ブルーシャムロック

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生きている男女へのヴィリャネスカ_3

2008-12-27 20:59:38 | 逆襲の藤隆
私の家の中に入っていくと、弟がテレビを見ていた。
「先日亡くなった、日本語圏で活躍した俳優、勝呂健一郎さんの死を悼んで
台湾や香港といった繁體中文圏のテリトリーのマスコミでも大きく
伝えられています。」
と、でかい音が聞こえてきた。
「勝呂健一郎、最後まで変な人だったね。」
テレビはなおもReportを伝える。
「彼の晩年バラエティで共演していた三浦アメリア氏は"馬鹿野郎と言いたい"
といって居ました。勝呂氏は仙台市出身でもともと関東に上京、六本木のホストクラブで
働いているところをスカウトされて俳優デビューした人間だそうです。」
弟はしらけた目で、その顛末を見ていた。
「でもさぁ、勝呂さんの死を悼んでいる繁體中文圏では日本の芸能・著名人の
存在が大きいんだろ、その繁體中文圏の俳優や歌手にアジアのスーパースターと
いう説明をするのは、少しおかしい気がするよ。」
としらけた目は燥いた笑があった。
知世さんは
「まぁ、そんなのアジテーションよ。ああいう繁體中文圏の歌手や俳優を
紹介するするとき、たいてい日本語圏はハブにされているのよ。
で、日本語圏の馬鹿マスコミは日本がハブにされているのを変にあおるし・・・。」
しれっとした顔をしていた。
モニターの中のゲストコメンテーターは
「福岡市内の自宅マンションで見つかったとき、死後一週間ぐらい経っていたとか・・・。」
といっていた。
テレビの司会者は急に明るい顔をして
「本国韓国ではスキャンダラスな歌詞で物議を醸したガールズグループ
"doll house"が日本語圏の歌手の祭典として知られる
札幌音楽祭でaチームで出場するようです・・。」
その話題と共に"doll house"の音楽が流れた・・・。
物議を醸した音楽ではなくて、弟が見ていたロボット物の主題歌だった。
「このように、日本語圏の人気アニメ・ドラマ・ゲームの主題歌をうたって
日本語圏の人間にも知られた存在です。」
ナレーションの言葉に私は
「韓國の人の方が日本語圏でうまく立ち回っているわね。繁體中文圏の歌手が
大きなマーケットである日本で売れないのは、繁體中文圏の人たちに
何か問題があるのだろうか・・・。」
そう剣呑な顔をした。
知世さんは
「数年前までそうだったかも。」
と、答えた。
コメント
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