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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

通院日で病棟見学 その他もろもろ

2015-10-18 09:23:21 | 癌のこと
今週は通院日&病棟の見学でした。
長男は仕事がかなり忙しいので
今まで病院に同行したことがなかったのですが
今回は一年ぶりのCTの結果もあるし
もう転院することもないだろうから
「時間が作れたら来て」と声をかけていました。

なのでダンナと子どもたちと一緒に
まずは看護婦さんに緩和ケアの病棟を案内してもらいました。
全室が個室で、差額ベッド料のない無料の個室もあるのだとか。
24時間面会もO.Kで、家で過ごすのとまったく同じに
過ごしていいという、いわゆるホスピスの病棟です。
ただやはりかなり患者さんは多いようで
あまりはっきりとは言われませんが、大きな急変がない限り
入院ということになるのは、いわゆる終末期かなという感じでした。

その後診察室へ。
CTの結果は、患部も肝臓の転移もやや増大。リンパ節が増大と
腋のリンパは、ひきつれがひどくなっていて
奥のほうに鈍い痛みもあるので、自覚症状とおおむね同じでした。
家族が揃っていることもあって
先生から今後骨や肺、脳などに転移をした場合の
治療の選択肢はどういうものがあるのかや
終末期の延命治療をどうするかなどについてもお話がありました。

いつ頃どうなるかという見通しについては
私自身にも、おそらく先生にも明確にコメントはできないようですが
あと五年とか十年とかいうことは、よほど進行が遅くないかぎりないと思います。
もちろん半年とか一年でゴールということもありえます。そういう病気です。
ダンナは、深刻なことはなるべく考えたくないタイプなので
今の平穏な状態がずっと続くという妄想を抱いている気がしますが。

それではマズいので
「覚悟」というと大げさですが、家族も少しづつ気持ちの準備をしておく
それが緩和ケアの治療のスタンスです。
そこを先生がうまく話してくださるので、すごくありがたいです。
ただ今回珍しく真剣なお話が多かったので
血液検査の結果を忘れてますよぉ~、先生。
あっ、でも私も忘れてたんですけどね(笑)
次回の受診日にお聞きすることにします。

家に帰ってから、改めて思ったのは
普通病院の先生というのは、患者さんの病気を治療して
良くなった患者さんを送り出すのがお仕事なのですが
緩和ケアとかホスピスの先生や看護婦さんは
一人の人間の人生の終わりを見届けること
看取りをされるのがお仕事なのだなと。
そう考えると、並みのお医者様よりもよほどしっかりした価値観や
メンタルの強さが必要とされるお仕事なのではないかと思えました。
自分なりのポリシーがなければ、できないことのように感じます。

そして念願の「屍者の帝国」を観てきました。
アニメ大好きの娘が付き合ってくれました。
映画の話はきりがないので止めておきますが、途中で泣けました。

最初に執筆を打診された円城塔さんが
「本来、引き受けるような話ではない。
当人の承諾なしに、まるで共作であるかのように続きを書くというのは
正気の沙汰ではありえない」と思われたにもかかわらず
執筆を引き受けられたその思い
そして、伊藤計劃さんのファンの思い
そしてアニメ化に携わった人たちの思い
それらが凝縮されたようなセリフが随所に散りばめられていたからです。

もう一つ
子ども達が還暦のお祝いをしてくれました。
近所の、和食のお料理屋さんで、お刺身とかお鍋とか
私にも食べられるものをチョイスしてくれ
なんとアマゾンのギフト券までお祝いにもらいました。
もともとそうしたイベントにはあまり思い入れがなかったのですが
最近はずいぶん素直になったなと自分でも思います。
誰かに自分が生きていることを喜んでもらえるのは
とても嬉しいことです。幸せなことです。

実は、私がダンナに一番分かってほしいのは
たったそれだけのことなのかもしれません。
「誰かに生きていることを喜んでもらえる人生
亡くなった時には悲しんでくれる、悼んでくれる人がいる人生」
人に賞賛される人生なんかでなくていいから
ただそれだけで、自分が生きてきたことにも意味があるように思えるのです。
なんて殊勝なことを言いながら、早速「ニューロマンサー」という
SF小説の古典をアマゾンで注文しました。
現在到着するのを待っているところです。





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在宅看護のお話を聞きにいきました

2015-09-19 15:19:58 | 癌のこと
前回の通院日に
今診ていただいている病院で、月に一度開催されている
がんの患者さん向けの、ミニ講習会の案内をもらったので行ってきました。

今回のテーマは「なるほど!訪問看護」
近年増え続ける医療費抑制の対策という観点から
在宅医療、在宅看護や介護が推奨されるようになりました。
特に高齢者の場合は規則があるようで、つい最近も
知り合いの人から「母が2ヶ月しか入院させてもらえず
転院しても、そこも2ヶ月なのでとても困っている」という話を聞きました。

そのあたりが、がんの場合はどうなのかとか
費用はどのくらいかかるのかとか
どんな手続きが必要なのかとかについて
訪問看護の看護師さんのお話を聞いてきました。

やはり病院側としては、ベッド数には限りがあるので
在宅看護の良いところをPRされていましたし
家族をフォローする体制も充実していることをアピールされていました。
けれど、もしも病状が悪化して入院になった場合でも
「2ヶ月経ったから、3ヶ月経ったから
退院してください」というようなことはないと言われました。

実は前回の受診の時に、主治医の先生から
「一度病棟の見学をしておかれませんか」というお勧めもあったので
来月の受診日は、この前のCTの結果も出るし
久しぶりに家族と一緒に、診察や病棟の見学をするつもりです。

これからいつごろどうなるのかは、私自身にも
おそらく先生にも正確なところは分からないようなのですが
最終的にどうなるかということは決まっているわけですから
そのあたりを、家族にも一緒に考えてもらわなければなりません。
心の中では「えっ、あの人がんじゃなかったっけ」と言われるように
ある日突然コロッと死ぬのが理想ですが
さすがにそればかりは、病気が病気なだけに無理なような気がします。

などと言いつつ、実は本を全部読んでしまって
その補充のためにブックオフに行くことが
もう一つの目的でした。
去年は、本にせよ何にせよ「あとどれだけ必要かも分からないのに
新しいものを買うのはもったいない」と
かなりストイックになっていましたが
ここにきて、本と映画だけは、完全に開き直りました。
ただしいずれ処分してもいいように
一生懸命100円均一で掘り出し物を探しています。

という訳で「現役の国会議員が中国のスパイ?」という
曽根圭介さんのハードボイルド「沈底魚」
骨髄移植のドナーをめぐる連続殺人事件を描いた
高野和明さんの「グレイヴディッガー」

高野さんのは「13階段」は映画を観て今いちだったんですが
「ジェノサイド」がすごく面白かったので。

それと伊坂幸太郎さんの、まだ未読の「グラスホッパー」
そして、一冊くらい新しい人のも読んでみようと
真梨幸子さん「殺人鬼フジコの衝動」

さらさら読めるものを買うと、あっというまに終わってしまうので
なるべく重量感のある、読んでへとへとになるようなものを選びました。
この4冊で、何とか2週間くらいはもたせなくてはと思っています。





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通院日&ブックオフ

2015-09-02 16:37:44 | 癌のこと
昨日は通院日でした。
夜勤明けで生ける屍状態のダンナには
少し早めにお昼ご飯を食べて、寝ていてもらうことにして
涼しくもなったことだし、チャリで行きました。

