ブルーシャムロック

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小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

面馬家の野望/4

2008-12-08 21:28:19 | 逆襲の藤隆


「そろそろ来る。」
面馬家の当主面馬遷は、時計を見た。
屋敷の外をみたら、車が一台止まった。
「来たか。日本列島からの客人だな。」
遷はにやりと笑った。
「日本列島からの客人だなんて誰なんですか。」
炎は聞いた。
「知らないのか。日本列島にある長崎市に本社のある外食Chainのceoだよ。
日本における面馬家のリーダー的存在だ。」
「はぁ。」
炎は気の抜けたサイダーのような声を出した。
そのときドアが開いた。
「遷様、面馬仲達まかりこしました・・。」
白髪は目立つが細面のNiceMiddleといった感じだろうか。
「ちゅうた・・。いや日本では面馬仙三郎という名前で通っているかな。」
と、客人に告げた。
「そうですね。仲達というのは和歌や漢詩をやるときの号みたいなものでしょうかな。」
と淡淡と告げた。
「ところで、仲達。」
遷は仙三郎をみた。
「先日日本列島にある秋田市での事件をどう思うかね。」
仙三郎は一瞬考えて、
「あれですね。出木杉英才殺人事件ですね。アジアの闇を司る出木杉一族の巨星が
落ちた・・・。私も好都合かと思いましたよ。秋田市は私の外食Chainも
展開していますからね。」
面馬一族の長である遷におかしな事をしゃべらされていると仙三郎は思いながら
「あの英才とか言う男、私らの店はよく利用していて、学生たちのゼミには
よく使っていました。ceoである私も褒めて貰ったのですが。しかし、
謙虚そうで、自らを過信しているきらいがありまして・・・。」
と表情を変えずに答えた。
「あの男、出木杉一族のなんたるかを忘れていたか・・・。おそらくだから、
殺されることを考えても居なかったというわけか。」
遷は状況がそこにあるかのように答える。
「私もビジネスの戦場にいる物。無能な息子よりも有能な部下にと考えている人間ですが、
部下も息子も何時牙を剥いてくるか分かりません。それを考えることがしばしばですが、
この出木杉の男慈愛でなにもかも解決すると考えていたのでしょう。
まさか、犯人の男に殺されるとは思っても居ないと思っていたのでしょうな。
もっともマスコミの報道から私の予測ですが・・・。」
仙三郎は遷の考えを彼なりに解釈をした。
「出木杉を殺した男、おそらくそれだけで終わるな。出木杉打倒のみ考えていたからな。」
つづく
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面馬家の野望/3

2008-12-08 21:27:26 | 逆襲の藤隆
「そういえばさぁ。出木杉英才博士ってどんな事を研究していたんだっけ?」
先日の刑事は部下に聞く。
「確かexam systemとかいう研究をしていたという事です。彼自身是が人類の為になるとか
言い張っていたとか・・。」
先日の刑事、識別のためクィベック警視とでも呼ぼうかは、一瞬考えた
「俺も考えるんだけれども、あいつ自らを神だと考え過ぎたんだよ。
それをだ、彼のもっとも批判者にて敵対者は全てを捨て、あいつを殺した。」
と述べた。
「そんな・・。」
部下、識別名デルタ刑事部長は彼の突拍子のない考えに呆れた。
「出木杉を殺した男は、本来ならば、出木杉の嫁さんと結婚することが
有る程度決まっていたようだが、しかし、ある時期其れを諦めた。」
クィベック警視はなおも続けた。
「そんなことって分かるんですか?」
デルタ部長刑事は呆れた顔をした。
「俺には見える。そして、その男はやってはいけないことをした。」
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面馬家の野望_2

2008-12-05 21:27:32 | 逆襲の藤隆
「死んだか。」
初老の男が声を上げた。
此処は台湾・福建聯合にある福州市の高台にある屋敷である。
「遷様、アジアの闇を司る出木杉一族のHopeであった英才が亡くなったという事は
我々にはやりやすくなったと言うことでしょうな。」
と、30代初頭ぐらいの男が言った。
「炎、台湾の総統に就任した喝はどういってきたのかな。」
と、遷は聞いた。
「支援有り難う御座います。とだけです。しかし、面馬家当主として、
一族の人間をアジア各国の政界に送り込まなくてもいいのですか?」
と炎という男は聞いた。
「我々は高望みはしない。面馬一族を曲がりなりにも一国の国家元首に据えたのだから。」
と、遷はたしなめた。
「シンガポールのジュリアーノ・メンマがシンガポールに面馬一族を議員に据えないかと
言ってきましたが・・・。」
炎は遷にたたみ込んだ。
「シンガポールはいい。台湾一国があれば、世界を牛耳れる。かといって我々には中國大陸は
大きすぎる。かといって東南アジアを操るのも面倒くさい。しかし、ライバルの
出木杉一族が弱体ならば、チャンスかもな。」
遷は言った。

