風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

やはり野に置け・・・

2010-11-19 02:09:55 | 時事放談
 学生時代の仙谷官房長官が全共闘の闘士だったのは有名な話ですが、どちらかと言うとその端の方にいて、安田講堂での攻防の際にも、立て篭もって機動隊に逮捕されたわけではなく、逮捕された人のために弁護士を手配したり弁当の差し入れをしたりする救援活動をする側にいて、今と同様、“陰”に潜んでいるのがお得意だったようだと報じられていました(「週刊新潮」10月28日号)。また、仙谷氏は、官房長官就任にあたって、20年連れ添った政策秘書をクビにしたそうですが、その理由は、その秘書が左翼だったから、左翼の発想では権力の維持は出来ないから、と断じたそうです(「WiLL」12月号、屋山太郎氏)。どうやら秘書は変えて、表面を取り繕うことは出来ても、彼の思想・信条まで変えることは出来なかったようです。みんなの党の渡辺喜美代表から「昔の左翼時代のDNAが図らずも明らかになった」と指摘されたように、今日の参院予算委員会で、自衛隊のことを「暴力装置」と表現し、その後、自民党・世耕氏から抗議を受けて、「実力組織」と言い換え、「不適当だった」と、「自衛隊の皆さまに謝罪」しました。
 思想・信条はもちろん自由で、共産党・穀田国対委員長は「いわば学術用語として、そういうこと(暴力装置との表現)は当然あったんでしょう」などと理解を示したそうですが、私人はもとより野党で革新を気取るのなら結構ですが、自衛隊の最高責任者である総理大臣を補佐する立場にある官房長官の見識としては不適当と言うべきであり、少なくともそれを公言してメディアに乗せて自衛隊の方の耳に届けてしまうのは、あるまじきことです。
 海上自衛隊や海上保安庁の武器使用には厳しい制限があり、一連の法改正の中で、所謂船体射撃は出来るようになりましたが、正当防衛または緊急避難の要件を満たさない限り人に危害を与えてはならないという制約が課せられているそうです。また警察の方からは、スパイ防止法がないため、スパイと分かってもそのままでは逮捕できず、別の例えば不法入国のような軽い罪状で逮捕して出国させるのが関の山で、悩みが深いという声を聞きます。身体を張って国民を守ってくれている自衛隊や警察組織の前線では、手足を縛られて高いリスクを負わせておきながら、平和ボケした我々国民がのほほんとしているのはまだしも、上司筋から「暴力装置」呼ばわりされるようでは浮かばれません。
 タイトルは、ご存知、播磨の俳人・滝野瓢水が詠んだ歌「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」の一節で、蓮華草は野にあるからこそ美しい、家の中に飾っても庭の花壇に植えても不似合いで本来の美しさは生かされない、転じて適材適所が良いと言うことの喩えとして使われますが、先日の柳田法相の失言と言い、どうも民主党政権の閣僚や官房長官を見ていると、まだ与党慣れしていないのか、自覚が足りなくて、野(の)に置いておいた方が良いと思わせられます。それが野(や)つまり野党または下野した方が良いとまでは言いませんが・・・
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