ブルーシャムロック

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あじさいの見える丘に_2

2009-06-07 19:02:22 | 逆襲の藤隆
「男の子みたいでいいのよ。」
先生はきっぱりといった。
「このお姫様は男装することが多い男装の麗人でね。文武両道にすぐれた
人だと國の内外に思われているのよ。」
と、先生は言葉を続けた。
「お姫様は、なんだかその跡、女性っぽさに目覺めるのでは?」
と、私は続けた。
先生は笑ながら頷いた。
「そりゃ面白くなりそうです。」
私は相づちの意味で、おだてるように答えた。
先生は城の背景を書く作業に入っていた。
男の子のように、ショートカットのお姫様はピンク色のドレスを着ている
ようである。お姫様は恍惚の顏をしている。
「お姫様の顏がうっとりしているのが解る。」
先生は
「でしょーっ。」
と私の方をずらした眼鏡越しに見た。
「王子様ってどんな感じなんでしょうかね。」
私もほとんど興味本位だった。
「王子様はまだ決めていないのよ。」
先生はそう答えた。
「こういう王子様だから、かっこいい人なんでしょうね。」
私がそう答えたとき、先生は眼鏡の縁からふふんとした顏をしていた。
つづく
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