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面馬家の野望_1

2008-12-05 21:26:19 | 逆襲の藤隆
「こりゃぁひでぇや。」
東北連邦警察の刑事が一声挙げた。
30代半ばぐらいだろうか。
此処は東北聯邦の秋田市にあるポートタワーという観光名所である。
「ガイシャは日本語圏で走られた著名科学者出木杉英才博士。
死因は絞殺と見られています。」
部下は完結に述べた。
「そういえば、この仏さんだけれども、数年前に奥さんを殺されて居るんだっけか?」
捜査の一切を任された刑事は部下に聞いた。
「そうですね。同じく絞殺でした。」
刑事は一瞬考えて
「全く浮かばれないな。犯人は俺の予測では・・・。」
と、言った。
メモを取っていた部下は。
「おそらく、怨恨ではないでしょうか。彼の考えている研究には無理がありましたから。」
と述べた。
刑事は少し睨んでから
「ばか、俺は犯人は誰かわかるんだよ。」
部下は
「誰ですか。確かに刑事さんは名推理で難事件を解決してきたのは分かりますが・・。」
と答えた。
「まぁな。ここで言っちまったら上層部が大騒ぎになるからな・・・。」
つづく

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純情の秋田市に捧げる牡丹_15

2008-12-04 20:13:04 | 信・どんど晴れ

佳奈たちが秋田市を去る日がやってきた。
「もう、帰る日か・・・。」
秋田を楽しんだ久留美が名残惜しそうな顔をした。
「まぁ。何日か出れば春休みだしな」
佳奈が毒づいた。
「所で、彰ちゃんのことだけれども、先に返ってしまったけれども・・・。」
淡雪が佳奈に聞いた。
「彼女とは関東で会えるからね。だから秋田では是でいい。でも、あの先生が
原因でお前さんと彰の香具師が不和になったというのは・・・。」
淡雪は言葉に詰まっているようだった。
「佳奈ちゃん、もういいでしょ。淡雪がますます混乱するから。」
久留美が止めに入った。
「すまぬ・・・。」
佳奈は淡雪の方向を見ながら、バッグに帰りの荷物を詰めていた。
「先生のことは初恋だった。高校に入学してから初めての担任が先日の先生だった。中学まで
私のことを何かとかばってくれた彰ちゃんは、私を取られるのが怖かったのかもしれない。
私は其れを組んでやれなかった。だから・・・。」
涙目になっていた淡雪は、佳奈の肩を持った。
「ああ、関東であいつを見てやるよ・・・。」
佳奈は確信を満ちた顔をした。
 関東に向かう電車の中・・。
車両が福島県から栃木県の県境を通過するぐらいの時、佳奈の携帯にメールが来た。
「彰です、今関東に向かう電車の中だと思ってmailを書きました。今立川の
下宿です。神奈川の佳奈ちゃんたちが住んでいる下宿に言ってみたいと思いました。
たしか、横浜駅から赤い電車だったよね・・・。」
そんな内容だった。佳奈はふっとした顔をしながら携帯を閉じた。
「あいつ、私らの下宿に来るな・・・。」
聞こえるような聞こえないような声で独り言を言う佳奈を
「えっ。」
という顔で淡雪と久留美はみた。
おわり
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純情の秋田市に捧げる牡丹_14

