最近、サイエンズ研究所が出版した「次の社会ーー人知革命」という
本がある。
この本の第一章が「人間史を把握する」だった。
サイエンズスクールの内観で長年スタッフをやっている井川さんが
「内観雑感<人間《自分》をよーく観察すると・・・」という感想を
書いていた。
「社会の仕組みとして法律罰則権利義務責任所有など、人を、人の心を
縛るものが蔓延しているように思われる現状の社会の中で、自分の気持ちを
抑えたり意志を曲げたりすることにも慣れてしまい、自分の本心(本来の心)を見失ってしまっているかに思われる。
自分達(人間達)の心も、その奥底のところでは育ってきているとは
言えないか・・それなりに人間として人間らしく育っているという面も
あるのではないか・・」
ここ数年、サイエンズスクールのコースに参加していなくて、内心の
心の状態を心許なく思っていた。すこし、ほっとしたような気持ちが
湧いた。
「人の心は(大方の人においては?)まだ心底までは侵されては
いないように思う」
長年、内観に携わってきた人の言葉として、伝わってくるもの
があった。
「人間史を把握する」と「真の人間性」を知るには、学説や理論から
は出てこないかもしれないね。人を観て、人の観察から生まれたもの」
ここは心に残った。現象の世界にとどまるか、内面の世界の実際に
触れることができるか、分水嶺だと思った。
以前からJT生命誌館のHPにある「中村桂子のちょっと一言」という
コラムのファンだ。
最近のコラムに「生命誌を丁寧に考える」というエッセイがあった。
そこで、桂子さんはこう述懐されていた。
「生きものを通して見える具体的な研究成果を伝えることによって、
それぞれの方が何かを受け止めて下さるだろうと思ってきたのです。
最近その気持が急速に変ってきました。私たちが暮らす社会が、
一人一人にとって生きる意味をもつ場であるには、社会を構成する人の
すべてが真剣に「生きる」ということを考えなければいけないと強く思う
ようになったのです」
エッセイの中に図があります。
桂子さんが「「私のいるところ、そしてこれから」という言葉に気持を
こめて、たくさんのことを考えながら書いた図です」
自然史のなかの生きもの史、生きもの史のなかに人間史・・・
なにかとても広々とした視野が広がっていくようでした。
図の最終は「科学革命」ですが。その前に「精神革命」という項目が
あります。
これって、どんなことをイメージされているか知りたくなりました。
この図を書いた気持ちを少しづつ書いてみたいと、言っていました。
楽しみです。
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