書象展の漢詩 決まりました。
今回も杜甫の五言律詩二首。
望岳
岱宋夫如何
斉魯青未了
造化鐘神秀
陰陽割昏暁
盪胸生曾雲
決皆入帰鳥
会当凌絶頂
一覧衆山小
岳を望む
泰の深山は一体いかなる山であるかと言えば、
斉の国魯の国までその山の青さが終わろうとはしない。
万物のつくり主が神妙な冷気を集め、
陰気と陽気がこの山に働いて昼と夜とを分割する。
重なった雲が湧きたってわが心を轟かせ、
山に帰り行く鳥をまぶたも裂けよと目を凝らす。
いつかはきっと絶頂によじ登り、
足元に山々の小さく見えるのを眺めるであろう。
房平曹胡馬
胡馬大宛名
鋒稜痩骨成
竹批双耳峻
風入四蹄軽
所向無空闊
真堪度死生
驍騰有如此
万里可横行
房平曹の胡馬
この西方産の馬は大宛の名誉に背かぬ馬であり、
角張ってきりっとした骨組みを完成している。
二つの耳は竹を削いだようにそばだち、
四つの蹄はその間に風を吸い込んで軽々と走ってゆく。
この馬の向かうところ空間はつぎつぎと征服されてゆく、
かかる馬こそは命を預けるのに真に十分だと言えよう。
こんな元気のいい馬を持っているあなたは、
万里の遠方へでも自由自在にいくことができよう。
訳 黒川洋一 (岩波文庫)
本にあった訳を載せておきました。参考になさってください。
謙慎展のときも杜甫でした。杜牧が好きで、ここ数年杜牧を書いていたのですが、いよいよ本に載っている五言律詩がなくなってきたので、最近は杜甫が多いです。謙慎展の時の詩は、かなり高齢の時の詩でしたが、今回のは30代くらいの詩で、若く未来があり勢いもありますね。清々しいです。
ちなみに今回の詩の中には、もな息子の名前の字が入っているので、ちょっと気合が入っています。
もなみが今書いている紙には、80字くらいがちょうどよく、そうなると五言絶句4首五言律詩2首になります。
これより少ないと字間が空いて間延びしてしまったり、多いときゅうきゅうで見せ場がなくなり落款が貧弱になったりします。いろいろ考えると、使える詩って限られてしまうんですよね。
杜牧、杜甫と書いていますが、以前は陸游が多かったかな。王維が好きな人や、李白が好きなお友達もいて、李白はお酒にまつわる詩が多いので「酒」という字に泣かされています。
まぁ。見せ場もあって、そこそこいい感じの流れもあります。
最終選考会は四月頭です。
がんばろうっと。
今回も杜甫の五言律詩二首。
望岳
岱宋夫如何
斉魯青未了
造化鐘神秀
陰陽割昏暁
盪胸生曾雲
決皆入帰鳥
会当凌絶頂
一覧衆山小
岳を望む
泰の深山は一体いかなる山であるかと言えば、
斉の国魯の国までその山の青さが終わろうとはしない。
万物のつくり主が神妙な冷気を集め、
陰気と陽気がこの山に働いて昼と夜とを分割する。
重なった雲が湧きたってわが心を轟かせ、
山に帰り行く鳥をまぶたも裂けよと目を凝らす。
いつかはきっと絶頂によじ登り、
足元に山々の小さく見えるのを眺めるであろう。
房平曹胡馬
胡馬大宛名
鋒稜痩骨成
竹批双耳峻
風入四蹄軽
所向無空闊
真堪度死生
驍騰有如此
万里可横行
房平曹の胡馬
この西方産の馬は大宛の名誉に背かぬ馬であり、
角張ってきりっとした骨組みを完成している。
二つの耳は竹を削いだようにそばだち、
四つの蹄はその間に風を吸い込んで軽々と走ってゆく。
この馬の向かうところ空間はつぎつぎと征服されてゆく、
かかる馬こそは命を預けるのに真に十分だと言えよう。
こんな元気のいい馬を持っているあなたは、
万里の遠方へでも自由自在にいくことができよう。
訳 黒川洋一 (岩波文庫)
本にあった訳を載せておきました。参考になさってください。
謙慎展のときも杜甫でした。杜牧が好きで、ここ数年杜牧を書いていたのですが、いよいよ本に載っている五言律詩がなくなってきたので、最近は杜甫が多いです。謙慎展の時の詩は、かなり高齢の時の詩でしたが、今回のは30代くらいの詩で、若く未来があり勢いもありますね。清々しいです。
ちなみに今回の詩の中には、もな息子の名前の字が入っているので、ちょっと気合が入っています。
もなみが今書いている紙には、80字くらいがちょうどよく、そうなると五言絶句4首五言律詩2首になります。
これより少ないと字間が空いて間延びしてしまったり、多いときゅうきゅうで見せ場がなくなり落款が貧弱になったりします。いろいろ考えると、使える詩って限られてしまうんですよね。
杜牧、杜甫と書いていますが、以前は陸游が多かったかな。王維が好きな人や、李白が好きなお友達もいて、李白はお酒にまつわる詩が多いので「酒」という字に泣かされています。
まぁ。見せ場もあって、そこそこいい感じの流れもあります。
最終選考会は四月頭です。
がんばろうっと。