パオロ・フレスは多作だし、出すアルバムのアプローチが多彩だから結構翻弄されます。
ECMをいつもリサーチしていないから、お友達のblogでみつけてこれは即決めました。
相手はバンドネオンのダニエーレで、結構アルバムだしているけれど、あまり相性が良くない。感覚的にはちょっと神経質な感じだった。
ところがどっこい(ひどい言葉選び)1曲目聞き始めてこれはびっくりしました。
ダニエーレの曲ですが、このメロディとこの残響に包まれて、何とも意表をつかれたようなゆったりした始まりです。ゆったりなんだけれどもっといい言葉があるような感じのする始まりです。
2曲目バロック調で始まるのはフレスの曲、ミュート演奏は一寸明るめのトラディショナルな感じです。
3曲目後半のチリの国民的な曲“不屈の民”は聴いたことがあるような感じです。
4曲目がシャンソンの“忘れな草”ミュートで意外とさわやかな演奏、ペットもバンドネオンも決してやりすぎないところが小粋です。
5曲目はたぶん二人のインプロヴィゼーションでしょう。
6曲目フレスの曲は、これも激しくはないけれど、フレスらしい一寸ひねったフレーズが顔を出します。
7曲目チリのシンガーソングライターVictor jaraの「Te Recuerdo Amanda」、この選曲がアルバムのイメージを決めているようです。そのお友達のblogでこの曲を「美しさ穏やかさ」と表現しているけれど、それが探している言葉でした。「おだやか」これに漢字を付けて意味を加えるならば「静穏」予想よりもずっと私が必要としているアルバムになりました。
10曲目プッチーニのラ・ボエームからの曲が一番ジャズらしいなんて思ってしまいます。
この後アルバム雰囲気はかわりません。
Cinquant'Anni Suonatiというフレスのシリーズが5枚ぐらいあるけれど、ダニエーレはそこに幾つか参加してるようです。このようなのだったら一寸欲しい気もします。
昨日聞いたアジッッというアルバムと正反対のアルバムです。どちらを選んでもよし、でも是非どちらも聴いて楽しめたといっていただけると、紹介しているこちらはうれしくなります。
In maggiore / Paolo Fresu & Daniele di Bonaventura
Paolo Fresu trumpet,flugelhpne
Daniele di Bonaventura bandoneon
1. Da Capo Cadenza
2. Ton Kozh
3. O Que Sera / El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido
4. Non Ti Scordar Di Me
5. Sketches
6. Apnea
7. Te Recuerdo Amanda
8. La Mia Terra
9. Kyrie Eleison
10. Quando Me’n Vo
11. Se Va La Murga
12. Calmo
13. In Maggiore