米軍再編計画をおおよそ概観すると、朝鮮半島有事の可能性がほぼ消滅したと踏んで、所謂対中プレゼンスの布陣が西太平洋における最重要戦略にシフトし、対北にあっては協調外交路線に変更かつ対話方針にシフトした様子が窺える。
つまり第二次の朝鮮戦争は事実上あり得ないものと判断しているわけだ。このため在韓米軍縮小(軍事主導権の韓国移管)の傾向は明白で、所謂海兵隊戦術実行のための半島陸上戦は想定外のものになってきているし、小沢一郎の言うように東シナ海有事の対応は米第7艦隊で十分と言える(常時駐留なき安保)。
問題は辺野古のことに究極するが、事実上頓挫状態のこの計画にしがみついているのはほかならぬ日本の外務防衛官僚だという、あきれ返った実情だ(官僚レベルでの情報操作...西太平洋における米軍プレゼンス改変事情の正確な伝達隠蔽工作...が政治家を惑乱させている)。
この先のこの国とアメリカの関係性は、到底尋常な外交関係にないことを証明する事実ばかりで、「対米従属(日本側からの提案が米側の怒りを買うという危惧)」根性はこの国がいかに「頭でっかち」の秀才根性に牛耳られているかをまざまざと見せ付けている(秀才たちの脆弱な外交的悲観論)。そしてそれはこの国の近代化の歴史において錯誤と誤謬と犯罪的失策に満ちた国政実態を生み出してきた。この国は民衆レベルの実生活とかけ離れた秀才官僚レベルの主導に則って動いている(これを愚民政治という...愚民化政治のこと)。(つづく)