世紀末から新世紀への伝言・・・原田耕治さんの「年輪」

2008年02月14日 | 読書
パソコンが壊れて、事務屋は開店休業だった。脇机に溜まった資料や雑誌を片っ端から読み漁った。

 原田耕司さんの「年輪」を読んだ。氏は長野県の「林材建設新聞社」の取締役編集長を務められた、2007年3月に休刊を迎えるまで、40年余りを長野県の林業・製材業を見つめてこられた方である。私はこの新聞社とのお付き合いは長かったが、この編集長さんとお会いしたことはなかったが、氏の書いた社説はずっと読ませていただいてきた。

 「年輪」は「世紀末から新世紀への伝言」として、1983年(昭和58年)から2007年(平成19年)までに、林材新聞に掲載されたご自身が書かれた「社説」の中から特に「伝言」したいものを選ばれた物である。

 まさにひとつの歴史書である。長野県の山そしてそこに携わった人々のことが、血の通った言葉で書き残されている。
その時々で読んでいたまま、忘れられていたことが、今系統立てて思い出される。

 今物になっている事柄がこんなに以前から画策されていたのかと、先人たちの努力に気が付くことも多々ある。

 氏にとって新聞人として生きてこられた証でもあろうが、私たち業界人にとってもこの1冊は宝物である。

 あとがきでご家族らのご理解ご協力に感謝されていたが、そのお人柄がしのばれる。
休刊でもう氏の社説を読むことが出来なくなったのは残念だが、これからも健康に留意されて、日本の山のために提言をいただきたいと願うところである。

                         依田 美恵子
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