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あきらめずに道を探す

2010年01月22日 | 仕事・研究
数日前に書いた内容の続きです。

「あきらめずに道を探す」

やりたいこととか夢が見つからない、、、というような話はまた別の機会に書くとして、まずは、目標があるのにそこに至る道が開けない、、、という話を書きます。

自分の思っていたのと違う道に行くことになってしまった、という体験は、最初はやっぱり受験かなと思います。この場合、学力が足らなかったという以外に、家庭の経済状況などもあるでしょう。また、それが運よくクリアできたとしても、研究室配属で思ったのと違う研究室に行かざるを得ないという場合もあるでしょうし、就職のときに志望と違ったということもあります。さらには、希望と違う部署への配属、もありますね。体調を崩して勉学や仕事を続けられない、とか、女性であれば出産、配偶者の転勤、みたいなことも当然あります。ですから、どんなに順風満帆なように見える人でも、なにかしらぶち当たる壁と言うのはあるものなんですね。で、そういうときにそれを生かせる人とそうでない人があるように思います。

まず、どうしても達成したい夢ならば、回り道してもゴールに到達するすべを模索するということは大事です。いったん道からそれたように見えても、いつかは合流する道があるかもしれません。その道を探すために、あらゆる可能性を考えてみます。考えるだけでなく、挑戦してみます。周囲の人にも協力を呼びかけます。まあでも、それでもだめな場合も残念ながらやっぱりあります。

その時には、与えられた自分の環境でまったく違う道を進む覚悟をする、というのも大事です。それこそ、思いもしなかった自分の隠れたる能力の発現に至る道かもしれないからです。好きなこととかやりたいことというのは、自分の過去の経験に基づいたものです。やってみたことないことは、好きになりようがありません。ということは、新しい体験は全部、益になります。自分の経験値が上がります。

いずれにしても、とことん納得いくまでやる以外に、道が開けるということはありません。そこまでやれない夢ならば、やらなくてよかろう、と思います。ほかにもっと適任な人がいるという天の声であるかもしれません。

私は小学生のころから獣医師を目指していました。高校生のころは、朝2時半に起きて勉強していました。現役で合格して、国家試験も通って、獣医師の免許を得たのだから、そういう意味では夢がかなったということでしょう。でも、卒業してウイルスの検査なんかすることになるとは、思ったこともありませんでした。感染症に、まったく興味を持っていませんでした。免疫の研究室もあったのに、そこを選ぶという選択肢は全然ありませんでした。今だったら、免疫学もいいけど、薬理学もよかったなと思います。でもあの時の私の少ない経験値では、牛などの大動物へのあこがれだけで繁殖の研究室を選ぶということに全く迷いはなかったんです。

本当に不思議だなあと思います。
その後もアメリカで仕事したりして、なんだかとても恵まれた研究人生のようですが、いつもがけっぷちで、あるときは解雇されてそのまま帰国かという危機もありました。あのときTerezという私の最後のボスが、NIHのグラントを当てたばかりでポスドクを探していなかったら?私は今ここにいなかったでしょう。

本当に不思議です。
あきらめずに道を探す。その繰り返しで、道が開けてきたのだなあと思います。一足飛びに遠くへは行けないし、自分の希望通りの道でないときもありますが、それこそが自分を伸ばす道に違いないと、今は思います。

そして、たぶん私は、違う道に進んでも、きっとハッピーにやっていたと思います。だけど、今の私のこの位置は、きっと本当に必然で、私に与えられた使命だと思います。使命を果たせばまた次の課題が現れるでしょう。そうやって誰しも進んでいけるはずです。

進路に悩む学生の皆さんと日々話していると、そんなことを伝えてやりたいなと思いました。挫折した時にそれを受け入れて次に進める人と、そうでない人では、最終的に到達するところはかなり違うと思います。せっかく生きていくのですから、嘆いたり愚痴を言ったり人のせいにしたりすることに時間を使わないで、自分の歩んでいくべき道を広い視野で粘り強く探しましょう。



コメント (4)
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