自分のことは……

小学三年生の時だ。
実家の寺の境内で遊んでいたら、八十歳近い、それでいてとても元気なおばあちゃんが私に言った。

「このベンチ、日の当たっているあっちへはこんでちょうだい」

私は言ったそうである。

「自分のことは自分でやりなさいっておそわったでしょ!」

そのお婆さんが母に「あの子は将来が楽しみですよ」とわざわざ言いに来たそうである。

そのことを母から言われた私は、褒められたと思ったものだ。
おかげで、今でも「自分のことは自分でやろう」という根性はある。

そして、また、今でも、密蔵院の境内にあるベンチを移動する時、そんなことを思い出すのだ。
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