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新しいことを見つけるって楽しい!

やってることの意味を考えよう。

2012年01月11日 | 仕事・研究
今日は年末から作ってた病理切片がやっと染色できて、それが非常に興味深い所見だったのでほんとに楽しく顕微鏡にはりついて見ていたのですが、一方卒論の実験に取り組む学部生の方は何かと失敗続きで、がっくりしてしまいました。原因ははっきりしていて、何のために何をやってるのかってことを考えずに「言われた通り」やってるだけだからなんですね。私は実験っていうのは「こういう結果になるだろう」という予測を持って始めるか、「こういう点を証明するためにこれをやろう」という明確な目的があってやるもんだと思ってるので、結果が出ましたってデータを持ってこられると、「で、どうだったの」と聞くんですけど、うちの学生の答えで一番多いのが「よくわかりませんでした。」。今日も、ランゲルハンス島に発現しているはずのタンパクの免染をやった結果って写真が送られてきてがっくりきたのは、「ランゲルハンス島が写ってないじゃないの~」ってことで。そこからですか?という脱力感。なんのために論文山ほど読んでレビューしてやったのかわからない。虚脱、、、。

自分のやっていることの意味、ってのを考えないでやると、得られるのは「ああ、作業が終わった」っていうそういう達成感だけじゃないのかなあ。わからんかったことがわかったぞ!とか「うわ~こんなことが起こってたのか!」という感動とか、ないんじゃないかなあと思うんですよねえ。で、その感動がまた次のモチベーションになっていくわけなんだけど、、、。

私は免染とか組織の染色とか大好きなんですけど、それってすごくアート的だからなんです。きれいな標本ができるととにかくやたらと美しいわけ。その美しさがまた見たいからそのように切る。そのように切るためにはブロック作るときからきれいに作ってなきゃだめだから、サンプリング時にもより美しいブロック作りをめざす。でね、それを邪魔するものは全部排除したいんですよ。失敗のたねみたいなものは。だからツールにもこだわるし、試薬にもこだわる。それにセクショニングや免染にはプロトコル通りにやっても毎回違うみたいなおもしろさがあって。温度とか湿度とかいろいろ考えるところがある。だから余計、考えない人には難しいんだと思います。

どんなに失敗してもプロトコル通りに何度でもやり直すっていう学生にホントにびっくりしちゃうんですが、なにか失敗したら自分の頭をフル回転で使いましょうよ。そしたらもっと楽しいと思うんですよね。あっそれから、先輩に聞いたらいいやと思ってるけど、先輩だって信用なりませんからねー。







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