ダンナと一緒だと、ブックオフでゆっくり本を探し辛いので
1時間くらい早めに行って、本を物色しようとウキウキでした。
第一希望の、伊坂幸太郎さんの「死神の浮力」は残念ながらなくて
それじゃあと探していたら、前に買った「最悪」の
奥田英朗さんの「邪魔」(上・下)が100円コーナーにありました。
それと吉田修一さんの「パレード」をゲット。

予想通り「邪魔」は、ごくごく平凡な主婦や会社員や警察官が
日常のささいな出来事の積み重ねでどんどん壊れていくという
その何とも言えないおぞましさと救いのなさは
こういう話に免疫がない人が読んだら
一発で人間不信になりそうな強烈な代物でした。
奥田さんの初期の作品は
ものすごくリアルに、人間や社会を描いています。
ここまで書けることが凄いです。
「パレード」は、まだ読んでいませんが
「邪魔」よりは、ほんの少しソフトなのではないかと思います。

長年こうして裏側から人間や社会を描いたものに触れていると
たいていのことがあっても絶望しにくくなります。
わりとどんなことでも「ああ、ありだよな」と免疫ができます。
それを容認できるかはともかく想定内のキャパが広がります。

というわけで、最近無性に「本読みたい病」と「映画観たい病」です。
まあ今に始まったことではないのですが。
映画は「ザ・リング」「ミスト」「her/世界でひとつの彼女」
あと、ハリケーンに巻き込まれて空に舞い上がった大量のサメが
落下してきて人間を襲う、というやつ。題名忘れました。
これは前に観た「ピラニア」といい勝負のおバカ映画でした。

いつもの通り、患部の診察でしたが
前回のCTから10ヶ月経つので、CTも撮ってもらいました。
それと「一度、できればご家族も一緒に
緩和ケアの病棟を見学にこられませんか」というお勧めがありました。

相変わらず鎮痛剤が必要になるような痛みはなく
患部からの出血や滲出液の量も、増えもせず減りもせずといった感じですが
体力が少しづつ落ちてきているというのは、体の感覚としてあります。
この時期ですから、夏の暑さのダメージとかもあるのでしょうが。
先生に言うと「まあ、私なんかも年々衰えを感じますから」と
暗に「年のせいもあるかも」的コメントで、つい笑ってしまいます。

緩和ケアでの治療というのは
「治らない」「今以上によくなることはない」というのが大前提で
患者である私も、先生も、そこには暗黙の了解があります。
その上で、私はどうしたいのか
どんなふうに一日一日を生きていきたいのかを
考えてくださる治療だと思います。
もしも私が希望するならば、患部の放射線治療を受けることも可能だし
薬も大体希望通りのものを処方してもらえます。
先生曰く「まあ、気休めですけど」
先生、それを言っちゃあおしめぇよと心の中で突っ込んでいますが。

冗談はともかく、体力が落ちてきている原因として考えられるのが
やはり転移をしている肝臓の患部の変化なので
今回「CTを撮ってみましょうか」ということになりました。
これも先生曰く「肝臓は80%くらいガン細胞が広がっても
何とか働いてくれたりしますから」と、まったく
おどかしているんだか、なぐさめてくれているんだか(笑)

でもこの超越っぷりが、私とは相性抜群で
こちらの望んでいることが、くどくど言わなくても
すっと通じますから、本当にドクター運には恵まれています。

もともと、旅行に行きたいとか○○食べたいとかいう願望は薄いのですが
やっぱり本は読みたい、無性に読みたい。
「あんだけ断舎利したのに、また買うか」という心の葛藤はありましたが
そこは「読みたい」という心の声に従うことにしました。
というわけで「死神の浮力」はアマゾンで入手することにしました。



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通院日 夜はヤフオクドームへ

2015-07-24 11:34:54 | 癌のこと
ガンについての記事はたまにしか書かないので
「ガンはどうした」と思われる方も多いと思いますが
今週火曜日は通院日でした。
患部の診察とお薬という通常コース。

先生の見立てでは「患部はごくわずか、1センチ弱ほど増大してるけど
一応今のホルモン剤が一定の効果があると判断できるので
このままアロマシンでいきましょう」ということで
私もまったく同じように考えています。

ただ腋のリンパ節と肝臓にも転移はあるので
次回は血液検査をしてもらえるようにお願いしました。
「たまに検査してもらわないと子どもがですねぇ」というと
先生「なるほど、家族対策ですね」と笑っておられました。
肺とか脳とか他のところに転移すれば
それなりに自覚症状もでるでしょうし
どうするかはその時にまた考えることになると思います。
というわけで、アロマシンと胃薬、塗り薬を処方してもらって終わりでした。

自己申告で「ギャンブルはしていない」というダンナ。
実は「次はアルコールか」という気配があるのですが
それともう一つ
ネットで何やかやとポイントを集めるのに凝っていまして。
たまったポイントで、たまにこっそりtotoの宝くじを買ったりしているようで。
たぶん私が知ってるとは思っていない。

ギャンブル依存症MAXだった頃に
出会い系やら職場不倫やら、はちゃめちゃだったのも
ずいぶん長い間、私にはバレてないと思っていた(笑)
こうしたことがギャンブル依存症と連動しているのか
そのあたりは、最後はダンナ自身の問題なので
私があれこれ指示しても始まらないわけです。
そうしたいわゆる「クロスアディクション」については
知識としては、たまに話はしています。

そのポイントがらみで、ホークス戦の
スーパーボックスというプレミアチケットをゲット。
なので夜はダンナとヤフオクドームへ。

前に書いたように、私は勝ち負けということに
どんな興味も関心もない人間です。
本音を言えば、誰かが金メダルを取ろうが
なでしこさんがW杯で優勝しようが「ふーん」という感じです。
そして多分それは、幼児期から学齢期を通じて
「勝ってうれしい」という感覚を体感したことがないのが一つの原因です。
そこには親の価値観の影響とか
尋常ではない運動神経の欠如とか、まあ色々あるわけですが。

対照的にダンナは、興味を持てるのがそういうものだけ。
何十年と、火星人と冥王星人が一緒に暮らしているようなもので
お互いに共感できる接点がどこにもないし
そのままでは会話もまったくありません。

子どもたちが独立して二人で暮す生活で
そこに私の病気もありで、盛り上がる要素が何もない。
これではさすがにあんまりだろうと
私のほうが、野球とかサッカーとか観ることができるように
気持ちをスイッチしました。
「スポーツを集中して観れるようになる」とか
「どこかに面白いと思えるところを探す」とかの訓練です。
今では、終日TVで野球がついていても
イライラするようなこともなく
スポーツをネタに会話ができるところまで成長しました。

ただ、いまだにホークスが、パリーグなのかセリーグなのか
覚えることができていない。
人間関心がないことを記憶するのがどれだけ大変かを
身を持って実感しています。
映画のワンシーンとか、小説のフレーズとかは
結構前に見たものでも割と覚えているのに。

なので一緒に野球観戦へ。
私の人生で、ナイター観戦は二度目です。
最初はおととしでした。
最近私のほうも「ダンナはこんな映画は見ないだろうな」みたいな
先回りする考え方を止めて
自分が観たい映画にダンナを誘うようにしていて
(まあダンナを連れていけばいつでも1100円で観れるという
大きな利点もあるのですが)
遅まきながら、そんなささやかな努力で、火星人と冥王星人でも
なんとか共感できる環境を作ろうとしているわけです。

