赤い靴日記  (子宮頸がん ステージ3bから20年)

がんで来てくれた方は、カテゴリーから「がんで来てくれた貴女へ」をクリック、
直接メールはメッセージをクリックしてね。

9・11 から5年

2006-09-11 20:17:07 | がん
みなさんにとって9.11はどんな日でしょう。
たぶん、アメリカ同時多発テロで、あの衝撃的な映像を思い出すのではないでしょうか。
我が家では息子はその時間もう寝ていたそうです。
娘はお風呂上りにその映像を見て、何か映画の1シーンであるのかと主人と話していたそうです。
世界中にかかえた不満とか政治均衡のバランスが崩れて、
それはある一部の過激的なテロリストの行動であったかもしれないけれど、やっぱり世界が抱え込んだ問題に蓋をしきれなくなった出来事ではないかと思います。
あれから、いろんな戦争とかテロとかが頻発して本当に平和に向かっているのだろうか?と疑問に思ってしまいます。

とはいうもののもなみ自身は9.11を知ったのは3日も5日も1週間もたってからでした。
5年前の今日「9月11日」は放射線と抗がん剤の真っ只中で 気分が最悪でもうどう体を動かしても吐き気が出てしまって、じゃかじゃか点滴が始まり、モノを感じる考える思うことさえできない状態でした。
ガンと闘う気力も無く、意識もうつろで死ぬことばかり考えていました。
まったく、今思うと「喝!」を入れてやりたいくらい絶望のどん底にいた日です。

もし、あの時「元気になれる」希望が見えていたら
もし、あの時 今の自分をイメージできていたら
もし、あの時 自分と他の人の病期とを比較することが無駄なことだと知っていたら
もっと前向きに もっと自分だけのことではなくて家族のことや世界のことを考えることができたのにって思います。

人は産まれた瞬間から 自分のことを自分が生きていくことを考え始めます。
だんだん知恵や知識がついて、お母さんやお父さんが認知でき、お友達と遊べるようになり、そして頭がよくなるにつれ、クラスのみんなや学校や会社のこと 社会のこと そして異文化や異宗教のことを世界のことを考えることが出来るようになるのだと思います。

ガンだと告知され治療を始めたばかりの頃のもなみは 自分のことしか考えられなくなっていました。
あえて言うならば、自分の生を考えたときだともいえますが、
それでも なんだか情けないような気がします。

今、健康上少し余裕のあるときなので、いや、ガンの治療から5年経ち他の辛い状況の方たちに比べるとこれ以上ないくらいの幸せな状態にいるときなので、

自分以外の人のことを、文化や宗教や考え方の違う人のことも、一歩近付いてその立場を想像できる頭の良さを身につけたいと思っています。

考え方の違う人と意見を戦わせること、これは前に進むためのステップとして。

相手を傷つけたり殺めたり、もなみのような小市民にとってはそれは武器ではなく言葉だったり八つ当たりだったりするのですが、そういう自分勝手なことは慎みたい。
相手の立場を想像し、自分とは違う考え方宗教・世界があることを前提に 違うものを知ろうとすることが大切なのではないかと思うのです。
もしかしたら憎むべきテロリストのこともその信条とか背景とか、きっと本当に賢い大人ならそこまで考えるべきなのかもしれません。

自分勝手な行動ばっかりしてしまうもなみです。
例えば、主人や子どもを振り回してしまったり、友達に勝手なご無沙汰してしまったり、
この9.11に まず自分から相手を思う人間になってかなければ、と決意しました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする