今年のフジロックも素晴らしいライヴの連続でした。当ブログ恒例のベストアクト企画も悩ましいところですが、今年はいきなり第1位から!!
それはもちろん、ビョーク!!!!!
だって、仕方ないです。今年のフジロックはビョークを観に行ったようなものですから。しかもヘヴンのガース・ハドソンを諦めて観たビョークですからね、そりゃあ1位になってもらわないと。今でもふと目を瞑れば、あの時の感動と興奮が甦ります。
カール・ハイドのステージが終わり、一瞬空いたかと思われたモッシュピット内に続々と人が詰めかけてくる。SEには妙な民族音楽が流れ、徐々にビョークの世界に誘われてく。ステージにパイプオルガン的なものが運び込まれたり、サウンドチェックの音が響いたりする度に、観客達からどよめきの声が上がる。いつしかモッシュピット内はぎゅうぎゅうに。そして彼らの期待が渦を巻くように充満し始めた頃、いよいよ照明が落ち、ショーのスタート!
待ちに待ったビョークが登場すると大きく波打つように揺れるピット内。10年前にフジに出た時のビョークは、真っ白な衣装に身を包み、まるで山の妖精が降りてきたかのような雰囲気でしたが、今回はそんな妖精は居ません。では何が居たのか? それは「DNA」です! 赤青黒の小さな球状のものが螺旋状にビョークの全身を包んでるんです。このフリーキーなコンセプトが堪らなくエネルギッシュ! そして自身の衣装を指差して「D、N、A」と呟くビョークは何処か可愛らしかったり。
メンバーは、ディレクター的存在のマット・ロバートソン、ドラムスのマヌ・デラゴ、そしてアイスランドの女性合唱団グラデュアレ・ノビリといういたってシンプルな編成。このメンバーがビョークの宇宙を描き出す。「Cosmogony」、「Thunderbolt」、「Moon」、「Crystalline」といった最新作「Biophilia」からの曲はもちろん、「Hunter」、「Hidden Place」、「One Day」などこれまでの名曲も披露される。「Thunderbolt」では大きな鉄格子のようなものに入った噂の「テスラコイル」が登場し、稲妻を走らせながらその怪音がしっかりリズムにリンクしているように聴こえる。「Crystalline」では爆音によるハードコアなビートが炸裂し、そのカオスっぷりは前半のハイライトに。個人的にはデビュー作からの「One Day」が印象的でした。手で叩くスティールパンのようなパーカッションをバックにしたビョークの歌声っていうのは、まさに苗場という自然の空気に溶け込むようでした。デビュー時のライヴではフルートが受け持っていたあの印象的なメロディーを、ビョーク自身が口笛で吹いていたのには驚きました。これは素敵なアレンジ!!
前半は、ビョークらしいポップと前衛が混じり合う楽曲に、まるで劇団員のような佇まいのコーラス隊や、巨大ヴィジョンに映される映像など、全てがアート的。もちろんビョークの歌声はまさしくビョークそのものながら、その響きには、どっぷりと日の落ちた山の中ならではの神秘性を感じさせられる。そして美しくもエキセントリックな女性コーラス隊のハーモニーがその神秘に呼応する。さらに楽曲に潜む根源的なビートを揺り動かすかのような生ドラム&電子音によるグルーヴ。もう、全てが完璧。そして全てが生々しいエモーショナルに溢れてる。やはり野外で観るビョークは格別なのです!!
