水戸梅日記

水戸・いばらき

世にも美しい数学入門

2006-04-04 | 読んだ本

 「世にも美しい数学入門」 (ちくまプリマー新書)という本は、

 「博士の愛した数式」 という小説を書いた 小川洋子さん と,数学者であり 「国家の品格」の著者である 藤原正彦さん の対談です。

 「数学」 って、面白い・・・と思える本です。

 (自分で勉強しようという気持ちまでは、起こらないんですけど。)

 

 「数学」 というのは、無機質で感情のないものを、冷徹な心を持った人が論理的にやっている学問 と思われがちなのだそうですが・・・、全くそうではないそうです。

 むしろ、ストーカーになるくらいの 執念深さ を持った人間じゃないとできない。

 世の中の役に立たないようなことを、寝ても醒めても考えることができる資質がないとできない学問だそうです。

 その数学者にとって、一番必要なのは 「美意識」 。

 (美意識の高い日本は 「数学」 のレベルが高いそうです。)

  小川さんが、藤原さんを 取材して、その時に感じたインスピレーションから生まれたのが、「博士の愛した数式」 という小説です。

 (上の対談は、小説を書いた後に行われました。)

 この小説には、数字にまつわるせつないエピソードが数多くちりばめられていて、ひとつひとつが、じわっときます・・・。 

 そのうちのひとつが、「友愛数」。

 「220」 と 「284」 という 2つの数字です。

 (小説では、博士 と 家政婦さん の関係を表しています。)

 自分自身を除く約数の和が、相手の数と等しくなる自然数の組。

 「220」 の約数は、1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110,(220)

 「284」 の約数は、1,2,4,71,142,(284)

 それぞれの約数を足すと、「220」が、284になり、「284」が、220になるのだそう。

 これを「友愛数」という言葉で表すのが、これまた素敵ですよね。

 無数にある「2つの数の組み合わせ」に意味が見いだされた時というのは、運命の人に出会えたと感じた時と同じではないかと思いました・・・。

コメント (8)
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