沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩429 没落覇権国家

2013年08月10日 12時43分42秒 | 政治論

 オスプレイ12機中残10機は、フェイントをかけ来週12日にも岩国基地から普天間へ移転、追加配備される。

 沖縄にとっての米軍・米政府の非道ぶりは今更言うまでもない。去年の強行配備は台風で数日順延になったが、今年の残留機の追加配備はヘリ墜落事故で一時逡巡されたものの、1週間で元の木阿弥という、(負担軽減とか沖縄への配慮とか言うが)その理念性の欠如を覆い難く示している。

 沖縄の制空権も米軍が支配的に確保しているらしい(琉球新報8月10日記事)。沖縄本島を自国領土としている、事実上の米国軍事植民地実態は今更指摘するまでもない。まあ、やりたい放題といったところであり、それを指くわえて頑是無いがきのように見送り、更には泥棒に追い銭を繰り返す日本国政府のわけだ。

 もしかすると、安保容認派の県知事仲井眞君は「公有水面埋め立て承認」にどさくさまぎれに同意するかもしれない。この同意から先、住民・支援者・活動家の抵抗を掻い潜りながら、彼らはいかに強権的に工事を推し進めるのだろうか。この時沖縄の世論はどういう対応に身を置くのだろうか。あるいは、永年押しとどめられていた「普天間移設」が実行に移されたとき、日本の、本土人の反応というのはどんなものなのか。

 彼ら米軍米国政府は沖縄県民の民意を踏みにじり、その目の前で欠陥機オスプレイを強硬に配備してみせた。これは沖縄県民への外国の明らかな挑戦であり、武器を持たない異国人への卑劣な武断行為である。

 日本政府と沖縄県が少なくとも同一国人にありながら、日米の安保体制施策においてほぼ完全な乖離状態にあることは、米国政府とて百も承知のはずだ。それを横目で見ながら、彼ら自身の国家安全保障のためには、異国の無防備な人民が住する普通の島を、軍靴響かせ我が物顔に軍事的な任務遂行することを全くためらわない、その封建遺制的な国家施策にはこのアメリカ合衆国と言う国が、大戦の戦勝後世界覇権を唱えて遍く世に跋扈した結果、世界史上の道義的価値を棚上げして理念的後退を準備した、今後没落していくしかない運命に落ち込んでいくのが見えている。(つづく)