■麻生新総理が閣僚人事を考えていた時に、出張先のアメリカから森元総理があれこれと「ぶっ壊された」はずの派閥の論理で注文を出していたそうです。町村派の衆議院議員から「何が何でも2人入閣させろ!」とアメリカからの国際電話で捻じ込んだのだとか……。その結果、町村派に揃って入っている中山恭子議員と中山成彬の御夫妻の処遇が問題となったらしく、拉致問題担当として国民の支持と拉致犯罪被害者家族の信頼を得ている中山恭子さんを「員数合わせ」のために外し、夫の中山成彬さんを何故か国交相に押し込んだのだそうです。拉致問題に不熱心な森さんらしい話ではありますが……。
河村建夫官房長官は25日午後の記者会見で、中山恭子前拉致問題担当相を拉致問題担当の首相補佐官に起用すると発表した。26日の閣議で正式決定、27日付で発令する。麻生政権初の首相補佐官となる。
2008年9月25日 産経ニュース
■実に素っ気ない短い報道ではありますが、ゼロ泊3日で国連総会に出席している麻生新総理からの怒りを含んだ指示があったと想像しますと、この人事の裏側はなかなか面白く味わい深いものがありますぞ。
中山成彬国土交通相は26日の記者会見で、報道各社の前日のインタビューで成田空港反対闘争を「ごね得」などと発言したことについて「国民に迷惑をかけたことを申し訳ないと思っている。言葉足らずというか言いすぎた点を含めて撤回する」と謝罪した。責任を取って辞任することは、「ない」と否定した。
■「言葉足らず」と「言い過ぎ」とでは、日本語の意味がまったく違います。今風に言えば「マギャク」でしょうなあ。この人は宮崎県出身で宮崎1区の衆議院議員です。鹿児島ラサール高校を卒業して東京大学法学部を経て大蔵省に入り、東京都荏原税務署長、世界銀行に出向してワシントンに行き、帰国してからは大蔵省主計局主査の防衛担当、名古屋に行って大蔵省東海財務局理財部長にもなって昭和57年からは大蔵省大臣官房企画官になって退官。翌年の衆議院選挙に立候補して落選するも、昭和61年には当選を果たして2期目には文部政務次官を2年ほど務めています。だから教育行政の素人ではありませんが、絵に描いたような大蔵キャリア官僚出身の議員さんですから、あまり大風呂敷は広げない方が良さそうです。
■でも、ラサールから東大法学部に進んで大蔵官僚になった人ですから、誰よりも自分は頭が良いんだ!と思い込んでいるのでしょうなあ。その後、党内の環境部会長、商工部会長、商工委員長を務めて4期目には衆議院災害対策特別委員長になり通商産業総括政務次官を経て経済産業副大臣!それから経済産業委員会筆頭理事へと経済産業省が続き、自民党政務調査会副会長になって党内でも中堅どころになります。ほんの半年だけですが、悪名高い厚生労働省を監視監督するはずの衆議院厚生労働委員長をやっているのが気になるところ。
■自民党副幹事長になって5度目の当選を果たし、いよいよ文部科学省の大臣に就任!という輝かしい?経歴の持ち主が、どうして国交相になったのかはさっぱり理由が分かりません。でも、日本の閣僚人事というのは大臣候補者の資質や政治思想などはどうでもよい場合が多過ぎましたから、長く議員をやっていれば何処からともなく「そろそろ大臣にでも……」という声が上がって自民党内の力関係やら地元後援会の思惑やら、議員本人が省庁や業界に張り巡らした根っこなどが絡み合って、時には意味不明の大臣ポストに押し込まれたり祭り上げられたり……。そんな事を続けているから官僚がどんどん偉くなってしまうのでしょうなあ。何も知らないアホ大臣が政局の混乱などでころころと変われば、その子守と養育を担当する役人は馬鹿馬鹿しくなって手を抜くでしょうし、本当のアホ大臣なら簡単に操り人形扱いして省益を好き放題にどんどん拡大し続けるというわけです。だから予算はいつでも足りません。
中山氏は成田空港の反対闘争について「発言後に事務方から歴史的経緯について説明を受けたが、誤解を招く表現だった」と述べた。単一民族発言に関しては「アイヌの人々は独自性を有する先住民族だったと認識している」と説明。大分県の教員汚職事件に絡めた日教組批判は「所管外で発言を控える」とし、一連の発言について「私人、公人の発言は区別しないといけない」と話した。麻生内閣発足で行政改革担当相を断って国交相に就任したとされることが「ごね得ではないか」との質問も出たが、「その辺の発言は控えたい」と話した。
2008年9月26日 産経ニュース
■「行革大臣」などというポストには何の旨味も無いから、誰も就任したがりません。だから小泉さんほどではないにしてもちょっと変人の渡辺喜美さんは貴重な人材だったと思われましたのに……。
