【折々の花だより】

”季節の花だより”
花たちとの出会いを楽しんでます

祇園祭、鉾建て

2014-07-30 | デジカメ紀行
京都では、祇園祭が終わると夏が来ると言われています。

祇園祭は八坂神社の祭礼で、大阪の天神祭・東京の神田祭とともに、日本三大祭のひとつに挙げられており、その歴史の長いこと、またその豪華さ、祭事が1ヶ月にわたる大規模なものであることで広く知られています。
祭のハイライトは17日と24日に行われる33基の山鉾巡行。山鉾行事は、昭和54年、文化財保護法により、国の重要無形民俗文化財に指定され、平成21年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されています。

今からおよそ1100年前の清和天皇の貞観11年(869)に、京洛に疫病が流行し、庶民の間に病人、死人が多数出ました。 これは、牛頭天王「ごずてんのう」(素盞鳴命「すさのおのみこと」ともいわれている。)のたたりであるとし、そのご機嫌をとるため神をまつり、祇園社(八坂神社の前身、祭神は素盞鳴命)を信仰し、病魔退散を祈願しました。 その方法は、日本全国の国の数に準じて 66本の鉾をつくらせ、それを神泉苑(中京区御池通大宮)におくり、悪疫を封じ込む御霊会を行なったのがはじまりであると伝えられています。

7月10日行われた「鉾建て」の様子です。(写真は主人が撮ってきました。)

山鉾建て
各鉾町で山鉾が収蔵庫から出されて組立てられます。  (説明は、「京都市観光チャンネル」「わかさ生活と京都」を参考にしました)
鉾の組み立ては、伝統の「縄絡み」という釘を使わない手法で行われ、木と縄だけで形をつくっていきます。古くから伝わる祇園祭ならではの技法です。どの部分を固定するかも細かく決められており、外側から内側から交互に通すなど、縄や木を木槌でたたきながら慎重に行っていきます。編まれた縄の上からさらにバネのように絡めながら横方向に編むことで、ほどけないように固く結ばれ、衝撃を吸収するクッションのような作用をする工夫になっています。
四本柱に貫や筋違で胴組を組み立てます。重 量12トン。高さは、地上から鉾頭まで約25メートル。地上から屋根まで 約8メートル。

菊水鉾は「四条室町上る(この言い方は京都人にしか通じないようですが・・・)」に建てられます。

目じるし

柱を立てる際の目印として四箇所に礎石が埋め込まれています。

図面

古くから伝わっている感じがします。
この図面を参考に組み立てられていきます。

胴組、縄がらみ1


胴組、縄がらみ2


胴組、縄がらみ3


道路上に4本の柱を立て、それぞれの柱に貫、桁を差し込んでいきます。柱にはホゾがあけられ鉄の板で補強され、筋交いを入れ、強度を持たせます。
縄の結び方や縄目には独特の呼び名があり、「雄蝶(おちょう)」「雌蝶(めちょう)」などの名前がつけられています。

真木(しんぎ)


真木の長さは鉾によって異なり、およそ20メートルから25メートルあります。一旦鉾を横に倒して取り付けられます。
横に寝かされた状態で真木には「榊」、「鉾頭(ほこがしら)」等が付けられます。

鉾頭

菊水鉾の鉾頭は「菊」です。

天王

菊水鉾の天王座は彭祖(ほうそ)。



天王座の上の方には菊の紋が入った小屋根がついています。

飾り


その他、真木には榊、鉾額、赤熊(しゃぐま。鉾により、形も数も違うようです。)と言われる縄飾りもみえます。
長刀鉾につけられている「しゃぐま」が祭礼が終わると、冷泉家(藤原道長の子、藤原長家の子孫の公家)に届けられ、魔よけとして飾られるそうです。

鉾額




榊に紙垂(しで)を付けるんですが、一般の方も紙垂を結ぶことができます。
待ちかまえている方もあるようです。
出会えたらラッキー!。

カムロ柱


カムロ柱を取り付けます。真木を支えるための四本の柱で、自然に緩やかに反った木材を選んで用います。真木を支えるとともに揺れる力を吸収します。

清め

町内の方により「お祓い」「お清め」が行われて、鉾が立ちあげられます。

ウィンチ

ワイヤーロープで鉾を引き揚げます。

立ち上げ1

鉾の様子を見ながら・・・。
ウィンチにロープとワイヤーをかけて鉾を建てる作業の始まりです。

立ち上げ2

後ろ側からです。すこしたってきました。

立ち上げ3

正面からです。

鉾が建ちあがりました。

石持ち

石持は鉾の重心を下げ、大きな車輪をつけるためのものです。長さ約6メートル。

車輪

車輪は1輪約500キロ。車輪直経190センチメートル前後。

前懸 胴懸と呼ばれる絨毯のような飾りや、車輪も付けて「菊鉾」の完成です。

少し移動しまして。

鶏鉾、天王、雨除け

天王座には住吉明神が祀られていますが、雨の為傘がさしかけられていました。

鶏鉾、鉾頭

鉾頭は「三角に日の丸」。鶏卵が太鼓の中にある意味をあらわしているそうです。

鶏鉾、立ち上げ1


鶏鉾、立ち上げ2


鶏鉾、立ち上げ3

鉾立ち上げの様子です。「てこ」を利用したりして・・・。

月鉾、上部

鉾先は、三日月。天王座には、月読尊(つきよみのみこと)。

月鉾

全体の雰囲気です。

長刀鉾、天王

天王座には、和泉小次郎の船を担いだ人形が祀られています。

長刀鉾、胴組縄がらみ

横になっていますが・・・。

長刀鉾、鉾先

鉾頭は、長 刀。

函谷鉾、上部

天王座には孟嘗君(もうしょうくん)。鉾先は、月に山形。

函谷鉾、縄

部材を固定するために使う縄の長さは5km。

函谷鉾

全体の雰囲気です。
祇園祭、主人が出かけて撮ってきました。
私は、鉾町で仕事をしていたので、懐かしく・・・。
鉾に上がったり、偶然にも、曳き初めに参加させてもらったこともありましたよ。

暑さ本番です。お互い身体に気を付けて、のりきりましょう。


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