保健福祉の現場から

感じるままに

第6波の懸念

2021年09月27日 | Weblog
R3.9.27NHK「軽症患者に使用できる2種類目の治療薬「ソトロビマブ」承認」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210927/k10013279391000.html)。<以下引用>
<抗体を投与することで新型コロナウイルスの働きを抑える新たな治療薬が、27日夜、国内で承認されました。軽症患者に使用できる薬としては抗体カクテル療法に続いて2種類目となります。承認されたのは、イギリスの製薬大手グラクソ・スミスクラインが、厚生労働省に承認申請をしている「ソトロビマブ」です。対象となるのは、重症化のリスクが高く、かつ酸素の投与が必要ない軽症または中等症の患者で、新型コロナウイルスの働きを抑える「中和抗体」を点滴で投与します。海外で行われた治験では、入院や死亡のリスクを79%減らす効果が確認されたということで、アメリカではことし5月に緊急使用の許可が出ています。厚生労働省の専門家部会で27日、承認の可否が審査され、有効性や安全性が認められるとして、国内での承認が了承されました。これを受け、厚生労働省は、27日夜、正式に承認しました。軽症患者にも使用できる薬としては抗体カクテル療法に続いて2種類目となり、より多くの患者の重症化の予防につながることが期待されます。>

R3.9.28NHK「宣言解除 増設のコロナ病床をどう通常に戻すか苦慮 都内の病院」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013280551000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_030)。<以下引用>
<緊急事態宣言が解除される見通しとなり、新型コロナウイルスの対応に当たっている都内の病院は、これまで一般の診療を制限して増やしてきたコロナ患者用の病床について、行政から具体的な指示がない中でどのように通常の状態に戻していくのか苦慮しています。東京 港区にある東京都済生会中央病院の新型コロナの入院患者は第5波のピークと比べて3割ほどに減少し、先月、救命専用病棟を閉鎖して用意したコロナ患者専用の8床も現在は1人だけになっています。宣言が解除される見通しとなり、救命専用病棟も少しずつ元に戻したい方針ですが、これまで増やしてきたコロナ患者用の病床について、行政から文書などで具体的に指示がない中でどのように通常の状態に戻していくのか苦慮しています。さらに、ワクチン接種を早めに終えた医療スタッフの中ですでに中和抗体の値が下がり、感染するケースも出てきていることや、冬に向けて高齢者や基礎疾患のある人で感染が広がらないか懸念しています。感染症専門医の吉藤歩医師は「宣言の解除で肩の荷をおろせた感じもするが、また人出が増えてくると第6波がくるのではないかと不安な気持ちは当然ある」としています。そのうえで「第5波では感染者数が増加し、行政が病院にベッドを増やしてほしいと要請したタイミング、病院が病床を増やしたタイミングが、少しずつずれてタイムラグが大きくなった。実際にベッドを増やした時にはピークを超えていたというのは反省すべき点だった」と述べました。そして「いつまで緊急事態の際のベッドを確保しておけばいいか。コロナ患者用のベッドを稼働させるオンの状態と、どのタイミングでオフにするか。オンとオフの切り替えをタイムリーにできるシステムが今後必要ではないか」と話していました。>