で感想は、三万何千人中千人くらいしかいないロッテファンの応援が
めちゃくちゃ気合いが入っていたのにびっくり。
オプションでついてた料亭の懐石風のお弁当が、すごくおいしかった。
そしてホークスが勝って、何はともあれめでたしめでたし、でした。



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通院日と「最悪」

2015-06-20 11:17:17 | 癌のこと
前回は、怒りに我を忘れて、暴走気味の記事を書きました。
「罪に問われず、お金になることなら何をやってもいい」という臭いがすると
理性の歯止めが効かなくなる、厄介な性格です。

この前ダンナに「アタシ最近は、現実の生活では
すっかり角がとれて、まあるくなったけどね。
心の中では、いつも火のように怒ってるから
もしも目の前に、核のボタンがあったら押してしまうかも知れない」と言ったら
ダンナがすごく真面目な顔で「ウン、ウン」とうなづきました。

私が、ギャンブル依存症という病気についてある程度理解できてからは
ダンナに対して怒っているわけではなく
多くの人が、真面目に、一生懸命に生きているのに
ただお金になりさえすればいいという理由で
人間を踏みにじる社会のあり様に、心から怒っていることは
分かってきたようです。

というわけで、先週は通院日でした。
といっても、今回は検査などもないので
問診と患部の診察、あとはお薬をもらって終わりでした。
お薬は、ホルモン剤のアロマシンと胃薬、それに患部の塗り薬。
先生に「なんか患部の下のほうで、こそ~っと増殖してる感じなんですよね」
と言ったら「でも、この上のほうのがん細胞は、ぎゅっと縮んで
縮小してるように見えますよ」と。
なるほど、そう言われてみれば、パンパンに膨らんでたシコリは
少しへしゃげてるような。

前にも書きましたが、私のステージ4の、手術不能の乳がんで
最初からホルモン剤だけの治療というのは
何千人とかのデータ、いわゆるエビデンスがないので
先生の反応も「なるほど、こんな風になるのか」という感じです。
出血や滲出液の出方も、おととしの冬くらいから
ずーっと変わらず、夕方から夜中にかけて
Tシャツの胸に、10センチくらいのしみができる感じ。
なので、塗り薬は3種類目なのですが
どれをつけても大して変わりはありません。

前回まで止血軟膏というのを処方してもらったのですが
さほど効果はないと言うと、先生が「う~ん」と腕組み。
「しまった。それじゃあ止めましょうって言われたらマズい」と
「あ、あの、お風呂上りに、一応殺菌とかできればと。
まさかオロナインというわけにもいかないかなと思って」と
おろおろと言ってみたら、アズノールという
炎症用の軟膏を処方していただけました。

去年の今ごろは、バリバリ引越しの用意をしていました。
それからすると、体力はやはり落ちてるなと感じますが
これが病気のせいなのか、年のせいなのか
はたまた初めて専業主婦になって、動かなくなったからなのか
本当のところは分かりません。
チャリで買い物に行ったり、家事をしたりの
日常生活にはほとんど支障はないので、よしとしています。

最近は、通院日とダンナの休みがリンクしているので
いつも車で行けるのは楽なのですが、ブックオフに寄れないので
今回は「ごめん、ちょっとブックオフに寄っていいかな」と。

お目当ては、前にブログでも書いた「オリンピックの身代金」の
奥田英郎さんの「最悪」。
「読めば読むほど最悪な気分になって、読んだことを後悔する」
というレビューに魅かれましたが
救いがないほどドツボなお話ではありませんでした。

でも、たくさんの下請け企業を踏み台にして
大きな利益を上げる、自動車業界などの製造業の
まだ知らなかった裏側がちょっとだけ分かりました。
今の社会には、善良な市民にはとても太刀打ちできないような落とし穴が
大から小まで、色んなところにあるのだなという思いが
改めて強くなってしまいました。
もはや天命をまっとうして
畳の上(あっ、病院のベッドでもいいですけど)で
死ねたら、それでよしとします。


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通院日と今の状態など

2015-05-02 15:36:48 | 癌のこと
今週は通院日でした。
運よくダンナが休みだったのと
前回の血液検査の結果もあるので
車で一緒に行ってもらいました。

検査の結果は、ほぼ全ての数値が基準値内で
先生曰く「血圧とか血糖値も問題ないし
花マルあげてもいいくらいですよ」と。
実は担当の先生は、少しメタボなタイプなので
血圧&血糖値に問題ありなのかも。
でも私の病気は乳がんなので
「そこかい」と心の中で突っ込んでいましたが(笑)

腫瘍マーカーについては
前の病院ではCEAというのを検査していて
それはずっと異常なしだったのですが
先生のお話ではCEAでは反応しないタイプ
というのもあるそうで
今回はCEAとCA15-3というのも調べて
   CEA が 3.3 < 5
CA15-3 が 38.3 >25
ということでしたが、腫瘍マーカーは
一応の目安なので、心配する必要はない
ということでした。

11月に前の病院でとったCTの
転移している肝臓の画像も説明してくださって
今のところ大きく増大していることもないということで
当分の間はアロマシンの服用で様子を見るということでいけそうです。
緩和ケアでは、よほどの急変でもないかぎり
お薬や治療方法を変えるという話にはならないので
精神的にはかなり楽です。
ぶっちゃけて言えば、緩和ケアで受けている治療と言うのは
ほぼ気休めみたいなところがありますし
先生のお話が、かなり楽天的なのもそういう意味合いがあると思います。

腫瘍の部分は、今は直径が大きいところで7cmくらいで
ほんのちょっとずつアメーバ状に増大しています。
最初はピンク色だったしこりが
だんだん黒っぽくなるとへこんでいきますから
7割くらいはぺったんこになっています。
大きな出血はないのですが
お風呂に入って寝ると、朝はTシャツの胸や脇の下に
血と滲出液のしみができています。
これまでのところ、痛みというのは一度もありません。
痛みが出るというのは、がん細胞が内側、つまり肋骨のほうへ
増大していったら起こるのかなあ。

私の場合、上にガーゼのようなものを貼ると
嫌な痛み(激痛ではなくがん細胞がうごめいているような感じの)
がおこって出血もするので
前の病院でもしつこくつけておくように勧められましたが
相変わらず何もガードはしていません。
洗いざらした柔らかいTシャツを、ふわっと着ているというのが
一番不快感がなくて楽なので、その自己流を通しています。
でも朝起きたら、胸を刺されたみたいになってるのは
はたからみたら気分がいいものではないでしょうから
そのへんの事情は、ダンナには説明しています。

がん細胞というのは外気に触れると死んでしまうようなので
この、出しっぱなし状態も少しは効果があるのかもしれません。
そしてしこりのへりの皮膚に隠れているところで
ちょっとずつ増えて勢力拡大を企んでいる感じです。
ちなみに、夜ご飯を食べてちょっとしたら
うぞうぞっといううごめく感じの痛みと一緒に
たら~っと出血するのが分かります。
がん細胞は、栄養を取るために勝手に新生血管というのを作るらしい
のですが「わ~い、栄養がきた」と喜んでる感じで
いつも「えっ、もうかい。早っ!」と思います。