ぺらぺらと薀蓄めいた暴言を吐いておいて、「事務方から」レクチャーを受けて己の無知を悟るなどという醜態は許されません。政治家には品格に負けないくらい高い「見識」が要求されますから、宮城1区の有権者の皆さんは、中山議員の「見識」に賛同しているからこそ、5回も当選させているに違いありません。しかし、中山大臣の大失言の連発は、それほど簡単に訂正できるものではないかも知れませんぞ。何せとても立派な学歴とキャリアを持っている人の暴言なのですから、日本の教育を考える上ではまたと無いサンプルになりそうですなあ。
河村建夫官房長官は25日午後の記者会見で、中山恭子前拉致問題担当相を拉致問題担当の首相補佐官に起用すると発表した。26日の閣議で正式決定、27日付で発令する。麻生政権初の首相補佐官となる。
2008年9月25日 産経ニュース
■実に素っ気ない短い報道ではありますが、ゼロ泊3日で国連総会に出席している麻生新総理からの怒りを含んだ指示があったと想像しますと、この人事の裏側はなかなか面白く味わい深いものがありますぞ。
中山成彬国土交通相は26日の記者会見で、報道各社の前日のインタビューで成田空港反対闘争を「ごね得」などと発言したことについて「国民に迷惑をかけたことを申し訳ないと思っている。言葉足らずというか言いすぎた点を含めて撤回する」と謝罪した。責任を取って辞任することは、「ない」と否定した。
■「言葉足らず」と「言い過ぎ」とでは、日本語の意味がまったく違います。今風に言えば「マギャク」でしょうなあ。この人は宮崎県出身で宮崎1区の衆議院議員です。鹿児島ラサール高校を卒業して東京大学法学部を経て大蔵省に入り、東京都荏原税務署長、世界銀行に出向してワシントンに行き、帰国してからは大蔵省主計局主査の防衛担当、名古屋に行って大蔵省東海財務局理財部長にもなって昭和57年からは大蔵省大臣官房企画官になって退官。翌年の衆議院選挙に立候補して落選するも、昭和61年には当選を果たして2期目には文部政務次官を2年ほど務めています。だから教育行政の素人ではありませんが、絵に描いたような大蔵キャリア官僚出身の議員さんですから、あまり大風呂敷は広げない方が良さそうです。
■でも、ラサールから東大法学部に進んで大蔵官僚になった人ですから、誰よりも自分は頭が良いんだ!と思い込んでいるのでしょうなあ。その後、党内の環境部会長、商工部会長、商工委員長を務めて4期目には衆議院災害対策特別委員長になり通商産業総括政務次官を経て経済産業副大臣!それから経済産業委員会筆頭理事へと経済産業省が続き、自民党政務調査会副会長になって党内でも中堅どころになります。ほんの半年だけですが、悪名高い厚生労働省を監視監督するはずの衆議院厚生労働委員長をやっているのが気になるところ。
■自民党副幹事長になって5度目の当選を果たし、いよいよ文部科学省の大臣に就任!という輝かしい?経歴の持ち主が、どうして国交相になったのかはさっぱり理由が分かりません。でも、日本の閣僚人事というのは大臣候補者の資質や政治思想などはどうでもよい場合が多過ぎましたから、長く議員をやっていれば何処からともなく「そろそろ大臣にでも……」という声が上がって自民党内の力関係やら地元後援会の思惑やら、議員本人が省庁や業界に張り巡らした根っこなどが絡み合って、時には意味不明の大臣ポストに押し込まれたり祭り上げられたり……。そんな事を続けているから官僚がどんどん偉くなってしまうのでしょうなあ。何も知らないアホ大臣が政局の混乱などでころころと変われば、その子守と養育を担当する役人は馬鹿馬鹿しくなって手を抜くでしょうし、本当のアホ大臣なら簡単に操り人形扱いして省益を好き放題にどんどん拡大し続けるというわけです。だから予算はいつでも足りません。
中山氏は成田空港の反対闘争について「発言後に事務方から歴史的経緯について説明を受けたが、誤解を招く表現だった」と述べた。単一民族発言に関しては「アイヌの人々は独自性を有する先住民族だったと認識している」と説明。大分県の教員汚職事件に絡めた日教組批判は「所管外で発言を控える」とし、一連の発言について「私人、公人の発言は区別しないといけない」と話した。麻生内閣発足で行政改革担当相を断って国交相に就任したとされることが「ごね得ではないか」との質問も出たが、「その辺の発言は控えたい」と話した。
2008年9月26日 産経ニュース
■「行革大臣」などというポストには何の旨味も無いから、誰も就任したがりません。だから小泉さんほどではないにしてもちょっと変人の渡辺喜美さんは貴重な人材だったと思われましたのに……。
ぺらぺらと薀蓄めいた暴言を吐いておいて、「事務方から」レクチャーを受けて己の無知を悟るなどという醜態は許されません。政治家には品格に負けないくらい高い「見識」が要求されますから、宮城1区の有権者の皆さんは、中山議員の「見識」に賛同しているからこそ、5回も当選させているに違いありません。しかし、中山大臣の大失言の連発は、それほど簡単に訂正できるものではないかも知れませんぞ。何せとても立派な学歴とキャリアを持っている人の暴言なのですから、日本の教育を考える上ではまたと無いサンプルになりそうですなあ。