人の気も知らないで

 クリスマスが終わって、年末から新年へ……
 そんな年末にも亡くなる方はいます。
 今日は八十三歳になる叔母のお通夜で、兄の代わりに私が拝みました。五十年程前にこの密蔵院の留守居を八年近くしてくれた叔母です。
 世間がロマンチックであろうが、忙しかろうが、おめでたかろうが、そんなことにはお構いなしに、悲しいことは起こります。切ないことが起こります。

 そんな時、ワガママで自己優先的な人は、浮足立っている周囲の様子に
「私みたいな思いをしている人がいるのも知らないで……」
と世間を恨めしく思ったりします。

 こういう方は、物事を比べ過ぎです。比べても意味はありません。モヤモヤが解消するわけでもありません。

 だれかが悲しんでいる時にも、切ない時にも、子どもが誕生し、愛する者同士の語り合いがある……

 世の中はそういうものです。それでいいし、それ以外に無いでしょう。

 比べずに、悲しみ、そして、喜ぶ。

 東京はすっかり車が少なくなりました。
 年の瀬の雨の夜……。
 いい時間が流れている密蔵院です。
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コメント
 
 
 
心に響きました (あゆみ)
2008-01-01 01:47:27
紅白の最後に「世界でたった一つの花」を聞いていて、「比べない人生」のことを考えていました。
この記事はそれもあって心に響きました。
 
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