、怪奇ではないですよね。国内でも、見える人には見えている。宇垣一成のように……「霞ヶ関(外務省)や三宅坂(参謀本部)は青天の霹靂だったようだが、何も驚くに値せぬ。来るべきものが当然に到来しただけだ」と日記に書いている
■ここで名指しされているのが外交と陸軍の中枢だというのは大問題です。東京大学法学部と陸軍大学のエリートが、集団で大間違いをしていたという事ですぞ。松岡さんくらいの胆力と張ったりが有れば、エリート集団なんかはころりと参るのでしょうか?その松岡さんもまんまとドイツに嵌められたわけです。四国同盟のホラ話を重大機密のように耳打ちされた大島浩駐ドイツ大使や松岡さんは、有頂天になったようです。ここでも、冷静に情勢を見ていた人物は一人だけだったようです。
『昭和天皇独白録』で、「松岡は(昭和16年)2月の末にドイツに向い4月に帰って来たが、それからは別人の様に非常なドイツびいきになった、恐らくはヒトラーに買収でもされたのではないかと思われる」
人物を見抜く昭和天皇の眼力は大変なもののようです。古代から、天皇家は情報と文化の力だけで生き残ってきたお家柄ですからなあ。常に勝ち馬に乗っていないと、天下大乱になってしまうのですから、天皇家の教育システムには要注意ですぞ。
ゾルゲ事件について、戦後、GHQ特にG2(参謀第二部)のウィロビーらが徹底的に調査しています。当時国民党が支配していた上海にも調査団を送った。おそらくゾルゲはアメリカの情報源でもあったからです。
■篠田正浩監督が最後の作品として撮った『スパイ・ゾルゲ』でも上海は重要な場所として登場しましたなあ。スメドレーなどという懐かしい女性も出て来たりして……。
ドイツ側にも日本の情報を与えた三重スパイの可能性があります。イギリスの研究者によると、ゾルゲがドイツ大使館にあれほど食い込めたのは、日本政府の極秘情報をドイツに持って来るからだと指摘しています。野坂参三もそうですが、1930年代から大戦にいたるまでは、忠誠心のありかが全く不明なスパイが暗躍した時代ですから、珍しくはありませんが、アメリカがゾルゲ事件を戦後追及したのは、ソ連情報を取りたいのと同時に、ドイツやソ連がどこまで連合国の情報網に食い込んでいたかを検証したかったからだと思います。ドイツの対日情報力、宣伝工作は大変なものがあった。
話がこういう所に入って来ると素人の手に負えなくなりますが、プロはそんな弱音を吐いては行けません。憲法9条が有ろうと無かろうと、情報戦から撤退したら国家は死生を制せられます。今の日本は相当に制せられているそうなので心配です。佐藤優さんの本などを読むと、頑張っている外務官僚も居るらしいのですが……
昭和13年10月7日に、対ソ情報交換及び謀略に関する日独両国軍部のとりきめが正式に調印されています。ドイツ国防軍最高司令官カイテルと大島浩の間で調印された軍事協定は、日独がソ連軍及びソ連邦に対する防衛工作を協力して行なう事を定めていますね。
こんな「取り決め」など知りませんでしたが、大島浩さんは戦後、自分の情報戦での大失敗を認めて謹慎生活をしたそうですから、日本は弄ばれただけだったのでしょう。中野学校のスパイを演じた市川雷蔵が泣いてますぞ。