ルーツな日記

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プリシラ・アーン @ 代官山Space Odd

2017-05-25 23:07:08 | SSW
5月23日、代官山Space Odd にて、プリシラ・アーンを観てまいりました。

いやもう、トロットロでしたよ!! 今回のバック・メンバーはウェンディ・ウォンただ一人。プリシラ・アーンと言うと、アコースティック・ギターを弾きながらのフォーク・シンガー的なイメージが強いですよね? でも実は来日公演ではドラムスの入ったバンド編成が多く、特にこの日のような単独フルセットのライヴで、これだけシンプルな編成って珍しいんです。今回はウェンディ・ウォンが曲によって、ベース、ギター、キーボードを弾き分けていましたが、それも必要最小限のサポートのみで、基本的にはプリシラのアコギ弾き語りライヴな雰囲気で、とても親密感があって良かったです! こういうライヴを観たかったんですよ!! シンプルゆえのアットホームな空気感に溶け込むピュア・ヴォイス、アコギの音色、そして彼女の柔らかいフィーリングが、会場を包み込んだおよそ90分弱、私の聴きたかったプリシラ・アーンをたっぷり堪能させて頂きました!

ポップな曲が並んだ序盤。デビュー作からの「I Don't Think So」や「Red Cape」も良かったですし、ちょっぴりアンニュイな「Oo La La」や、日本語詩がナチュラルに響く「やさしさに包まれたなら」など、プリシラらしいポップさが素敵でしたね。こういうアップテンポの曲を清々しく吹き抜けるようなプリシラの透明感溢れるピュア・ヴォイスにはホントうっとりですよね。この日のプリシラは、白地にドットのような柄のワンピースが良く似合っていましたが、歌声共々、必要以上に飾らない素朴さがまた良いんですよね〜。

そしてこの日の白眉は、やはりスロー・ナンバーでした。例えば新作「LA LA LA」からの「Leaves」。ライヴで聴いたのは初めてです。CD収録ヴァージョンは歌にもエフェクトがかかっていて幻想的な雰囲気ですが、そんな装飾を廃したほぼアコギ弾き語りで歌われるこの曲のしっとりとした味わいは素晴らしかったですね。そして「Fine on the Outside」。切ないメロディー、ささやくような歌声、聴いてると映画「思い出のマーニー」の色々なシーンが脳裏を過るようでした。過去と現在が交差する甘酸っぱい感じ、滲みましたね〜。ウェンディ・ウォンとのハーモニーもステキだった「With You」や、サビでのエモーショナルな歌唱が印象的な「Wallflower」にもうっとりでした。さらに極めつけは「City Lights (Pretty Lights)」。これ、2nd作収録の古い曲ですが、ライヴで聴くのは初めてかもしれません。影のあるメロディーがプリシラの美しい声と相まって得も言われぬ味わい。フットスイッチで自身の声を重ねた“ooh♪”のコーラスの美しさと言ったら!

そんなスロー・ナンバーが極上の美しさを醸す一方で、華麗なフィンガー・ピッキングのスピード感に陰影のある歌声がのる「In A Tree」とか、リズムボックスを使ったオルタナ感が秀逸な「You And Me」とか、さらにはギターではなく、テノリオンを片手に歌った「In a Closet in the Middle of the Night」など、ヴァラエティに富んだ曲調、演奏で楽しませてくれたプリシラ・アーン。「In a Closet in the Middle of the Night」の終盤での、一人多重コーラスの広がりも素晴らしかった!

今回のライヴはかなりフォーキーな面の強いものではありましたが、ただ単にフォーキーなだけではない、プリシラらしいモダンさも際だっていました。テノリオンや、リズムボックスの使用はもちろん、ウェンディ・ウォンの楽器の持ち替えもそんな雰囲気に一役買ってました。そして何と言っても、一人多重コーラスですよ!シンプルな演奏なだけに、ひときわその美しさが際立ってましたね。

楽器演奏をループさせることは、数え切れない程のアーティストがやっていますが、自分の声をリアルタイムで重ねていくというのは、プリシラ以外に見たことがありません。おそらく、プリシラの声だからこその効果なんでしょうね。純度100%のピュアヴォイスだからこそ、重ねれば重ねるほど透明度を増すような美しさ。しかも突然プリシラの声が重なり、万華鏡のように広がっていく様は、分かっていても神秘的です。「Dream」の美しさとか、言わずもがなですね。ホント、何度も聴いてる曲ですけと、聴くたびに溜息ものの美しさです。

その「Dream」から、「サヨナラCOLOR」、「Desert Lullaby」、「Moon River」という終盤は絶品でしたね。もう、うっとりしっぱなし。そしてアンコールは待ってましたの「Masters in China」ですよ!私はプリシラの歌う「Masters in China」が大好きなので、最後にやってくれて嬉しかったです!

それにしてもプリシラ・アーン、私にとって彼女のライヴはいつも最高ですが、今回は特に密度か濃かったように思います。シンプルな編成はもちろん、スタンディングのライヴハウスというのが、いつものビルボードライヴではない、また違った空気感で良かったのかもしれません。立ちっぱなしゆえに、「足、大丈夫ですか?疲れたね。」と、観客達を日本語で労ってくれたのも印象的でした。もちろん、他にも日本語を沢山喋ってくれましたし。あと、テノリオンでちょっとミスってしまい、驚いた表情をしていたのが、プリシラらしくて可愛かった!



この日のセットリストはこんな感じでした↓ 今回は中国ツアーの帰りにちょっと寄ったという感じの東京一回限りのライヴでした。ですがこのセットリストは日本向けに組み直したんでしょうね。中国ではどんなセットリストだったんでしょう?そちらも気になります。

01. ひこうき雲
02. I Don't Think So
03. Oo La La
04. Forever & Forever
05. やさしさに包まれたなら
06. Red Cape
07. Leaves
08. In a Closet in the Middle of the Night
09. In A Tree
10. Fine on the Outside
11. With You
12. Wallflower
13. Best I Can
14. You And Me
15. City Lights (Pretty Lights)
16. Country Roads
17. Song Of Hope
18. Dream
19. サヨナラCOLOR
20. Desert Lullaby
21. Moon River
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22. Masters in China



*写真は、このライヴの翌日発売のCDで、昨年のビルボードライヴ東京公演を録音したライヴ盤。残念ながらサイン会はなかったのですが、小さな直筆サイン色紙が付いてきました。





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2016-05-27  プリシラ・アーン@ビルボードライヴ東京(2016年5月27日 Billboard Live TOKYO 2nd)
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2012-07-22  プリシラ・アーン@ビルボードライヴ東京(2012年7月18日 Billboard Live TOKYO 2nd)
2012-07-17  プリシラ・アーン@渋谷タワーレコード(2012年7月16日 タワーレコード渋谷店)
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2009-08-05  フジロック・ベスト5 第4位!(2009年7月25日 FUJIROCK ORANGE COURT)
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