風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

欧州紀行(下)ブダペスト

2012-07-27 00:02:17 | 永遠の旅人
 欧州紀行は、イスタンブールから更にハンガリーの首都ブダペストに場所を移します。
 トルコから時差一時間分、西欧寄りの緩衝地帯とも言うべき、私にとっては初めての東欧です。欧州で最も美しい街の一つと言われながら、戦災等で、修復を重ねた不運な街。私たち日本人にはなかなか馴染みがありませんが、そこはかとなく遠い異国情緒を感じさせる街。
 Wikipediaによると、こんな具合いです。ハンガリーでは、かれこれ1000年前に王国が成立しました。300年の後に断絶し、選挙王制によって王位が継承されたのち、1526年にオスマン帝国の攻撃によって領土を失い、ほぼ時を同じくしてハプスブルク君主国の一部となりました。明治維新の頃、オーストリア=ハンガリー帝国の一翼を担う王国に位置づけられますが、1919年に再び崩壊し、1920年に新たな独立国として王国が成立した後、再び1946年に廃止されてしまいました。
 王宮は、1241年にモンゴル軍の攻撃で破壊されました。後に石造で再建され、更に14世紀にはゴシック様式の王宮に改造されましたが、17世紀にオスマン帝国軍の攻撃で破壊されました。18世紀にかけてハプスブルク家の支配下で再建され、バロック様式への改造が行われた後、19世紀半ばに発生した火災とその後の両大戦で大規模な被害を受けました。それでも修復を重ね、ついに1987年、「ブダペスト、ドナウ河岸とブダ城」として世界文化遺産に登録されました。現在は、ハンガリー国立美術館、プダペスト歴史博物館、軍事歴史博物館などが置かれてるそうです。
 先週金曜日の夕方、仕事を終えて夏時間でまだ明るい内に、市街に足を運び、そんな歴史の波に晒された王宮や、108年前に完成したゴシック・リヴァイヴァル建築の国会議事堂の界隈を散策しました。どんよりと濁って決して綺麗とは言えないドナウ川に沿って、趣のある街並みが続き、確かに美しい街であることを実感するとともに、東京は関東大震災や大東亜戦争で焼き尽くされて、街の歴史を失い、個性のない街になってしまっていることを残念に思いました。
 上の写真は、日本人がその名前から受ける印象とは程遠い、どんよりとしたドナウ川に、1873年にブダとペシュトの二つの町が合併して出来た“ブダペスト”の町の象徴として、かつての二つの町を繋ぐ鎖橋と、その先に実に荘厳な佇まいを見せる国会議事堂です。
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