そして「Army of Me」、「Mutual Core」でいよいよビョークが牙を剥き始める。特に「Army of Me」の暴力的なビートにはやられましたね~。ピット内はグラングランに揺れてました。さらに地を這うが如くな低音がズーン、ズーンと響く。キターー!「Hyperballad」ですよ! ビョークが歌い出すと一際大きな歓声が。やはりこの曲ですよね。この昂揚感はホント堪りません。しかも前回の武道館公演と同様にLFOの「Freak」とのマッシュアップ・ヴァージョン! ビートが変わった瞬間に体をドスンと打ち抜かれたような衝撃が走る。そしてグルーヴに支配されたかのようにただただ踊り狂う。その祝祭感が半端無い。さらにビートは激しさを増し、ビョークは楽し気に変な踊りを踊ってる。観ている私は、グルーヴのトランス感と、生ビョークの放つ妖気のようなオーラに恍惚としてくる。そしてステージは「Pluto」に雪崩れ込むという鉄板の展開。もうただただ浴びましたね。ビョークの宇宙を!フジロックで、しかも目の前にビョークを観るぎゅうぎゅうのモッシュピットでこの2曲を浴びる、こんな興奮が他にあるでしょうか!! そして本編ラストは新作から「Náttúra」。これもライヴで聴くと堪らなく格好良い!まるでエネルギーが大地から沸き出るかのような、最後に相応しいパフォーマンス。もうただただ拍手!拍手!
そしてもちろんアンコール。コーラス隊が荘厳な響きを聴かせスピリチュアルなヴァイヴに包まれた後に始まった「Declare Independence」。プリミティヴなリズムに生命力溢れる歌と掛け声。まるで観客の魂が解き放たれたかのようなエネルギーが場内に充満する。それを煽動するかの如くビョークの高く突き抜けるよな歌声。それに応えるように観客達は「ハヤ!ハヤ!」と叫ぶ。そして激しく踊るコーラス隊。混沌さを増すグルーヴ。全てがカオティック!! これぞビョーク!!
いや~、ホント圧巻のステージでした。やはりビョークですよ。ビョークと同時代を生きられるというのは、音楽好きにとって本当に幸せなこと。そう実感させられるような、素晴らしさでした。そんな彼女は今、日本科学未来館にて「Biophilia Tokyo」を開催中です。そして今日、8月6日はその最終日。収容人数約800人という小さな会場で「Biophilia」の世界を体感するというこのコンサート。私も観に行ってまいります。巨大野外フェスであるフジロックとはまるで両極のようなシチュエーションで行なわれるこのライヴ。楽しみでなりません!!
それはもちろん、ビョーク!!!!!
だって、仕方ないです。今年のフジロックはビョークを観に行ったようなものですから。しかもヘヴンのガース・ハドソンを諦めて観たビョークですからね、そりゃあ1位になってもらわないと。今でもふと目を瞑れば、あの時の感動と興奮が甦ります。
カール・ハイドのステージが終わり、一瞬空いたかと思われたモッシュピット内に続々と人が詰めかけてくる。SEには妙な民族音楽が流れ、徐々にビョークの世界に誘われてく。ステージにパイプオルガン的なものが運び込まれたり、サウンドチェックの音が響いたりする度に、観客達からどよめきの声が上がる。いつしかモッシュピット内はぎゅうぎゅうに。そして彼らの期待が渦を巻くように充満し始めた頃、いよいよ照明が落ち、ショーのスタート!
待ちに待ったビョークが登場すると大きく波打つように揺れるピット内。10年前にフジに出た時のビョークは、真っ白な衣装に身を包み、まるで山の妖精が降りてきたかのような雰囲気でしたが、今回はそんな妖精は居ません。では何が居たのか? それは「DNA」です! 赤青黒の小さな球状のものが螺旋状にビョークの全身を包んでるんです。このフリーキーなコンセプトが堪らなくエネルギッシュ! そして自身の衣装を指差して「D、N、A」と呟くビョークは何処か可愛らしかったり。
メンバーは、ディレクター的存在のマット・ロバートソン、ドラムスのマヌ・デラゴ、そしてアイスランドの女性合唱団グラデュアレ・ノビリといういたってシンプルな編成。このメンバーがビョークの宇宙を描き出す。「Cosmogony」、「Thunderbolt」、「Moon」、「Crystalline」といった最新作「Biophilia」からの曲はもちろん、「Hunter」、「Hidden Place」、「One Day」などこれまでの名曲も披露される。「Thunderbolt」では大きな鉄格子のようなものに入った噂の「テスラコイル」が登場し、稲妻を走らせながらその怪音がしっかりリズムにリンクしているように聴こえる。「Crystalline」では爆音によるハードコアなビートが炸裂し、そのカオスっぷりは前半のハイライトに。個人的にはデビュー作からの「One Day」が印象的でした。手で叩くスティールパンのようなパーカッションをバックにしたビョークの歌声っていうのは、まさに苗場という自然の空気に溶け込むようでした。デビュー時のライヴではフルートが受け持っていたあの印象的なメロディーを、ビョーク自身が口笛で吹いていたのには驚きました。これは素敵なアレンジ!!
