ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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プリシラ・アーン@めぐろパーシモンホール

2014-12-23 23:09:01 | SSW
プリシラ・アーン / あなたのことが大すき。

2014年12月3日、めぐろパーシモンホールにてプリシラ・アーンを見てまいりました。ジブリ映画「思い出のマーニー」の主題歌を歌い、新しいファンも沢山掴んだであろうプリシラ・アーン。過去に何度も来日していますが、今回は初の単独ホール公演ということで、一回り大きくなったプリシラ・アーンを堪能してまいりました。


ユーミンのカヴァー「やさしさに包まれたなら」で始まったステージ。プリシラの温かみのあるナチュラル・ヴォイスが会場に染みわたっていく。 昨年の「THIS IS WHERE WE ARE」リリース直後にフジロックで見せた新モードは一旦封印した印象で、オーガニックなバンドアンサンブルによるフォーキーなサウンドが心地よい。バンドメンバーも、ウェンディ・ウォン(b)、ジェイク・ブラントン(g)、オリヴァー・クラウス(cello)、ルーク・アダムス(ds)、サーシャ・スミス(key)という、これまでの彼女の諸作品や来日時のバックバンドに名前を見ることができる、プリシラ・アーン・オールスターズ的な面々。そんな面々による、「In A Tree」、「Wallflower」、「When You Grow Up」といった初期の曲が嬉しい!

でも序盤の白眉は「THIS IS WHERE WE ARE」からの「In a Closet in the Middle of the Night」でした。新モードを封印したかと思いきや、この曲ではテノリオンを使うという新しさ!しかもプリシラが一人でテノリオンをピコピコ操りながら歌うという。イントロでループ操作をミスし、「オー!ノー!」とか言ってやり直す場面があったりで冷や冷やもしましたが、仕切りなおした後は素晴らしかった。テノリオンの人工的な電子音とプリシラのピュア・ヴォイス。それをフットスイッチで多重的に重ねていくその広がりの美しさ!!アルバムのエレクトロニカ的側面をこういう形でライヴ表現するというセンスは、ただフォーキーなだけではないプリシラのポップセンスならではですよね~。元々この曲は09年に配信オンリーでリリースされたライヴ音源に収録されていた曲で、当初はアコギ弾き語りを基調にした幻想的な曲だったのですが、それが「THIS IS WHERE WE ARE」を経て、テノリオンへ進化した、面白いですね~。

あと個人的に嬉しかったのは「Stop, Look, Lie」でプリシラがバンジョーを弾いてくれたこと。そもそも私がプリシラを好きになったきっかけは、デビュー当時、何処かでたまたま彼女がバンジョーを持った写真か映像を見たからだったんです。今どきのシンガーソングライターがバンジョー!?そして歌声を聴いて大ファンになりました。それ以来、何度もプリシラのライヴを見ていますが、しかし彼女の生バンジョーを聴けることはなかったんですよね~。なのでこの日初めて彼女のバンジョーを生で聴けて、彼女がバンジョーを弾く姿を間近に見れて、感無量でした!!

そして、NHKのドラマ『そこをなんとか2』の主題歌「Best I Can」や『みんなのうた』での放送曲「見えない羽根」、さらには「サヨナラCOLOR」や「風の谷のナウシカ」のカヴァーなど、ここ数年で音楽活動的にも日本に急接近しているプリシラらしい選曲も楽しませてくれました。あ、そう言えば、バンジョーを弾いた「Stop, Look, Lie」はマツモトキヨシのCM曲でしたね。もちろん映画『思い出のマーニー』の主題歌「Fine On The Outside」もやりましたよ。こちらは続けて「With You」、「This Old House」とマーニー関連の曲を披露し、旬という意味でも後半のハイライトとなりました。

また、プリシラは日本語を駆使したMCもたくさん話してくれました。『日本語を勉強しています』と言って『ダメヨ、ダメ、ダメ』という最新ギャグで笑いをとってみたり。あと『「思い出のマーニー」の主題歌を歌えたことが人生で最も大きな出来事』と語った後に、慌てて『一番大きな出来事は「結婚」、二番が「思い出のマーニー」』と言い直したり。とても幸せそうで可愛かったです。とは言え、日本のファンの前なんですから敢えて言い直さなくても良いのに…、と思ったり。でもそんな素直なところも素敵なんです。なんて言いますか、プリシラは少し天然なところもありますよね。最近はライヴでちょっと歌詞を忘れたり、躓いたりするのが、なんだかお約束になってしまっていますし。この日もカヴァー曲でちょっと間違えちゃってましたけど、笑顔で謝る仕草がまた可愛かったり。正直な話、こういう瞬間に見せる彼女の素の笑顔や笑い声をちょっぴり楽しみにしている私もいる。ごめんなさい…。


さて、夢心地なコンサートも終盤。ラストは「Leave the Light On」、「Dream」というデビュー時の曲を続けて。まさか「Leave the Light On」をやってくれると思わなかったので嬉しかったですね。そして代表曲「Dream」ですよ。何が凄いってオリヴァー・クラウスがいますからね。この方はクリスティーナ・アギレラ、ベス・オートン、レイチェル・ヤマガタ、ミーコ等々、数々の作品に参加しているチェロ奏者で、プリシラが08年にデビューした際の「Dream」で印象的なチェロを弾いているのもこのオリヴァー・クラウスなんです。ですがこれまでのプリシラの来日にはさすがにオリヴァー・クラウスまでは一緒に来ていなかったんです。なので今回はまさかでしたよ!まさかオリヴァー・クラウスのチェロが入った「Dream」を生で聴けるとは!これは貴重でしたよ!もちろんオリヴァー・クラウスのチェロはコンサート全編に渡って素晴らしかったですけどね。


そしてアンコールは邦ロックバンド、くるりのカヴァー「ばらの花」。最後らしいアップテンポな盛り上がり。そして待ってましたの「カントリーロード」。プリシラの歌うこの曲が好き、という方も案外多いのでは?もちろん私もその一人。これで終わりと思いきや、最後にもう一曲。アコギ弾き語りでユーミンの「ひこうき雲」。これも染みましたね~。

なぜかユーミンで始まりユーミンで終わったコンサート。アンコール含めて、およそ1時間20分程でしたでしょうか。ホール公演にしては短いかな?と思ったりもしましたが、いつもよりちょっぴりゴージャスなバンドアレンジで聴くプリシラの素敵な歌声をたっぷり堪能いたしました。そしてプリシラは相変わらず可愛かった!


終演後はサイン会があったのですが、開演ギリギリに現地に到着した私は参加券をゲットできなかったんです…。まさかホール公演でサイン会があるとは思わなくて。そこは日本のファン思いのプリシラならではですね~。



この日のセットリスト↓

01. やさしさに包まれたなら
02. In A Tree
03. Best I Can
04. Wallflower
05. When You Grow Up
06. In a Closet in the Middle of the Night
07. 見えない羽根
08. Stop, Look, Lie
09. サヨナラCOLOR
10. 風の谷のナウシカ
11. Fine on the Outside
12. With You
13. This Old House
14. Leave the Light On
15. Dream
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16. ばらの花
17. Take Me Home, Country Roads
18. ひこうき雲

(メモを取りながら見たとはいえ、既に記憶があいまいです。間違っていましたらごめんなさいね。)


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