赤い靴日記  (子宮頸がん ステージ3bから20年)

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6 すっかりがんを忘れて

2018-12-23 04:04:04 | ガンで訪ねてきてくれた貴女へ
毎日毎日 いろんな事があって、もうすっかりガンだったことを忘れているもなみがいる。

4年半前には、子宮癌と診断されて、絶望の淵にいた。

「浸潤しています」と聞いたときから 全ての情報から耳をふさいで 自分の終焉ばかりをシュミレートしていた。



放射線と抗がん剤治療が効をなし、退院して2年半くらいたったときから やっと自分の病気に向き合うことができてきた。

それから、あらゆる本やNETで見て・調べて・読んで・・・。

改めて 癌という病気や自分の通ってきた道を見直すことができた。

生きることの大切さとか、自分の人生とか、意義のある生活とか。



仕事って言ったって、所詮契約社員で書いていくらの商売だし・・・。

書道って言ったって、小学校のお習字に毛が生えたくらいだし・・・。

これからは家族のため、人のためになる人生をおくらなくちゃ・・・。



なんて思っていたはずなのに。

気がついたら、ガンのことなんてすっかり忘れて、もう元の木阿弥。

社からどんどん来る仕事の依頼を 締め切りまで追われて、アタフタあたふたパソコンで執筆している。

家中仕事の書類ばかりで、散らかりっぱなし。

洗濯は溜まるし、食事は手抜き、掃除はダスキンでちょちょちょ。

書道展に出しても そこそこの賞しか取れなくて、それでもお稽古の日になると 小手先の練習でごまかしている。

あ~~~有意義な 人のためになる 美しい人生は どこに行っちゃったんだろう?



でも、



ひとつだけ、みんなに、ガンで苦しんでいる人に 悩んでいる人に 言えることがある。



浸潤とか、病期とか、ガンの大きさとか、マーカーの値とか、そういうもので計れないものがあるっていうこと。

こうやって4年経って すっかりガンを忘れて生活をしている日々が送れるということ。

本当は 転移とか 再発とか 後遺症とか 怖いんだけれど。

だからといって 毎日いつも四六時中怖いんじゃない。



仕事で叩きのめされたりする時は、もう、自分の力のなさばっかり悔やんでいるし。

スーパーで7時が近くなると、お刺身コーナーの半額シールのことばっかり考えている。

これで良いんだと思う。



ガンだからと言って いつまでも悩んでいてもしょうがない、だから普通の生活をしたい。



ガンであることの辛さ 悲しさも十分知っているから、一緒に共有してもらっていることもある 一緒に歩いているもなみもいる。



一緒に悩んで、そして、普通に歩いているもなみの姿も見て欲しい。



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