病気でない方が読まれたら、身の毛がよだつような
おぞましい話なんじゃないかとも思いますが
私は、自分の病気に関しては、特に希望的な観測も
かといって悲観的な見方もしていません。
最初に気づいてから、5月でちょうど2年
告知されてから一年間ホルモン剤で治療をしてきて
わりに進行が緩やかなのは
やはり乳がんは、がんの中でも進行が遅いがんであることに加えて
今年60才という年齢も大きいと思います。

もう細胞がどんどんできるという年ではないし
果たして新しい細胞ができているのかどうかも
特に脳なんかは怪しいものです。

自分では精神的なものが原因だと思っていましたが
がんになる以前、もう十年くらい前から
普通に大人が食べる量のご飯を食べられなくなっていました。
それがひどくなってきたのが、4、5年前からで
まずお米があまり食べられない、食べてもふた口くらい。
麺類も最近では食べたら胃痛とか吐き気がおきる。
油っこいものもだめ、ということで外食はほとんどできません。

基本野菜とかお魚が中心で
入院でもしない限り、自分で作って食べるしかないので
毎日せっせとチャリで買い出しにいって
ご飯を作っています。

食べても胃痛や吐き気がこないものについては
特に食事に気をつけるでもなく
パンや肉類、豆腐、牛乳や乳製品と
その時食べたいものは、何でも自由に食べます。
どちらにしても大量に食べることはできないので
後々後悔を残さないために「好きなものを食べる」がモットーです。

ですから仕事をしていた頃も、肉体労働なのに
特に夏場などは、お昼に食べられるのがプリン1個とか
ヨーグルト1個とかで、あとはカフェイン(コーヒーとかコーラ)
にニコチン(タバコ)があれば幸せという日常でした。
職場の人はきっと「あんなことしてたからがんになった」と
思っているはずで、自分でも心からそう思います。
80才とかまで無傷だったら、そのほうが奇跡だと思うのも
そういう理由からで、まさにTHE自業自得ではあります。



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通院日そして今思うことなど

2015-03-28 10:41:11 | 癌のこと
今週の火曜日は通院日でした。
前回もダンナが仕事で、車では行けなかったので
電車からバスと乗りついで行きましたが
車で行くと直線で行くのに、交通機関ではすごく迂回するのが
どうも理不尽な感じがして、お天気も良くなったことだし
今回は自転車で行ってみました。

30分くらいと予想していたら20分で着いてしまい
あんまり早くから行っても仕方がないので、ふらふらとブックオフへ。
伊藤計劃さんのブログで見かけた「太陽の塔」という本を
100円でゲットしました。その後病院へ。

実は最初の面談の時に、先生が「検査などはあまり頻繁には
しません」という意味のことを言われていて
これは緩和ケアという性格上
検査で変化が見つかったとしても
「あれをしましょう。これをしましょう」というわけではないし
私自身も、何か見つかったら見つかったで
家族や友人に心配をさせることになるので
本音は、なるべく検査を回避したかったのですが…。

当然その辺は家族にはバレていて
前回も「血液検査はしてもらった?」と突っ込まれました。
「いや、あの…ごにょごにょ。この次はしてもらうから」と約束してしまったので
おそるおそる先生に「あのお、家族が血液検査をしてもらえと」と言ったら
先生笑って「子どもさんが心配されてるんでしょう」と。
さすが先生、分かってらっしゃる!

ただ今度の病院は、前のところのような設備がないので
検査の結果は、次回の診察日、一ヶ月後ということでした。
もうそれで全然O.Kです。

告知されたのは一年前ですが、前にも書いたように
最初に腫瘍に気付いたのはおととしの5月で
もしその時点で、いわゆる抗がん剤、放射線といった標準治療を受けた場合
私の、ステージⅣの乳がん、手術不能、遠隔転移ありの症状での
生存期間中央値(100人がその治療を受けて半数の人が生きている期間)は
およそ2年なのだそうです。

私の場合はあと2か月でそのラインになります。
自分の病気については、のんきなことばかり書いているみたいですが
それは病気を楽観視しているというのとは少し違います。
事実は事実として認識しています。
けれどこの生存期間中央値と言われるものも
たとえば乳がんステージⅣでの5年生存率20数パーセントというのも
すべて確率であって、ひとりひとりの可能性を保証するものではありません。

ですから告知をされてからの私に見えているのは
せいぜい3か月、長くても半年先くらいまでですが
それも病気の性格上確実ではないこともわかっています。

前のブログで引用したエミリー・ブロンテの詩の最後にある

  何ものにも囚われない一人の人間として、勇気をもって
  生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけだ

エミリー・ブロンテはお世辞にも恵まれた境遇ではありませんでしたが
作品の中では、すべての常識的なもの、キリスト教すらも否定し
「何ものにも囚われない一人の人間」でありたいと願い続けます。
そして魂の自由を求めることにかけては
ほとんど暴力的で破壊的でさえあります。
いじましく幸福や救いを求めたりするのではなく
勇気を持って堪えるために闘うのです。

ですから「嵐が丘」という小説は、恋愛小説としてもとても特異で
主人公たちの論理はめちゃくちゃで、ほとんど破綻していますから
万人に理解され評価される小説ではないかもしれませんが
私なんかはそこにものすごく魅力を感じます。

「生に堪え」とは、必ずしも辛いこと、悲しいことを
ぐちぐち、じぐじぐと我慢するという
受け身な生き方ではありません。

人は幸せなこと、嬉しいこともすべて含めて
生きることそれ自体の重さに堪えていくものであり
同じように、全ての命あるものが逃れることはできない
死の現実を見据えて生きる。
自分の魂が自由であれば
それができるということなのだろうと理解しています。

私は今までの人生の中で
世の中にたくさんある既成の宗教に魅力を感じたことも
強く共感したこともない人間ですが
この詩が訴えるような、ある宗教的なイメージは分かります。
そしてこの詩の意味するところが理解できたなら
人間は依存症なんかにはならずに生きていけるような気がするのです。




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告知から一年が経ちました

2015-03-20 15:28:03 | 癌のこと
告知からほぼ一年が経ちました。
自分の体が、一年前とまったく同じかというと
さすがにそれはないような気がします。

左胸の患部は、やはり少しづつ腫瘍が大きくなっていますし
内臓のほうも、転移したのが肝臓ですから
今でも特に自覚するような、痛みなどの症状はないのですが
中で何かが蠢いているような感じはあります。
どうも「悪性新生物」というネーミングがよくないのかも知れません。

これから、いつまでにどうなっていくというのも
手術不能のステージⅣで、ホルモン剤の治療だけの場合は
いわゆるエビデンスがないので、まったく分かりません。

ただ、実は去年ガンを告知されて仕事を辞めるまでは
少し大きな露店の八百屋さんで働いていました。
朝は、ビールのコンテナケースと板で
商品を並べる台を作るところから始まり
夕方になると、全部解体して更地に戻すという
まさにガテン系の仕事で、夏は40度近い炎天の中
冬は零度近い極寒で、一日9時間近く働くという状況で
15年間働いていました。

何でそこかというと、お店が開くのが週に3日だけで
残りの4日で、他の仕事と掛け持ちをすることができたからです。
ほか弁でパートしたり、スーパーでマネキンやったり
多い時は仕事を3つ掛け持ちした時期もありました。

最後の1,2年は、年末の繁忙期などは、一日の仕事が終わって
帰る頃になると、幻覚が見えるくらい疲れるようになっていて
それはまあ病気のせいも若干はあったのかもしれません。
そうして仕事をしていた時期からすれば
結婚後ほぼ初めて専業主婦をしている今は
やることが家事だけなので、罪悪感を感じるくらい楽なもので
いったい自分の体が今どうなっているのかが良くわかりません。

