猛烈な台風11号は明日以降沖縄地方に襲い掛かり、水害、土砂災害、やや軽微ながら不幸な人的被害、そして尋常でない農作物被害を齎すことになる。天が、このすさまじい猛威をもって在沖米軍を蹴散らすなら大いに歓迎される次第ではあるが、残念ながらその爪痕に多くの場合区別や差別はない。むしろその備え脆弱な部分に集中して限度のない痛打を加えることは、大災害がこれまで示してきた事実なのだ。
沖縄タイムス、平安名純代米国特約記者は、米紙フォーブス(電子版)が元米国務省勤務のスティーブン・ハーナー氏の論考を掲載し、その中で「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設は正当化されておらず、11月の知事選は政権に大きな問題をもたらすことになる」と主張している、と伝えている。
正当性がない、地元籠絡と金権体質でルール違反の政治的画策に埋没する自民党政権は、米国国家安全保障機構の命ずるまま、仲井眞現知事の、その執拗で悪辣な口説き落としに成功したかのように見えるが、実際は自ら墓穴を掘ったのだ。この知事が3選される可能性はほぼゼロに等しいし、果たしてなりふり構わず裏工作による前代未聞の不正選挙で急場を凌ごうとするか、反対派分断策をあこぎに展開するか、いずれにしろかつてない醜聞が琉球沖縄を駆け巡ることになるのだろう。(つづく)