●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●月面基地の建設はどのように進めるのか

2013-03-21 14:52:07 | 月面基地
 月面生活は、地球とは比べ物にならないくらいの過酷さが待ち受けている。まず、放射線環境である。月面では、銀河宇宙線の主成分である高エネルギー原子核成分(陽子、ヘリウム、重元素など)が降り注いでいる。これは、ガンマ線や電子線に比べて大きな吸収線量を持ち、生物に致命的な打撃を与えることになる。

 このため、月面生活を行うには、まず、これらの放射線から身を護るにはどうしたらいいのかが大きな問題となる。月面基地建設当初には、遮蔽物をつくることは不可能なことだ。そこで、現在有望視されているのが、月の地下に長く広がっていると見られる火山性の洞窟である溶岩チューブを利用する方法である。溶岩チューブは、溶岩が流れ出したあとにできる空洞のことである。

 この溶岩チューブを利用すれば、高エネルギー原子核成分を持つ放射線から逃れることができるし、月面に衝突する微小隕石から身を護れる。また、夜間-200°C、昼間は100°Cという温度変化も、溶岩チューブ内ならば一定の温度を確保しやすい。さらに、月面を覆っているレゴリスという細かく砕かれた砂のような物質から、人間や機械を護ることも可能となる。

 この溶岩チューブを利用した生活空間が確保された後に、初めて分厚い遮蔽物を持つ月面基地の建設が可能となる。さらに、これを延長させて、月面工場の建設や火星などへ向けてのロケット発射基地の建設が開始される。

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