先のことが分からないので、今のうちにやれることをやっておこうとしたら
だんだんやることが増えてきて
終活どころか、最後は何もかもとっちらかったまま
終わりそうですが、まあそれならそれでもいいかと思っています。
「自分の身の丈に余ることを、何やらかにやら
山ほど抱え込んでたから、結局こうなるんだよな」と
私のことを理解してくれる家族や友人は笑って許してくれると思います。

というわけで、今週は、あるサイトでホラー小説の賞を募集しているのを知って
せっせと、それにエントリーするホラーを書いていました。
今さらプロになろうなどという野心も才能も、おまけに時間もありませんが
私はずっと社会の最底辺で生きてきた人間で
しかもギャンブル依存症という、わけのわからない病気に翻弄された人間ですから
それを助長してきた何者かに対する怒りはものすごくあります。

このところ、史上最高のベースアップがニュースになっていますが
正直「どこの星の話?」という感じです。
あれに共感できる人が、中小零細企業で働く人が全体の98%という
今の日本にそんなにたくさんいるのでしょうか。
というわけで、そんな社会に一矢報いるには
化けて出るしかないという信念を持って、ホラーを書き続けています。
ただし私自身は化けて出るつもりは毛頭ありません。
今度こそルナと一緒にゆっくりと眠れますから
願ってもない幸せです。

ダンナの借金や生活費に追われて、死に物狂いで働いていた頃に
たまに「死ぬ前に半年、いや三ヶ月でもいいからモノ書きだけして
暮らせないかな。でも絶対無理やろうな」という夢を見ていましたが
取りあえずガンになったおかげで、その夢の生活が実現しました。

そして以前は、ネットで小説を書いていることに批判的だった
子どもたちが、応援までとはいかないまでも、認めてくれるようになったのも
私にはとても嬉しいことです。

私が思春期の頃に出会って、私にとっては恋愛小説のバイブルともいえる
「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテの詩です。



  富なんてものは問題にもならない、
  恋だって、考えただけで吹き出したくなる
  なるほど、名誉欲か? そういえば、昔夢見たこともあったが、
  日が射すと忽ち消える朝露みたいなものだった

  もし私が祈るとすれば、自然に
  口をついて出る祈りはたった一つの祈りだ。
  「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ、
  そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ

  -光陰矢の如しで、どうやら私の
  終わりも近い、そこで私が求めるものは、ただ、

  何ものにも囚われない一人の人間として、勇気をもって、
  生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけだ

  <訳詩 平井正穂 岩波文庫「イギリス名詩選」より>


何十年経っても自分の原点にあるものは変わらないなと思います。
エミリー・ブロンテは、病弱で内向的で
とても恵まれていたとは言いがたい境遇で
しかもわずか30年の人生でしたが
その作品にはものすごく強い情念が込められています。

完成した小説は「嵐が丘」一作だけですが
自分が思うものを見事に形にできたことで
私には不幸な生涯だったとは思えません。
「どんなに辛い境遇であっても求めるのはただ一つ
自分の魂が自由であること」
私には傑作を書くことなんか到底できませんが
彼女の言葉には、自分の理想と思う生き方と共通するものがあって
だからこそ強く魅かれるのだろうと思います。


余談ですが、「ハゲタカ」というドラマのエンディングで流れた
曲はこのエミリー・ブロンテの詩に曲をつけたものだということを
つい最近知りました。
自分の好きなものというのは、こうして知らないうちに
つながっていくのが不思議です。





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通院日でした

2015-02-18 10:15:38 | 癌のこと
昨日は、先日転院した緩和ケアの2回目の診察でした。
前回は、家族同伴だったので
下手なことを言うとあとで怒られそうだし、神妙にしていましたが
今回はのんびりでした。

実は前回の面談の時に、子どもが「お母さんが一緒ではないところで
先生に相談したいことがあります」みたいな話をしていて
それから間もなく病院に行ったらしいです。

そんなに急いで行くとは思ってなかったので
一体何を話したんだろうと思いましたが
どうやら「どんな治療をしても、それほど変わりないみたいだし
副作用もないしお金もかからないから、今の薬でいいや」という
私の大ざっぱさを心配していたみたいで
先生から「あと、2,3種類使えそうなホルモン剤があるので
変えてみませんか」という提案がありました。

患部や出血の状態からすると
アリミデックスがだんだん効かなくなっているという感じは
私自身もあったので、他に負担が少ない選択肢があるということであれば
「先生にお任せしますので、よろしく!」と即決で
アロマシンというホルモン剤になりました。
(結局大ざっぱなんですけど)

けれど説明もとても丁寧ですし、薬価も調べてくださって
「これだったら今の薬とそう変わらないですね」と。
最後に「まあ、ガンといっても
糖尿病なんかと大した違いはないですから」と言われたのには
もう笑ってしまいましたが。

そもそも、治らない、劇的に良くなることはなといういのが前提で
その上で、患者や家族の希望やメンタル面を最大限尊重して
少しでも長く現状を維持できる可能性を探すというスタンスなので
安心しておまかせできるし
もしもうまくいかなくても、もともとそういう病気なのですから
うまくいったらもうけものというくらいの感じです。


しかも新しい病院のすぐ近くには
何とブックオフがありました。
前の病院は、検査の待ち時間はジュンク堂をぶらつけることが
最大の利点でした。
引っ越しして、自転車で行ける距離にブックオフもなくなったので
もっぱらダンナが休みの日に図書館に行っていたのですが
これからは、少し早く病院へ行けば
しばらくブックオフで時間をつぶせます。
お世辞にも運がいいタイプとは言えませんが
どうやら病院運と本屋さん運はいいようです。

けれど、せっかく引っ越しの時に
大々的に本を断舎利したのに
またぞろ本を買いこんだら意味がないような。
何とも悩ましいところではあります。






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緩和ケア科へ面談にいきました

2015-01-14 10:51:57 | 癌のこと
自宅から車で7,8分の
今の病院よりは小規模な総合病院の緩和ケアへ移りたいと
今まで診てくださった先生にお手紙を書いたら
紹介状や診療データを送っていただき、予約まで入れていただいたので
本当に体一つで行けばよくてラクチンでした。
今回も家族が同行してくれました。

一つ気がかりだったのは、緩和ケアではもうガンの治療はしませんと
言われる病院もあるようなので、そうなると前回と同じで
家族がそれを受け入れてくれるかという問題が出てきて
また病院を探すということになるとちょっと困るなと思っていました。

最初に先生が緩和ケアの方針についてざっと説明をされて
「それじゃあ今日は注射のホルモン剤をしましょう」と言われたので
「え”-?」という感じで「いや、あのそれはちょっと…」と言ったら
「やらないの?それじゃあどうしますか」と
とてもあっさりと聞いてくださいました。
「注射」というのは前の病院からの引継ぎ事項だったのかもしれません。

それで「できれば今飲んでいるホルモン剤をもうしばらくいただけたら」と
お願いしてみたら「ああ、分かりました。じゃあそうしましょうね」と
拍子抜けするくらい簡単にアリミデックスでの治療継続になりました。

