犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

能登の北前船の古文書を調べた(その1)

2019年10月23日 | その他
古文書の会の題材が買仕切状

 古文書の会の題材が北前船の買仕切状だった。仕切状とは、単に取引の品物の値段を計算した文書である。品目、数量、金額が羅列してある味気ない文書で、数字も単に掛け算、割り算、合計した数値をならべたものであるが考えながら眺めていると結構、面白い。

 以下は、濱岡屋の「買仕切(かいしきり)状」(北前船の船主が商品を買い付けしたときの代金の計算書)を原本のとおりに活字にしたものである。()書きは当方が参考に付け加えた。

買仕切
一 生蝋 弐拾叺
(肩書)七〇 十三貫五(百匁あるいは、目) 
以下省略
しめて 弐百六拾五貫四百匁
 一 三貫六百匁 百八拾匁宛 かづ幾 ※1
 一 拾弐貫三百八拾匁 風袋引 ※2
 一 四貫九百八拾八匁 弐歩入 ※3
しめて 弐拾貫九百六十八匁
正三 弐百四拾四貫四百三拾弐匁
此の斤 千五百弐拾七斤七合

三匁三分三厘替
此の銀 五貫八拾七匁弐分四厘
 外二
一つ 百壱匁七分四厘 御役口銭 ※4
一つ 五匁〇分八厘 湊堀助勢 ※5
一つ 弐匁四分 請取中し ※6
しめて銀 百九匁弐分四厘

此の銀五貫百九拾六匁四分八厘

六拾四匁替
此の金八拾壱両ト
永 拾九匁五分

右之通買渡此の銀別紙
目録二入(此表)無(出入)相済申候以上 ※7
亥 四月廿一日
油屋清左衛門(問屋で売主)
濱岡屋平助殿(北前船の船主で買主)

※1:担ぐための掛け縄のこと(かつぐ→かづく→かづき)
※2:風袋(ふうたい)とは、商品を入れる袋
※3:損失分を2%見込む
※4:仲介手数料
※5:港の使用料
※6:仲仕の手間
※7:この取引だけで代金決済を行うのではなく、ほかの取引と合わせてまとめて決済するための仕切目録を別途、作成する。
(つづく)
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