哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

ミッシャ・マイスキーさん

2005-10-27 23:05:19 | 音楽
 チェロ奏者ミッシャ・マイスキーさんのコンサートに行ってきました。

 バッハの無伴奏チェロ組曲が好きな私は、いろんなチェリストの同曲CDを持っていますし、ミッシャ・マイスキーさんのそれも持ってはいますが、特別気に入っていたわけでもありませんでした。そもそも演奏の良し悪しまでよくわかりませんし。

 ただマイスキーさんへの見方が少し変わったのは、『魂のチェリスト ミッシャ・マイスキー「わが真実」』という本をたまたま読んだからです。マイスキーさんのこれまでの人生を振り返ったものですが、なんと彼はソ連で1年以上も収容所生活を体験しているのですね。歴史的にロシアでもユダヤ人差別がひどかった話は聞いたことがありますが、まさにその被害者だったわけです。

 あまり芸術家然としておらず、気さくな感じのマイスキーさんは、だからこそ誰からも好かれているようで、日本にもファン・クラブがあるようです。今回もアンコールを6曲もやって、なおかつコンサート後のサイン会までこなす働きぶりもちょっと驚きました。
 一方でクラシック・コンサートには珍しく、会場ではCD以外にマイスキー・グッズまで販売しているのは、いわゆるユダヤ商魂のたくましさでしょうか? まあグッズ販売をしているからといって、音楽の価値とは関係ありませんが。

iTunesとiPodナノ

2005-10-12 21:49:51 | 音楽
 ひょんなことからiTunesをダウンロードして使ってみたら、CDダビングの速さは特筆ものでした。しかもインデックスも自動的に作ってくれるのですから、もうMDの出る幕はありません。結局iPodナノも買い、いまや音楽はインターネットから買っています。

 こんなに便利で大容量ということは、そのうち語学学習や朗読も、この携帯デジタルプレーヤーに移行するのは時間の問題ですね。

 最近は雑誌もサイトのPDFファイルでページをめくるように見ることが出来ますし、日常生活はますますパソコン画面の世界に集約されていっています。

 かといっていくら道具が便利になっても、人間は賢くはなりませんけどね。

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト

2005-10-10 21:27:20 | 音楽
 びわ湖ホールで開催された小澤征爾さんの音楽塾プロジェクト「セビリアの理髪師」を見てきました。さすが小澤さんの人気で全席完売です。

 「セビリアの理髪師」は、わかりやすく面白く、ハッピーエンドで終わるので、オペラ初心者にもお薦めの演目かも知れません。こういう喜劇ものを見ると、オペラ歌手は喜劇役者なのかと思ってしまいます。

 今回たまたま最前列の席が取れたので、小澤さんの息遣いというか鼻息というか、そんなところまで聞こえるほどたっぷり楽しませていただきました。しかも指揮者用の譜面台には楽譜がありません。超一流指揮者お得意の暗譜なんですね。凄いです。

 オーケストラや歌手の力量について云々言うことはできる能力は私にはありませんが、指揮者と主役歌手以外は、若手音楽家の育成のための公演ですから、演目を楽しめたことで十分だったと思います。

モーツァルトとバッハ

2005-10-04 21:29:51 | 音楽
 ここのところ一般向けのクラシックが流行っているそうですね。しばらく前にはモーツァルトの音楽に癒し効果があると言われてブームになっていましたが、今でもモーツァルトの音楽を癒し効果のために聴き続けておられる方は多いのでしょうか。

 映画『アマデウス』も面白かったし、モーツァルトの音楽の心地よさもよくわかるのですが、どうしても長調のその「軽薄さ」と、短調のやや「陰鬱」な気分は、ちょっと好きになれません。

 私が最も好きなのは、JSバッハの音楽です。CMやBGMでもよくバッハの音楽が使われているように、普遍的な旋律であり、またその音楽の根源的な響き、荘厳さ、まるで宇宙の旋律のような、何か超越したものまで感じます。

 チェロのパブロ・カザルスは、毎日祈りを捧げるようにバッハを弾いたそうですし、先日のTV「題名のない音楽会」では、あのブーニンが心の支えになった音楽としてバッハのカンタータをピアノで弾いていました。
 バッハの音楽は、宗教を超えて支持される音楽だと思います。