今の私の病状では
アリミデックスに、それほど大きな効果が期待できるわけではないことは
先生もさりげなく言っておられましたが
それは自分でも十分分かっていることで
その一方で「何かできるのではないか」という家族の痛切な思いも分かっているので
大きな副作用がなくて経済的にも負担の少ない
アリミデックスという選択が、やはり今の私には
肉体的にも精神的にもベターだったわけです。
こうして緩和ケアへの移行は、一か八かの賭けでもありましたが
一番望んでいた形で決着して、心からホッとしています。

こんな時はまたぞろルナ(猫)が
今でもちょっとがんばってくれているのかなと思います。
本当に全然美しくもなく(むしろ小汚くてボロっとしてた)
かわいげもなくて、他の人が見たら「この猫の何がそんなに」と思われるような猫でしたが
晩年はいつも私の姿を目で追い、家の中でもてこてこ私のあとを追って
寒くなると、私の腕を枕にして、一晩中顔のすぐ横にルナの顔があるという状態で
文字通り一心同体のような生活をしていました。
だから私が苦境に立つと、今でもなけなしの霊力(?)を動員して
何とか助けようとしてくれている?
人が聞いたら「この人バカだな」と思うような話ですが。

先日iPS細胞でノーベル賞をとられた山中 伸弥先生が、ある討論番組の中で
「20代の頃は、若い時しかできないから無茶をしてみようと思った。
30代、40代の頃はまだいいかなと思って無茶をしてきた。
50代になったら、いつ死ぬか分からないから無茶をしてみようと思っている」と
話されていました。先生の言われる無茶とは
自分や他人の人生をめちゃくちゃにしてしまうような無茶ではなく
ありふれた言い方をすればチャレンジなのだと思います。

先生の目には、たとえ100才まで研究を続けたとしても
達成することのできない無限の可能性が見えているようです。
けれどそれが見えるようになるまでには
それこそ血のにじむような苦労や努力があってのことだと思います。

だから現状に満足することなく、安住することなく
たとえそれがその学問の世界では無謀なことであっても
チャレンジをすることで、また新たに見えてくるものがあるかもしれない
開けてくる世界があるかもしれない、しかし失敗のリスクも常にある
それでも挑戦する価値はある、そういう意味での無茶なのだと理解しました。

色々な場面に、生きていくのに大切なヒントはあります。
受け止めようさえと思えば、ボールを投げてくれる人はいるのです。
そこから自分に有用なもの、共感できるものを拾って
ジグゾーパズルを作るように組み立てて広げていけば
少しづつ人生が生きていきやすいものになるように思えます。

正直なところ、私に3年先、5年先の未来があるかどうかは分かりません。
でもとり合えず「今日」という日、「今」という時間はあります。
平凡で、何のヘンテツもないおばさんの「今」でも
私に「今」があるということは、もうそれだけで十分に幸せなことなのです。



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転院を決めました

2014-12-14 10:26:55 | 癌のこと
これからの治療をどうするか。
珍しく真剣に考えました。
今診ていただいている病院で「あれもやらない、これもいやだ」は
もう通らないと思ったからです。

けれども「治療」というスタンスを手放さない限り
たとえ転院してもたぶん同じことを繰り返すだろうというのは予想がつきます。
抗がん剤治療を受けるのには条件があります。
PSという全身の状態を表す数字が0か1
つまり健康状態が良好であることです。
(末期ガンなのに健康状態が良好というのもヘンな話ではありますが
日常の生活が支障なくできる度合いという感じでしょうか)

私の場合も、現時点で患部以外は何も症状がなく
特に薬を飲まなければいけないような痛みなどもないので
先生からしたら、今の段階で抗がん剤を使えば
がん細胞の広がりを少しでも食い止められるのではないかと
思われるのは当然のことです。

ただ私の側から考えると
それがうまくいくのは何%という確率でしか示されてなく
治療しても治癒するという結末はないのが前提です。

副作用も全然なくて、CEAも2.16と前回より下がったアリミデックスで
「効いていない」という判断が出たのは
正直かなりショックではありました。
もし薬を変えても、たとえ抗ガン剤にしたとしても
結局は何ヶ月か後には「やっぱりダメでした」になって
しかもその時には、今はまだ持っているものをすべて失うかもしれない。
そういう理不尽なストレスを背負い込むのはもういいかなと思いました。

というわけで、先生と直接話をすると、何かとボロが出そうなので
提案された治療を受けないこと
この先は緩和ケアで対応してもらえる
家から近い病院への転院を考えていること
そしてこれまで身勝手な願いを聞いてもらえて
とても親切に治療をしてもらえたことへの感謝の思いを
可能な限りの文章力を動員してお手紙に書いて送りました。

それがいくらか功を奏したのか
病院のソーシャルワーカーさんからお電話があり
紹介状や必要な診療情報などの書類をそろえていただけるということで
願ってもないスムーズな展開に正直私自身も少し驚いています。

幸い年明けまでは最後に処方してもらえたアリミデックスがあるので
気休め程度にそれを飲んでおいて
新しい病院は、お正月休みが終わってから受診するつもりです。

初診から8か月、改めて思うに
これまでの人生でたとえ色々なことがあったにせよ
私は要するにおそろしくヘタレで自己チューで
副作用でご飯がおいしくたべられなくなるのも嫌だし
面白い映画や小説に没頭できなくなるなんていうのも嫌です。

最近自分の感じ方が変わったと思う時があります。
寒波でほうれん草や春菊が値上がりして
それこそ10円でも安いのを見つけようと
自転車でうろうろする、そんな時間が
とても幸せだと思えること。
それに映画にしろ本にしろ、入り込み方が前と違うこと。
30年ぶりくらいに、時間がゆったりと流れているので
割と何にでもどっぷりと感動してしまい
そんな小さな小さな幸福感でモチベーションが上がります。

けれど今ドラマ化されている、ご夫婦で闘病されたお二人の置かれた
あまりにも大変な状況と凄絶な生き方を見ると
「自分は本当に意気地のないダメ人間やな」と心から思います。

ですからこのブログで書いているガンに関する記事は
あくまでも私の個人的な記録で
本当にひとりひとりの病状や経過が異なるガンという病気では
参考にしていただけるようなものではありません。

個人の治療というレベルではなく、現代の医療が抱える
さまざまな問題についてはそれなりに思うところはありますが
素人がその辺に言及するのは
生きるか死ぬかがかかった問題なだけにやるべきではないと思います。
ひとりひとりが違うガンであるからこそ、可能な限り
いろいろ調べて考えて、自分にとって
あるいは病を宿したご家族にとって
何が一番大切なのかを見極めた上で
これがベストと思えるものを
探すことが一番よい方法なのだと思います。
と最後はまたまた偉そうになってしまいました。すみません。








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CT検査とこれからの治療

2014-11-23 10:26:15 | 癌のこと
先週の水曜日は、2回目のCT検査でした。
結果は、左胸の患部の腫瘍が若干の増大で、肝臓も同じく若干の増大。
肝臓のCTは、最初の時もそうでしたが
画像を見ても正直なところよく分かりません。

患部の増大については、アリミデックスを飲みだしてから
生傷状態だったところがかさぶたになって出血もほぼ止まった時点までが
縮小だったようで、今はかさぶたの上にできた新しいしこりが
またところどころぶにゅぶにゅになって
夕方とか夜中に若干の出血や滲出液があるという
以前と同じ状態が繰り返されているので
診断と自覚症状はおおむねリンクしていると思います。