前半は、ビョークらしいポップと前衛が混じり合う楽曲に、まるで劇団員のような佇まいのコーラス隊や、巨大ヴィジョンに映される映像など、全てがアート的。もちろんビョークの歌声はまさしくビョークそのものながら、その響きには、どっぷりと日の落ちた山の中ならではの神秘性を感じさせられる。そして美しくもエキセントリックな女性コーラス隊のハーモニーがその神秘に呼応する。さらに楽曲に潜む根源的なビートを揺り動かすかのような生ドラム&電子音によるグルーヴ。もう、全てが完璧。そして全てが生々しいエモーショナルに溢れてる。やはり野外で観るビョークは格別なのです!!
そして「Army of Me」、「Mutual Core」でいよいよビョークが牙を剥き始める。特に「Army of Me」の暴力的なビートにはやられましたね~。ピット内はグラングランに揺れてました。さらに地を這うが如くな低音がズーン、ズーンと響く。キターー!「Hyperballad」ですよ! ビョークが歌い出すと一際大きな歓声が。やはりこの曲ですよね。この昂揚感はホント堪りません。しかも前回の武道館公演と同様にLFOの「Freak」とのマッシュアップ・ヴァージョン! ビートが変わった瞬間に体をドスンと打ち抜かれたような衝撃が走る。そしてグルーヴに支配されたかのようにただただ踊り狂う。その祝祭感が半端無い。さらにビートは激しさを増し、ビョークは楽し気に変な踊りを踊ってる。観ている私は、グルーヴのトランス感と、生ビョークの放つ妖気のようなオーラに恍惚としてくる。そしてステージは「Pluto」に雪崩れ込むという鉄板の展開。もうただただ浴びましたね。ビョークの宇宙を!フジロックで、しかも目の前にビョークを観るぎゅうぎゅうのモッシュピットでこの2曲を浴びる、こんな興奮が他にあるでしょうか!! そして本編ラストは新作から「Náttúra」。これもライヴで聴くと堪らなく格好良い!まるでエネルギーが大地から沸き出るかのような、最後に相応しいパフォーマンス。もうただただ拍手!拍手!
そしてもちろんアンコール。コーラス隊が荘厳な響きを聴かせスピリチュアルなヴァイヴに包まれた後に始まった「Declare Independence」。プリミティヴなリズムに生命力溢れる歌と掛け声。まるで観客の魂が解き放たれたかのようなエネルギーが場内に充満する。それを煽動するかの如くビョークの高く突き抜けるよな歌声。それに応えるように観客達は「ハヤ!ハヤ!」と叫ぶ。そして激しく踊るコーラス隊。混沌さを増すグルーヴ。全てがカオティック!! これぞビョーク!!
いや~、ホント圧巻のステージでした。やはりビョークですよ。ビョークと同時代を生きられるというのは、音楽好きにとって本当に幸せなこと。そう実感させられるような、素晴らしさでした。そんな彼女は今、日本科学未来館にて「Biophilia Tokyo」を開催中です。そして今日、8月6日はその最終日。収容人数約800人という小さな会場で「Biophilia」の世界を体感するというこのコンサート。私も観に行ってまいります。巨大野外フェスであるフジロックとはまるで両極のようなシチュエーションで行なわれるこのライヴ。楽しみでなりません!!