2008-12-03 18:19:25 | 信・どんど晴れ

翌日の夜、佳奈たちは淡雪につれられて車で15分ぐらいの高台にある団地に向かっていた。
「団地に誰が居るんだよ。」
出発する前、佳奈は淡雪に聞いていた。
「高校時代の恩師よ。」
淡雪はそういって久留美と会話に戻っていた。
助手席に久留美がのっていて、佳奈は後ろの席に座らされた。
団地の駐車場に車を止める。
団地の表示名は"3-a"と表示されている。
「此処の何階なんだ?」
佳奈は淡雪に面倒くさそうに質問する。
「4階よ。エレベーターがないのよ。」
様式的に1960/70年代頃に作られた感じがする。
壁も頗割れ、汚れも目立つように思う。
「仕方がないな。」
佳奈は苦笑する。
「少し疲れるね。」
久留美も言う。
コンクリート製の階段を上がり、大体数十メートル進んだとき、
先頭にある淡雪の足が止まった。
444と書かれている。
表札には、「陣内」と書かれている。
インターホンを押す、淡雪
「ゴメンクダサーイ!! 横手です。」
はーいという声がしてドアが開いたときに出てきたのは女性だった。
「横手さん?主人は二女たちとテレビを見ているわ。長女は淡雪が来るから
バイオリンを披露したいと言っていたわ。」
とツーテールの女性は答えた。
「ごめんください。」
淡雪の次に入ってきた久留美と佳奈が挨拶をする。
「あれ、横手さん、大学のお友達?」
女性は答えた。
「はい。学校の友達ではないんですけれども・・。」
そういってリビングまで移動する。
「あけましておめでとうございます。」
テレビを見ていた、男に淡雪は挨拶をした。
「あ、横手さんあけましておめでとうございます。で帰ってきたんだ。」
男はめんどくさそうに答えた。
「紹介します。私の高校時代の恩師である陣内健三郎先生。」
「初めまして。私は淡雪のRoommateの松本佳奈です。」
「同じく淡雪のRoommateの高槻久留美です。」
恩師の陣内先生は些かムサイ感じがする。眼鏡を掛けたもさいかんじの先生。
しかし、瞳にやさしさがともっている。奥さんが美形なので、なんとも不釣合だ。
彼が注目したのはやはり、佳奈の方だった。久留美はあまり自分たちと変わらない
と感じたのかもしれない。
「松本さんは、出身は沖縄の方?」
先生は率直に聞いてみた。
「沖繩じゃないんですけれども、その近くの加計呂麻島なんです。」
考えて・・。
「僕理系の教師なんだけれども、学生時代からの友人が生物の教師で琉球群島に
足を運んで、その自慢話ばかり聞くんで、なんとなく分かる。たしか奄美大島の隣の
細長い島じゃないかな・・・。」
と答えた。
「そんなに答えるのは先生が初めてです。関東に上京して自分の島のこと知らない人が
多いんで・・・。」
秋田に自分の島のことを知っている人がいたのが佳奈は純粋に嬉しかった。
「なんだか、佳奈ちゃん嬉しそうだよね。加計呂麻島しっているひとがいたんで。」
久留美が淡雪に耳打をした。
「うん。上京してから佳奈ちゃんさびしいんだよ・・・。今度ある人を私たちが住んでいる家に
招こうかな。」
淡雪はたくらんでいるようである。
戸棚が空き、素っ頓狂な声が聞こえた。
「あけましておめでとうなのー。」
だいたい6~7歳の女の子だろうか。丸い顔のロールがかった髪をしている。
「長女です。」
先生は答えた。
「淡雪が帰ってきたからバイオリンを披露するの・・・。」
彼女が弾いた曲は「安里屋ゆんた」とthe boomの「島唄」だった。
「沖繩の人が来るんで凄く練習したのよ。彼女絶対音感がいいんでバイオリン習わせたら
凄くよくてね。今度仙台の大会に出るのよ・・。」
と我が子の曲に耳を傾けていた。佳奈は苦笑していた。彼女が後に語った言葉は
「奄美の唄は知らないんだな。」である。
しばらく色々な曲が続いたが、次の曲を聴いた久留美は
「たしか是、Bruce Springsteenの"thunder road"じゃなくって?」
といった。
「確かそうかも。いつもお前さんがcdでかけているからなんとも覚えちまったよ。」
と佳奈も補足する。
「そうなの。私は先生の影響でBruce Springsteenのファンになったのよ。」
と淡雪はニコニコしながら答えた。
基本的に洋楽は殆ど聴かずj-pop専門の佳奈にとっては、そういう話は雲の上の話題であった。
難しそうな顔をしていた、佳奈に電話がかかってきた。glayの曲だった。
「もしもし、松本です。あ、彰か。そうか。テニス部の集りか・・・。先生のことか。
たしかに、もさい人だ。そんなのに、心奪われた淡雪が許さない?!なるほどー。
えっ。明日関東に帰るのか?私らはあと二日秋田にいるがな・・。」
通話が終わった後、佳奈は難しい顔になった。
「こういう経緯があって、淡雪と彰は・・・。」


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