ただ説明後にいきなり「今のお薬が効かなくなっているので
注射の形のホルモン剤に変更しましょう」と言われましたが
そのお薬フェソロデックスは、恐ろしく価格が高い。
ただし抗ガン剤よりは安いので、高額医療費にはたぶん該当しません。

経済問題もありますが、この前先生が「抗ガン剤は?」と言われたのも
引っかかっていて、まあなんだかんだと今回もごねて
取りあえず年明けまでは今のお薬を処方してもらって帰ってきました。

家に帰ってからそのお薬についてざっと調べたら
昨年認可された新しいホルモン剤のようでした。
何よりやはり大きな病院での癌治療のゴールは
抗ガン剤なのだろうということを考えると
そろそろ今の病院とお別れする潮時なのかなとも思います。

私のような末期のガンで、そうした新しい薬や抗ガン剤を使う目的は
「症状の緩和」と「QOL(生活の質)の向上」ということですが
今のところ患部以外は、緩和しなければいけないような症状もないし
毎日の生活も、病気になる前とまったく同じです。

病気になる前というか、最初の症状は去年の春先からでしたが
左胸にいきなりボンとできたゆで卵を半分に切ったようなおできが
まさかガンだとは夢にも思わず、それから一年近くは
ガテン系の仕事してたわけで、実は発病がいつなのかは全然分かりません。
ですから病気になる前というよりも、告知をされる前というのが正確かな。
どちらにせよ治ることはないわけですから、それならば
今のこの平穏な生活を一日でも長く続けていきたいというのが切実な思いです。

若い頃というか、子どもの頃から
まあ、なんだかんだと散々すったもんだあった59年の人生で
ダンナの借金の問題を片付け、子どもたちをなんとか独立させてからの
ここ3年ほどが、私の人生の中では唯一平穏に過ごせた時間でした。

残りの人生で片付けなければいけない大きな課題だった
車の買い替えと、家賃の安い家への引っ越しは
本来なら、私が働き続けていなければ絶対実現できないはずでしたが
奇しくもガンになったおかげで、給付金をもらうことができて
どちらも春先から今までですんなりと実現しました。
今は好きな本を読み、映画を観て、たまにモノ書きしてと
とても穏やかで、充実した日々を過ごしています。

こんなに幸せでいいのかなと罪悪感を感じるくらい幸せです。
神様からのごほうびというより、さすがに神様も
私にちょっと悪いことをしたと反省して
最後に罪滅ぼししてくれているのかなとも思います。
またまたそんな罰当たりなことを言うから
ガンになったりするんだと怒られそうですが。

アリミデックス自体は、術後のホルモン剤治療としては
再発がなければ5年間飲み続けられるようなお薬なので
なんとか一年くらいはいけるかなと思いましたが甘かったです。

経済的な面や、私のメンタルな部分の安定という意味では
いわゆるプラセボ(偽薬)のつもりで
もうしばらく今のお薬を投与していただけるのがベターなのですが
まさかそんなことをお願いするわけにもいきません。

やはり大きな病院で治療を受けるということは
どういう選択をしたとしても
最新の治療方法の治験の対象でもあるということを受け入れざるを得ないし
「あれも、これもやりません」なら
治療することは諦めて、緩和ケアとかホスピスでということです。

どちらにしても治癒はないことが前提だからこそ
ここまで「ホルモン剤で」というわがままを聞いていただけたわけで
むしろラッキーだったのだと思います。
取りあえず年明けまではお薬がもらえたので
これからどうするかということは
もうしばらくゆっくり考えてみようと思っています。

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通院日そして…

2014-11-06 11:10:50 | 癌のこと
今週は、ほぼ2カ月半ぶりの血液検査でした。
結果は、特に異常はなし。腫瘍マーカー(CEA)は2.16と
8月の検査の時よりは少し下がっていました。

今飲んでいるアリミデックスは、肝機能にダメージを与えることがあり
私の場合最初から肝臓にも転移が認められていたので
先生も肝機能に関係する数値には注意をされているようです。
アリミデックスを飲み始めて半年なので
2週間後に2回目のCTを撮ることになりました。

診察が終わる頃に先生が
「あの、化学療法(抗がん剤)を受けられるつもりは…」と
私の顔をちらっと見て「ないですよね。これからも
何回かお勧めするかもしれませんが…」と笑われました。
若い女の先生だけど、優しい先生でホントによかった。


告知をされてからぼちぼち、標準治療を勧められる先生の本も
無治療を勧められる近藤先生の本も
進行した治らないガンについては、低量での抗がん剤治療が有効とされる
梅澤先生の本も読んでみました。

薬も抗がん剤だけではなく
適合すれば分子標的薬やホルモン剤も有効だということも知りました。
それらと我が家の経済事情などを考慮した上で
最初は無治療でもいいかなとも思ったのですが
ホルモン剤での治療なら色んな条件がクリアできるように思いました。
ホルモン剤だったら、ひと月あたりの治療費が約5000円ほど
私が仕事を辞めた今の状況でも
ある程度のところまでは治療を続けていけます。

経済的な問題もありますが
私にとって一番大事なのが普通の生活を続けていけることでした。
抗がん剤については、ステージ4で手術不能、転移ありという
私の病気の現状、すなわち治癒の可能性はない進行がんで
果たして効くのか効かないのか
副作用がひどいかひどくないか分かっているのは確率だけで
自分が効果ありのグループに入るかどうかはやってみなければ分らない
自分の命を賭けたギャンブルのような気がしました。
そして私は何が嫌いといってギャンブルが死ぬほど嫌いです。
まあ最後はやっぱり「高校生のヤンキー」的思考回路ですが
先のことはともかく、今は仕事をしていない以外は
至って普通の生活を送っていますからこれでいいと思っています。

というわけで、毎回検査の結果がでるまでに1時間ほど待ち時間があるので
近くのジュンク堂へ行って予約していた「伊藤計劃映画時評集」の1をゲット。
その後有効期限の更新にツタヤに行ったら
DVD2枚タダというチケットをもらいました。
「これはらっきーー」とDVDを物色していたら
なんとずっと探していた、白土晃士監督の「ノロイ」という
伝説のホラー映画、そしてこちらも探していた「パリ、テキサス」を見つけ
もう天にも昇るくらい嬉しくて、いそいそと借り込んできました。
タイトルからして、いかにも体に悪そうですがそんなことは気にしません。

長年観たいと思っていた映画が結局観れないまま終わるほうが
よほど大きな心残りになります。
そして主治医の先生にも「猿の惑星」をお勧めしてしまいました。
「アルツハイマーを治せる夢の新薬を開発していたら
そのお薬はお猿さんの知能を飛躍的に発達させたんですけど
人間には合わなくて人類の90%が滅亡しちゃうんです」という具合で。
当然先生も半笑いでしたが。

映画の話になるときりがなくなるので
それはまた今度ということで
お天気もよかったし、なんともハッピーな通院日ではありました。


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通院日 そして映画な日々

2014-08-31 16:31:27 | 癌のこと
先週は3ヶ月ぶり病院の検査でした。
血液検査の結果は、腫瘍マーカーも肝臓の数値も大きな変動はなし。
引き続き3か月分のアリミデックスをもらって
経過の観察ということになりました。

最近時々頭痛やだるさがあって、ホルモン剤の副作用かなと
思うこともありますが、普通に家事をやって、ご飯も食べれて
夜は7~8時間はぐっすり寝ていますので
自分ではあまり将来のことは深刻に考えず
何かあったらあった時で、またその時に考えようと思います。

