ブルーシャムロック

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とーほぐでーじ

2015-05-22 18:54:47 | 信・どんど晴れ
「佳奈ちゃんだっけ?毎回毎回小禄(仮名)ねぇねえと連れ立ってくるよね。」
ここは鶴見である。小禄の関東の親戚が住んでいる街である。
「うん。本当は自分が捨てた自分の生まれたシマが甦ってくるからね。」
私、松本佳奈が話しているのは、是の女店主の孫娘である。今度の春には
高校三年生になるらしい。
「佳奈ちゃんの出身地って加計呂麻島のxxという集落なんだよね。
確か、私が贔屓にしている関西出身の
お笑い芸人だか歌手のお母さんが、加計呂麻の
集落出身だときいた・・。」
女の子はいう。
「あの人のお母さんの集落は?!じゃないかな。私の出身地からは車じゃないと行けないな
。」
私は、つがれた泡盛に口をつけた。
「そーなんだ。でもお笑い芸人だか歌手の話を聞いていると、奄美の人は関西にやたらい
かない。
關東に、もしかしたら、親戚のひとはいないとか。」
女の子は、吃驚したような表情で言う。
「うん。私が親戚の中で始めて関東に出てきた。やはり吃驚したのは、多くの人が言うよ
うに
東北の人が沢山いると思ったけれども、沖縄と鹿児島の本土の人が多いことだ。」
と、なにやら舌を噛みそうな沖縄料理に箸をつける。
「東北の人は上野駅の周りに沢山いるよ。上野駅の周りの下町は人情があるなんて嘘なん
だよね。
特定の地域の人に振り回されて、その人たちの砦になっている。」
女の子も我がルームメイト、横手淡雪と同じ見解のようだ。
「そうだな。貴殿の先祖も、鶴見に居を構えないよ。私のルームメイトにて小禄ねぇねぇ

classmateでもある秋田出身の女性も同じ事を言っていた。」
私は料理を咀嚼し、ふと考えて
女の子に回答し、
「でね、進学して間もない頃、私は下町に憧れていた。そこに行って現実を見た。
昔の繁華街で鳴らした頃の浅草じゃない空気があるって。」
とつづけた。
「でしょー。沖縄や西日本の人間なんて彼らからしたら、守るべきものじゃない。
だから、繁華街の地位を原宿や渋谷に奪われたのかもしれない。」
女の子は感情的になっていた。
「?!xx(女の子の名前)少し脱線しているさぁ。もし、奄美の人が關東に出てくることが
多かったら、下町に対する誤解も無くなるかもね。」
横で聞いていた小禄が横は入りするように答えた。
「ああ。私も會社の面接全滅だったからな。」
私もぼんやりと店の上にある蛍光灯をみていた。
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