【折々の花だより】

”季節の花だより”
花たちとの出会いを楽しんでます

九月花形歌舞伎

2015-10-05 | デジカメ紀行
松竹創業百二十周年 九月花形歌舞伎。
新作歌舞伎 「あらしのよるに」へ。

三月花形歌舞伎も観に行きましたが、「童話が歌舞伎に!」ということで
9月19日、興味深々、出かけてきました。



「あらしのよるに」といえば、きむらゆういちさん原作の童話。
「あらしのよるに」は、ゲーム、アニメ映画(がぶの声を中村獅童さん)などにもなりました。
きむらゆういちさんは『あらしのよるに』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞、JR賞受賞。同舞台脚本で斎田喬戯曲賞受賞。
映画は、「日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞」を受賞。
他に『あかちゃんのあそびえほん』シリーズ、『オオカミのおうさま』(偕成社)、『あらしのよるに』シリーズ等があります。

今回、新作歌舞伎 「あらしのよるに」として京都南座で上演されました。



オオカミのがぶを中村獅童さん(萬屋)、ヤギのめいを尾上松也さん(音羽屋)。
衣装は、ひびのこづえさんのデザイン。
オオカミは、あべ弘士さんのイラストに似た隈取(歌舞伎の化粧で正義や勇気を表す赤い隈取)をし、耳や爪もあります。
ヤギは鼻の下に紅を入れ、角のように髪形を工夫(大国主命の髪形のよう)、手の形はヤギの蹄(ひづめ)をイメージ。

がぶは言葉尻に「・・・でやんす。」と。
関西弁をしゃべるオオカミもいます。

あらすじ
ある嵐の夜、真っ暗闇の山小屋で偶然出会ったオオカミのがぶとヤギのめい。二匹は、お互いの素性を知らぬまま夜通し語り合い、友達となる。再会を約束した二匹の合言葉が「あらしのよるに」。
再会し、驚く二匹だったが、それぞれ仲間たちに内緒で友情を育んでいく。だが、ついにはそれぞれの仲間たちに知られてしまい、猛反対にあう。
追い詰められた二匹は・・・。

観客席


がぶがめいを草原に案内する場面では、二人で客席(花畑にみたててある)へ下りて行き(ちょうど私の座席からは見えず想像で。話し言葉も違うかもしれませんが・・・)

めい「なんだか、道が細くて・・・。迷惑じゃありませんか?」(客席の何列目かの間を通り抜けて花道へ進んでるよう)
がぶ「こっちの方が近道だから」
めい「ここはちょっと広い」(お客さんが、二人が通りやすいように足を引かれたんでしょうね)
がぶ「いい花たちばかり」
めい「ちょっと疲れました」(女性客の膝の上に座る)
がぶ「女の人が好きなんだね」と。

休憩中に


あかり




「みえ」をするとき(決め姿の瞬間)、重要人物が登場する足音、物が落ちたときなどのアクセントとなる音が「ツケ」。
上手(かみて)の端でこの音を出す人を「ツケ打ち」といい、俳優と呼吸を合わせてタイミングよく打ちます。
すかさず「よろずや!」「おとわや!」と声がかかります。

かと思えば、拍手が途中から手拍子になり、がぶが唄方さんに踊らされます。唄方さんに文句を言うと、反対に「あかんべー」をされたり。
上演中に何度も客席から笑い声が起こります。

義太夫、長唄・・・、気が付けば「メリーさんの羊」が三味線でならされていたり、遊びもあります。
なぜ羊?。

オオカミ達とヤギ達の戦いでは、力でかなわないヤギ達ですが、博識の「ハク」(原作には出てこない)の発明品の大砲で応戦です。
たぶん、その大砲と言うのは米村でんじろうさんの「空気砲」。
長方形の段ボール箱をガムテープでめばりして、一面だけに丸い穴を開ける。両サイドを叩くと丸い穴から空気の塊が飛び出るというもの。
ここ花道に三台の大砲が並び、舞台上のオオカミめがけ打ち放されました。

花道

舞台の下手(しもて)にあります。舞台と同じ高さで客席の中を通り、
舞台と花道のつき当たりにある鳥屋(とや)を結んでいます。
客席の一番前の通路は、
左右へ、花道の下をくぐれるようになっています。


争いを避け二人で逃げたのですが、吹雪きで離ればなれになり再会したガブとメイ。
ガブは「ヤギの友達なんて、いない。」とメイに言います。
「こんな事になるなら、あのあらしのよるに、出会わなければよかった」とメイ。
この言葉でガブは、記憶を取り戻し、以前のように友達に。

前を歩くめいの姿に、「友逹なのにおいしそう」の、がぶの言葉。

拍手の中、カーテンコールで、がぶとめいが、鳥屋から花道を手をつないで舞台へ。
めいは前脚の蹄を振って挨拶、途中からめいが幕引きのお手伝い。

童話「あらしのよるに」は
 あらしのよるに
 あるはれたひに
 くものきれまに
 きりのなかで
 どしゃぶりのひに
 ふぶきのあした
 まんげつのよるに
と、7シリーズあり、歌舞伎になればどんなふうになるんだろうかと・・・。
とりあえず本を読んでみようかな?。

歌舞伎総合サイト、歌舞伎美人(かぶきびと)
ウィキペディア
を参考にしました。
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