お手の物

 密蔵院では珍しく、お葬式が連続である。昨日がお葬式で、今日がお通夜だ。

 集う方々から聞くと、なんでも、今年は特にこの時期、亡くなる方が多いとか・・・夏の猛暑の影響なのかもしれません、と「死」をどうにか納得する理由を探している姿が素朴でいいと思う。

 90歳のおばあちゃんと、84歳のおじいちゃん。それぞれ屋号を背負っている家だが、この二人には、私が密蔵院へきた26年前から随分お世話になった。
 名残りはつきぬが、仏さまの弟子になってもらうために、しっかり拝む。

 遊びに来ている義理の父が、「戒名をつけるの、大変そうだね」と私が4冊の辞書(漢和辞典、仏教語辞典、戒名辞典、国語辞典)と首っ引きで思案している様子を見て言った。

 密蔵院では年に10件程度のお葬式だから、年間10人の方に、今までのしがらみを離れた仏教徒としての新しい名前をおつけしていることになる。

 漢字の素養ということもあるだろうが、昔から、お坊さんに「赤ちゃん」の名前をつけてもうことは珍しくない。そりゃそうである。名前つけはお手の物なのだから。
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コメント
 
 
 
じゅげむ (プラケア)
2010-11-10 18:39:26
和尚さんに赤ちゃんの名前をつけてもらう噺はすぐに思いつくのは『じゅげむ』ですね。この噺を聞いてお坊さんって物知りで、みんなに尊敬さ頼られる人なんだって子供ながらに思いました。
昨日は親戚のおばちゃんが99歳、数えで100歳で亡くなり葬儀でした。長男は10年前になくなったので喪主は孫(いい年です)が勤めました。こちらに住んでいないので、その後の付き合いが出来ないと身内・組内だけでした。
よく笑うおばあさんでちょっと口も悪いことも有りましたが好かれてました。あの笑い顔が見れないのは寂しいものです。
致知に二宮金次郎が特集されていましたが、その金次郎が農村の復興にさいして、一番最初に手をつけたのがお寺や神社だったそうです。心の心田を耕す事が大切だからというのが理由だそうです。
校庭で薪を背負って本を読むのしか知らなかったですが、農民で藩主からの願いとは言え命をかけての農民の為の行いはもっと知りたくなりました。
お金のない道徳は世空言、でも、道徳なき経済は・・・・
地域の尊徳になろうとして、昔はお金にはならない名誉職をしたんだなと気がつきました。
現在は、損な役回りはしたくないという『俺が・・・』の世の中
も一度この街の尊徳にと思うように銅像を見てみよう
話しが彼方此方飛んで収集がつきません。
『じゅげむ・・・ぽんぽこなー』っといってるうちに目的を忘れた噺みたいになってしましました。
 
 
 
琴の音色のように… (ごんべいどう)
2010-11-11 08:25:57
ありがとうございます。

和尚さん娘は、宇宙を貫くなんて、そんな立派な人間ではありませんよ~。

食べないと人間生きていけないから が進学の目的なんですよ~。

 
 
 
損得、尊徳、そこんとこ (和尚)
2010-11-11 15:31:09
プラケアさん>「じゅげむ」は、仏教語がたくさん入ってますね。随分しゃれた人の作だと思います。私はひそかに、坊さんの作ではないかと思っているんです。あははは。ワッシも作ってみてぇもんです。
 それにしても、通学途中に本を読むのは交通事故に合う可能性があるからという、ツマラヌ理由で金次郎さんの銅像を撤去させるようなPTAは、今どこへ行って何をしているのでしょうか・・・。

ごんべいどうさん>で、進学は新小岩で決まりですか?そんなら、密蔵院のイベントスタッフとして有力候補です。その旨、お伝えください。
 
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