R3.9.27Web医事新報「【識者の眼】「第6波は来るのか?」志賀 隆」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=18069)の「必ず来るものだとして冬に備えた方がいい」に賛同する方が少なくないであろう。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.16資料2-4(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000833594.pdf)p21「米国」、p22「イスラエル」では新規陽性者数、新規死亡者数が反転しており、ワクチン接種が進んでも簡単に収束するわけではないであろう。R3.9.24朝日新聞「一度緩めた規制、再び シンガポール、ワクチン8割も感染拡大で」(https://www.asahi.com/articles/ASP9S6RT4P9SUHBI01K.html?iref=com_apitop)が出ているが、国際比較は、札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学HP(https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/)やJohns Hopkins University.のMaps & Trends(https://coronavirus.jhu.edu/data)のマップ(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)がわかりやすい。マップ(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)では、インドは新規陽性者、新規死亡者数ともに抑えられ、インドネシアも急速に改善している。札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学HP「新型コロナウイルスワクチン接種率の推移【世界・国別】」(https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/vaccine.html)では両国はワクチン接種率が高いわけではない。各国の新型コロナ統計についてどこまで比較可能かはっきりしないが、ワクチン接種を繰り返すだけで良いかどうか、慎重な検討が必要かもしれない。各国の状況を踏まえると、出口戦略には、やはり、一年余前のR2.5.29新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/jyoukyou_bunseki_0529.pdf)p23「検査体制の拡充とあわせ、早期診断により患者を軽症段階で確実に捕捉し、早期の介入によって、重症者・死亡者の発生を防ぐ。 ⇒過度に恐れずとも済む病気に変えていく。」を戦略的に進めることが不可欠であろう。ところで、日本集中治療医学会(https://jsicm.org/)のR3.9.9「COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations 第4.0版」(https://www.jsicm.org/news/upload/J-SSCG2020_COVID-19_1_ver.4.0.0.pdf)(https://www.jsicm.org/news/upload/J-SSCG2020_COVID-19_2_ver.4.0.0.pdf)p2「すべての重症度のCOVID-19患者にファビピラビルを投与しないことを弱く推奨する(弱い推奨/低の確実性のエビデンス:GRADE 2C) 注:現在のエビデンス集積状況を踏まえ再解析を行った結果、第3版までの推奨から変更となった」、p9「現在の研究の進行状況からすると、本CQに関する重要エビデンスが報告される可能性は低いと考える。」とある。R3.4.21NHK「継続審議中の新型コロナ治療薬「アビガン」新たな治験開始」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210421/k10012987541000.html)が出ていたが、R3.9.16河北新報「コロナ飲み薬、進む開発 早ければ年内の処方も 東北医科薬科大・久下教授に聞いた」(https://kahoku.news/articles/20210916khn000029.html)でも「ファビピラビル(アビガン®)」(https://brand.fujifilm.com/covid19/jp/avigan.html)の言及がない。また、R3.7.1読売新聞「コロナ患者に「イベルメクチン」治験開始へ…ノーベル賞の大村氏が開発貢献」(https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210701-OYT1T50207/)が出ていたが、日本集中治療医学会(https://jsicm.org/)のR3.9.9「COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations 第4.0版」(https://www.jsicm.org/news/upload/J-SSCG2020_COVID-19_1_ver.4.0.0.pdf)(https://www.jsicm.org/news/upload/J-SSCG2020_COVID-19_2_ver.4.0.0.pdf)では「イベルメクチン(ストロメクトール®)」(http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se64/se6429008.html)の記載がない。R3.9.8Web医事新報「[緊急寄稿]COVID-19における薬剤治験のあり方─移植感染症学の視点からみたCOVID-19[第3章]高橋公太 (新潟大学名誉教授,日本臨床腎移植学会元理事長,高橋記念医学研究所所長)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17992)の「当局の体質として,海外メーカーの高価な薬剤に対しての審査には甘く,逆に安価な国産品のファビピラビルやイベルメクチンの治験審査のあり方に厳しいと捉えられても仕方があるまい」とあるが、そうすると、R3.9.8朝日新聞「新型コロナの新たな治療薬、月内にも承認へ 英GSKが承認申請」(https://www.asahi.com/articles/ASP983SHQP98ULBJ001.html?iref=com_apitop)の「ソトロビマブ」(https://jp.gsk.com/jp/media/press-releases/2021/20210906_sotrovimab/)の承認は自然なのかもしれない。R3.9.3厚労省「軽症患者等を対象とした新型コロナウイルス感染症治療薬の治験について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000827879.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000827880.pdf)で軽症者に対する外来での治験が案内されているが、どれほど進んでいるであろうか。そういえば、R3.9.27NHK「厚労省 感染再拡大備え 病床確保計画見直しを都道府県に通知へ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210927/k10013277931000.html)が出ているが、コロナ病床確保が前面に立っているようでは、そう遠くない第6波も危うい感じかもしれない。R3.9.27夕刊フジ「変異株への威力は?期待されるコロナ「飲み薬」 酵素阻害剤、陽性判明後の無症状・軽症者も服用可 体へのダメージ少なく長期間効果も」(http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210927/dom2109270002-n1.html)が報じられるようになった。
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