KING / We Are King
ソウルという音楽がアーバンなR&Bに取って代われて早幾年、時代は進化して行きます。既にR&Bも過去のものに成りつつ有ることを予感させる部門、『Best Urban Contemporary Album』部門です。気になるノミネートは以下の5作品。
Beyoncé / Lemonade
Gallant / Ology
KING / We Are King
Anderson .Paak / Malibu
Rihanna / Anti
ここの本命はもちろんビヨンセです。リアーナも強いでしょう。本来なら2大ディーヴァの一騎打ちを見守りたいところですが、実は、キング、ガラント、アンダーソン・パックという、新時代のブラック・ミュージックとも言える精鋭達が並んでいるところがこの部門のキモだったり。
主要部門『Best New Artist』にもノミネートされている西海岸ヒップホップ・シーンの寵児アンダーソン・パック、繊細且つエモーショナルなファルセットで耽美な世界を聴かせるガラント、そしてプリンスやエリカ・バドゥも絶賛したという女性コーラス・トリオのキング。ロバート・グラスパー以降、ヒップ・ホップやジャズとの相互アプローチを中心に新感覚のブラック・ミュージックの台頭著しい昨今ですが、2016年のR&Bを席巻した代表がこの3組と言えるのかもしれません。
中でも私の注目はキング。ミネアポリスのブルースマン、故パーシー・ストローザーを叔父に持つ、パリス&アンバー・ストローザー姉妹と、パリスと同じバークリー出身のアニータ・バイアスによるトリオ。2011年にEP「The Story」をリリースし、プリンスの前座に抜擢されてから5年、ようやくのアルバム・デビューがこの「We Are King」。
もちろんその間、逼塞していたわけではなく、ロバート・グラスパー「Black Radio」へのゲスト参加を始め、ジル・スコットやビラル、エリック・ロバーソンとのコラボ等々、各所にそのユニークな感性を刻んできました。
そして、待ちに待った1st作。浮遊感のあるメロディーを彩るドリーミーなハーモニー。パリスが繰り出すどことなくチープな80年代的なシンセ音が、バウンスしながらさざ波のように揺れるグルーヴと共にオリエンタルな雰囲気を醸して行く。なんとも不思議な楽園的ムードが懐かしさを呼び起こしつつ、そこから滲み出るネオな感覚が五感を刺激する。
白眉はシングルでもリリースされた「In The Meantime」、「The Greatest」あたりでしょうか。美しく、ゆったりとしていながらも、無意識下に脳内を揺らされるような中毒性が堪らないですね。EP収録の3曲が再収録されているのも嬉しい。「Hey」はEPリリース当時、ケンドリック・ラマーにサンプリングされたとか。
なにはともあれ、デビュー作にしてこの完成されたユニークな個性、素晴らしいです!!
またキングは昨年、早くも来日公演を行なってくれました。私も単独公演こそ見逃したものの、サマソニでその極上のステージを堪能いたしました。パリスが操るサウンドの上を妖しく舞うかのようなコーラス。まさにトリオのみのステージでした。ロック・フェスでジェイムス・ベイの直前というややアウェイの雰囲気では有りましたが、初々しくも堂々としたキングの魅力でとろけさせてくれました。
さて、最強ディーヴァ対決か?それとも新鋭による下克上か?
やっぱりビヨンセでしょうね〜。
Beyoncé / Lemonade
ソウルという音楽がアーバンなR&Bに取って代われて早幾年、時代は進化して行きます。既にR&Bも過去のものに成りつつ有ることを予感させる部門、『Best Urban Contemporary Album』部門です。気になるノミネートは以下の5作品。
Beyoncé / Lemonade
Gallant / Ology
KING / We Are King
Anderson .Paak / Malibu
Rihanna / Anti
ここの本命はもちろんビヨンセです。リアーナも強いでしょう。本来なら2大ディーヴァの一騎打ちを見守りたいところですが、実は、キング、ガラント、アンダーソン・パックという、新時代のブラック・ミュージックとも言える精鋭達が並んでいるところがこの部門のキモだったり。
主要部門『Best New Artist』にもノミネートされている西海岸ヒップホップ・シーンの寵児アンダーソン・パック、繊細且つエモーショナルなファルセットで耽美な世界を聴かせるガラント、そしてプリンスやエリカ・バドゥも絶賛したという女性コーラス・トリオのキング。ロバート・グラスパー以降、ヒップ・ホップやジャズとの相互アプローチを中心に新感覚のブラック・ミュージックの台頭著しい昨今ですが、2016年のR&Bを席巻した代表がこの3組と言えるのかもしれません。
中でも私の注目はキング。ミネアポリスのブルースマン、故パーシー・ストローザーを叔父に持つ、パリス&アンバー・ストローザー姉妹と、パリスと同じバークリー出身のアニータ・バイアスによるトリオ。2011年にEP「The Story」をリリースし、プリンスの前座に抜擢されてから5年、ようやくのアルバム・デビューがこの「We Are King」。
もちろんその間、逼塞していたわけではなく、ロバート・グラスパー「Black Radio」へのゲスト参加を始め、ジル・スコットやビラル、エリック・ロバーソンとのコラボ等々、各所にそのユニークな感性を刻んできました。
そして、待ちに待った1st作。浮遊感のあるメロディーを彩るドリーミーなハーモニー。パリスが繰り出すどことなくチープな80年代的なシンセ音が、バウンスしながらさざ波のように揺れるグルーヴと共にオリエンタルな雰囲気を醸して行く。なんとも不思議な楽園的ムードが懐かしさを呼び起こしつつ、そこから滲み出るネオな感覚が五感を刺激する。
白眉はシングルでもリリースされた「In The Meantime」、「The Greatest」あたりでしょうか。美しく、ゆったりとしていながらも、無意識下に脳内を揺らされるような中毒性が堪らないですね。EP収録の3曲が再収録されているのも嬉しい。「Hey」はEPリリース当時、ケンドリック・ラマーにサンプリングされたとか。
なにはともあれ、デビュー作にしてこの完成されたユニークな個性、素晴らしいです!!
またキングは昨年、早くも来日公演を行なってくれました。私も単独公演こそ見逃したものの、サマソニでその極上のステージを堪能いたしました。パリスが操るサウンドの上を妖しく舞うかのようなコーラス。まさにトリオのみのステージでした。ロック・フェスでジェイムス・ベイの直前というややアウェイの雰囲気では有りましたが、初々しくも堂々としたキングの魅力でとろけさせてくれました。
さて、最強ディーヴァ対決か?それとも新鋭による下克上か?
やっぱりビヨンセでしょうね〜。
Beyoncé / Lemonade