赤い靴日記  (子宮頸がん ステージ3bから20年)

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書象展に向けて、

2017-02-18 23:33:29 | お習字
書象展の漢詩 決まりました。
今回も杜甫の五言律詩二首。 

 望岳

岱宋夫如何 
斉魯青未了 
造化鐘神秀 
陰陽割昏暁 
盪胸生曾雲 
決皆入帰鳥 
会当凌絶頂 
一覧衆山小

岳を望む

泰の深山は一体いかなる山であるかと言えば、
斉の国魯の国までその山の青さが終わろうとはしない。
万物のつくり主が神妙な冷気を集め、
陰気と陽気がこの山に働いて昼と夜とを分割する。
重なった雲が湧きたってわが心を轟かせ、
山に帰り行く鳥をまぶたも裂けよと目を凝らす。
いつかはきっと絶頂によじ登り、
足元に山々の小さく見えるのを眺めるであろう。


房平曹胡馬  

胡馬大宛名 
鋒稜痩骨成
竹批双耳峻 
風入四蹄軽 
所向無空闊 
真堪度死生 
驍騰有如此
万里可横行 

房平曹の胡馬

この西方産の馬は大宛の名誉に背かぬ馬であり、
角張ってきりっとした骨組みを完成している。
二つの耳は竹を削いだようにそばだち、
四つの蹄はその間に風を吸い込んで軽々と走ってゆく。
この馬の向かうところ空間はつぎつぎと征服されてゆく、
かかる馬こそは命を預けるのに真に十分だと言えよう。
こんな元気のいい馬を持っているあなたは、
万里の遠方へでも自由自在にいくことができよう。


訳 黒川洋一 (岩波文庫)

本にあった訳を載せておきました。参考になさってください。

謙慎展のときも杜甫でした。杜牧が好きで、ここ数年杜牧を書いていたのですが、いよいよ本に載っている五言律詩がなくなってきたので、最近は杜甫が多いです。謙慎展の時の詩は、かなり高齢の時の詩でしたが、今回のは30代くらいの詩で、若く未来があり勢いもありますね。清々しいです。

ちなみに今回の詩の中には、もな息子の名前の字が入っているので、ちょっと気合が入っています。

もなみが今書いている紙には、80字くらいがちょうどよく、そうなると五言絶句4首五言律詩2首になります。
これより少ないと字間が空いて間延びしてしまったり、多いときゅうきゅうで見せ場がなくなり落款が貧弱になったりします。いろいろ考えると、使える詩って限られてしまうんですよね。

杜牧、杜甫と書いていますが、以前は陸游が多かったかな。王維が好きな人や、李白が好きなお友達もいて、李白はお酒にまつわる詩が多いので「酒」という字に泣かされています。


まぁ。見せ場もあって、そこそこいい感じの流れもあります。
最終選考会は四月頭です。
がんばろうっと。 
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7 コメント

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がんばってね ♪ (おうな)
2017-02-24 10:07:27
もなちゃん お久です。

1月下旬からインフルエンザに罹り やっと生還してきました。
予防注射してるからって安心は禁物だったのね。39度近くの熱が1週間続いたのは想定外でした。 もう大丈夫!「住区センター・カラオケ」も参加してきましたよ♪


そんな日々に時々お訪ねしてもなちゃんに「こんにちは♪」して心の安らぎ効果をいただいておりました。感謝です。

「書象展」のことも何にもわからないおうなですが毎年こうして「漢詩」が載ると意味もよくわからないながら「いにしえの中国の詩人の方々」の存在を身近に感じて嬉しゅうございます。
高校の時漢詩の先生がとても面白く授業をしてくださるのでその時間が大好きだったのです。もなちゃんの参考のお話はその先生のよく似ていてぐいぐい引き込まれます。
今年は詩の「翻訳」が無いのと漢字が難しくてちんぷんかんぷんですが、、、「望岳」ですから山並みまたは山そのものを眺めて詠まれたものでしょうか?

「もなちゃんワールド」にお訪ねしておうなの「わくわくタイム」を堪能しています。 ありがとうね。
返信する
せっかく頂いたチャンス? (おうな)
2017-02-24 17:33:20
もなちゃん 少し調べてみましたが、、、

なんと 岱宗とは 泰山のこととわかり「やった!」
また杜甫には「望岳」詩は第一首から 第三首まであること、などなど まぁ おうながまだ60歳代であったらなんとこの先楽しい毎日が、、、でもねぇ  残念!!!

あちこち調べているうちに あらら 検索欄に「もなちゃんの赤い靴発見!
たぶんおうなのせいでしょうけど、、、面白がって学問にいそしんでらっしゃる面々のお邪魔しては。ごめんなさい。

一覧 衆山を小とすべし 
の後の方が載っていなくて残念でした。
返信する
おはようございます (ちっぷ)
2017-02-25 03:20:59
漢詩はよくわかりません。
パソコンを買ったばかりでまだ慣れなくてごめんなさい。
返信する
追記しました。 (もなみ→おうなさん)
2017-02-25 23:49:57
おうなさん こんにちは。
いつもお勉強していただき、ありがとうございます。
簡単にアップしたのですが、詳細を追記しました。
いつもは、著作権のこともあり、適当にもなみが訳しているのですが、今回、本のをお借りしてしまいました。参考にしてみてくださいね。
お習字は、なかなか上手くならないのですが、そこがまた、面白いところでもあるかな?って思っています。
これからも よろしくお願いします。
返信する
がんばってください (もなみ→ちっぷさん)
2017-02-25 23:53:54
ちっぷさん こんにちは。
パソコンが新しくなると、設定とか大変ですよね。
もなみは、パスワードの嵐にてんてこ舞いでした。
お仕事上、漢文には慣れているのでそれほど苦にはなりません。
同じ字を書くにしても、内容がわかっていると流れとかリズムとか作りやすいような気がしています。
漢文って、面白いですよ。
返信する
有難うございました。 (おうな)
2017-02-27 11:54:12
もな先生 

ご多忙中 さっそく詳しくお教えくださって有難うございます。よくわかりました。嬉しいです。

胡の馬 って意味だったんですね、もっとよく考えればおうなの大好きな「西域」からの帰還した武将?の連れ帰った「立派な馬」のことを詠んだ詩だったのですね。
井上靖の書いた西域関連小説や詩や旅行記みたいなものに浮かされていた時期が30年ほど昔にあったのでした。 名馬の産地「大宛」ありましたねぇ!
もうすっかりおうなの脳から去りつつあります、、、
でもおうなはそんな日もあろうかと、また今日のようにPCで検索すれば「ハイ」って解る日が来るとは思ってもいませんでしたので「おうなの西域辞書」を手書きで作ったの今も捨てられずにもってるほど愛した「西域」なのに、 ああ 思い至りませんでした。ガッカリ!

最近はあのあたり「戦争」や「紛争」の地になったりして心が痛んでいました。久々に心地よい詩にふれてとっても嬉しゅうございました。感謝でございます。
返信する
尊敬しています。 (もなみ→おうなさん)
2017-03-01 21:42:07
おうなさん こんにちは。
胡の馬ってそういう意味があるんですね。教えていただいてありがとうございます。

おうなさんの博識なところ、本当に尊敬しています。
おうなさんの「西域辞書」欲しいです。
いつかお会いするときがあったら、ぜひ見せてくださいませ。
お勉強させていただきたいです。
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