「不動産金融工学とは何か」 という 刈谷武昭 さんの本を読みました。
(こういう学問があったことは、つい最近知りました。)
日本再生のために 「資源としての不動産を有効に利用する」という立場から、「不動産の価値とは何か。それが何ゆえ価値を持つのか。」について考えた本です。
失われた10年の原因として、不動産を「法律財」としてとらえる「所有の概念」が、「経済財」としてとらえる「利用の概念」へと進化しなかった ことを指摘しています。
そして、その根本原因は、もともと日本的資本主義システムでは、資本の効率的利用を追求することが動機づけられていないこと (形式的に「資本主義」を作りながら、自分達の気持ちはその中にいようとしない問題) だと述べています。
(いわゆる 護送船団方式の金融制度や、従業員代表の経営者による「所有」への呪縛など、です。)
著者によれば、
「経営」 とは、リスクの中から収益性を追求していくことであり、
「企業価値」 とは、事業から発生する将来のネットキャッシュフロー(純利益)の現在価値であり、
必要なのは、過去の成功体験にとらわれることなく、進化を先取りしていくこと だそうです。(信越化学工業やイトーヨーカドーの例がでていました。)
自分の仕事において、この学問をどういうふうに取り入れていくべきなのか・・・、とても難しく感じてしまいます・・・。
(日本的な精神構造のリストラクチャリングができていないからなのかもしれません・・・。)
しかし、この本を読んだことで、少なくとも・・・、
土地が余っているだけでは、ほとんど「価値」はない ということは分かりました(がっくり・・・)。
その土地の上に、どういうビジネスモデルがあるのかということが重要であって、もしそれがなければ、新しい価値をどのように作っていくかが勝負らしいです(それが難しいんです・・・)。
先日、新しいビジネスモデルの話をしていたときに、「サマンサ・タバサ」というバックで有名な会社のことが出ました。
(この会社は、地方には出店しないそうです。)
私が、「それ、知ってるー、えびちゃん とかっていう人がたくさん持っているバックだよね。」 と言ったら・・・、
「えびちゃん とかっていう人」 という発言をしただけで、アウト・・・と言われました。
知らなかった・・・。
(写真のバックの方が、私は絶対かわいいと思うんですけど。)