通行手形

「痛み、苦しみ、通行手形。いざという時ぁフリーパス」は、父晩年の言葉。病気と治療の痛みや苦しみの代償として何があるのだろうと考えつづけた結果到達した境地だろう。今日は近所のお寺のおばあちゃんのお通夜。私は法要責任者だった。規模が大きいだけに、役に当たっている人は気を抜けない。そんな中、一人だけ呑気にしている人がいる。柩の中のおばあちゃんである。お焼香の煙と坊さんたちの読経が、あの世への通行手形に箔をつけた気がした。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« そしてまた、... 和讃でつづる... »


 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。