春先に告知されて仕事を止めたので
空いた時間は、モノ書きと読書、あとはもっぱら映画鑑賞。
昼間の民放のTVは、つまるところ何かの宣伝で
やれグルメだ、ファッションだ、美容だと言われても
興味もなければお金もないでは、ほとんど見る意味がありません。

そこでもっぱらケーブルで放送される映画や
旧作100円のレンタルDVDを駆使して
観たかった映画をほぼ見たおしています。

この半年ほどで「白ゆき姫殺人事件」「ローン・レンジャー」
「そして父になる」「船を編む」「藁の盾」
「プロメテウス」「凶悪」「ザ・マスター」
「探偵はBarにいる ススキノ交差点」
「ジーン・ワルツ」「テルマエ・ロマエ」「ヒミズ」
「マイ・バックページ」などなど。

昨日はケーブルで8月洋画200円の企画があったことを
ぎりぎりで思い出して、かねがね見たかった「第9地区」を見ました。
エビ形のエイリアンがいっぱい出てくる映画でしたが
最後はなかなか感動しました。エビエイリアンさんラブです。

この中で自分的に5ツ星(最高点)は
「プロメテウス」「凶悪」そして「ローン・レンジャー」
もともと「感動しますよぉ~」みたいな映画は
絶対に観ない人間なので。
と言いつつ、あまりに観るものがなかった時に
不覚にも「おくりびと」を観てしまったことがありましたが
「アナ雪」みたいのは、お金をもらってもたぶん観ません。
なんてことを言うから友だちがいなくなっちゃいますが。

もう人生の残り時間が限られているので
同じ時間を使って観るなら(本の場合もそうですが)
いつかどこかで見たようなものではなくて
まだ見たことがないようなものが見たいのです。

この中で映画館で見れたのは「白ゆき姫殺人事件」でした。
「白ゆき姫~」は子どもに誘われて観にいきましたが
実は私は湊かなえさんとはあまり相性がよくありません。
評判になった「告白」も、あの手の女性特有の感性は
今ひとつよくわかりません。

本当は「プロメテウス」と「ローン・レンジャー」は
大きなスクリーンで見たかっのですが
映画もレディスデーなんかを利用できないと
かなりお金がかかるので諦めることが多いです。
この前封切られていた「トランセンデンス」も
映画館で見たかった1本でしたが、引っ越し騒動でだめでした。
(実はジョニー・デップかなり好きです)
そんなこんなで、あとあと「あれも観たかった、これも観たかった」と
化けてでたりはしたくありません。
心残りがないように、DVDでもよいので観尽くしておくつもりです。

先日ブログで書いた伊藤計劃という作家さんの作品に
おととし出会ったのがきっかけで
今さらながらSFデビューをしました。
その伊藤計劃さんの遺作である「虐殺器官」と「ハーモニー」が
来年アニメ化されるというビッグニュースが飛び込んできました。
年が明けたら伊藤さんの名前をあちこちで見る機会が
増えそうでこんなうれしいことはありません。

ということは、最低でもその2本を見るまでは
なんとか映画館に行ける状態で生きていたいなとはちょっと思っていますが
もしもダメだったときは、映画館の暗がりに
ひっそり浮かんでタダ観しようと思います。




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癌は今…

2014-08-17 12:32:35 | 癌のこと
今日でお盆休みも終わりという方も多くて
TVではUターンラッシュのニュースが流れています。

お盆は、お墓参りに行った以外は、ほぼ引きこもりでした。
新居周辺の地理を覚えるために、毎日ほんの少しづつ行動範囲を広げて
自転車で違うスーパーに買い物に行ってみたり、銀行の場所を覚えたり。
道に迷わないために少しづつテリトリーを広げるやり方は猫的です。
自分でも、お風呂が嫌いなところといい、実は前世は猫だったと確信しています。

仕事がなくなった以外は、洗濯して掃除して買い物行って
ご飯を作ってと、毎日淡々と主婦をやっています。
癌のほうは、今どんな感じかというと
去年の秋口から、左胸に縦横7~8センチほど生傷の状態で
ぶにゅぶにゅになっていたところがふさがり始めました。
ただ普通のかさぶたではなくて、上にしこりがある
でこぼこのかさぶたでおおわれていく感じです。
もともと傷の回りは噴火口のようなしこりが取り巻いているので
全体がクレーターのような状態になっています。

実は、私のように、乳癌のステージ4(遠隔転移あり、手術不能)で
ホルモン剤だけの治療の場合は、これから大体どんな経過になるかという
データがありません。ステージが進行していても、手術が可能で
抗ガン剤、手術、術後に放射線といったいわゆる標準治療を受けた場合には
生存期間中央値というのがあって
治療を受けた患者さんの半分が生存している期間が目安になります。
進行している固形癌の乳癌の生存期間中央値はおおむね2年だそうです。

ところがホルモン剤だけとか、完全に無治療とかいう場合は
数百人とか1000人とか単位でのデータがないので
私の場合は、病気の動向がわかるのは、3ヶ月に一度、
お薬をもらいにいく時に受ける血液検査で
腫瘍マーカーの数値だとか、アリミデックスの場合は
副作用の中に肝機能への影響があるので、そのあたりのチェックなどです。
あとは、肺や骨の転移であればたぶん自覚症状が出るので
それは出た時に、痛み止めなんかで対応することになるのでしょう。

乳癌でステージが進んでいて、傷がある場合
出血や滲出液のこともありますが、私の場合は去年の12月に一度だけ
30分近く出血が止まらず、タオルがじゅくじゅくになったことがあるだけで
傷が大きいわりに、大量の出血というのはありませんでした。
ただ去年の秋口から先月くらいまでは
夕食後とか、お風呂に入って寝ると夜中に若干出血しましたが
それもこのところなくなりました。
実は私は「乳」というのもおこがましいくらいのほぼ胸癌という感じなので
ガン細胞の栄養になる部分がほとんどなかったんじゃあないかと。
こんなところに住み着いたガン細胞には
むしろちょっと気の毒な気がしないでもありません。
自分では、サプリくらいのつもりで飲んでいますが
ホルモン剤にもそれなりの効果があるのかもしれません。

乳癌と付き合い始めて一年以上になり、色んな方のブログも
読ませてもらっていますが、あらためて癌という病気は
ひとりひとり、病態が違って本当に多彩なのだなと思います。

まあこんな感じで、今のところ先のことはまったく予測ができません。
でも、それは、病院の先生とお話をしていても
先生にもこれからどんな感じになっていくのかよくわからないような
雰囲気がありますから、そういうものなのでしょう。

新居では、キッチンの足元50cmくらいのところにルナの祭壇があります。
晩年には、ほんとに常に私からそれくらいの距離のところにいて
私が部屋の中を移動すると、必ずテコテコとついてきました。
少し離れていると、視線はいつも私のほうを見ていました。
猫がそんな風になるというのは本当に驚きでした。

人によっては「猫を可愛がりすぎたから迎えに来た」とか
「猫の骨を身近に置いてるのがよくない」なんてことも言われますが
その手の迷信は一切受け付けません。

そのくせ病気になっても、こんなに毎日平穏に暮らしていられるというのは
今でもルナがちょっとがんばってくれているのかななんてことは思うので
人間は、本当に身勝手なものです。


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