今年は松本清張氏の生誕100年ということで、表題の本もその関連の出版のようだ。読んでみると、昭和の戦前・戦中・戦後の生々しい雰囲気がよくわかる。
対談の部分は、まさにその時代の空気を吸った本人たちの生の声として、歴史を思い出させるように読める。後半の物語も、緻密な調査の報告を読んでいるようで、歴史の裏側と人間の生き様が何重にも絡まったようなもつれた糸を、ひとつひとつほぐすように読めるのが気持ちよい。
池田晶子さんは、小林秀雄氏の言葉「利巧なヤツはたんと反省するがいい。俺は馬鹿だから反省なんぞしやしない」をよく取り上げていた。あるいは「歴史とは自己である」とも。この本はそんな言葉にぴったりの、歴史を思い出すために相応しい本である。
対談の部分は、まさにその時代の空気を吸った本人たちの生の声として、歴史を思い出させるように読める。後半の物語も、緻密な調査の報告を読んでいるようで、歴史の裏側と人間の生き様が何重にも絡まったようなもつれた糸を、ひとつひとつほぐすように読めるのが気持ちよい。
池田晶子さんは、小林秀雄氏の言葉「利巧なヤツはたんと反省するがいい。俺は馬鹿だから反省なんぞしやしない」をよく取り上げていた。あるいは「歴史とは自己である」とも。この本はそんな言葉にぴったりの、歴史を思い出すために相応しい本である。