保健福祉の現場から

感じるままに

薬局で抗原検査キット販売

2021年09月27日 | Weblog
R3.9.28NHK「新型コロナ 抗原検査キット 薬局で販売へ みずから検査可能に」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210927/k10013279201000.html)。<以下引用>
<30分程度で結果が分かる新型コロナウイルスの抗原検査キットについて、厚生労働省は体調が気になる場合に自宅などでみずから検査を行えるようにするため、薬局での販売を特例的に認めることになりました。抗原検査キットについて、厚生労働省はこれまで医療現場などでの使用を認めていましたが、27日以降、一般の人を対象に薬局での販売を特例的に認めることになりました。体調が気になる場合に自宅などでみずから検査を行えるようにするためだとしています。鼻に綿棒を入れて検体を採取し、検査を行うと、15分から30分程度で結果が分かります。ただ、ウイルスの量が少ない場合、感染しているにもかかわらず陰性の結果が出る「偽陰性」のリスクがあるため、結果が陰性だった場合でもマスクの着用といった感染対策を続ける必要があります。また、陽性となった場合は、医療機関を受診する必要があります。自宅などで使用するため国の承認を受けた抗原検査キットを購入できるようになるのは初めてで、厚生労働省は「早期に陽性者を発見し確実な医療機関の受診につなげたい」としています。抗原検査キット 薬局販売の経緯 抗原検査キットは、これまでもインターネットなどで販売されていましたが、これらは「研究用」と呼ばれる製品でした。厚生労働省が承認したものではなく、精度なども不確かだとして一般の人が感染の有無を調べる目的で使用すべきではないとされていました。これに対し、厚生労働省が承認した抗原検査キットは「医療用」とされ、医療機関などでの使用が進められてきましたが、一般の人が購入することはできませんでした。こうした中、今回、感染者を早期に発見し、確実に医療機関への受診につなげるためとして、承認を受けた医療用の抗原検査キットのうち15のキットについて、薬局での販売が認められました。これらは医薬品医療機器法の「薬局医薬品」に該当し、適正な使用を確保する必要があるため薬局は、販売した数量や日時などの記録を2年間保存することが求められます。検査の結果、陽性であった場合は医療機関を受診することや陰性であっても偽陰性の可能性があるため、マスクの着用といった感染対策を続けることなどを説明する必要があります。ウイルス量が少ない場合は感染していても陽性とならないため、無症状の人が検査することは推奨されていません。また、症状が出てから薬局に訪れることは感染対策上、避ける必要があるため、希望する人は健康なときにあらかじめ購入しておくことが想定されているということです。専門家「検査の特徴を理解し 正しく使うことが重要」 感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「必要な人が早めに検査できることはよいことだが、抗原検査では感染していてもウイルス量が少ないと陰性となることがあり、結果を100%信じ込んでしまうと誤った判断につながるおそれもある。本当は感染しているのに検査で陰性となった場合、数日たつとウイルス量が増加していて人に感染させる可能性もあり、数日前に行った検査の結果を提出するといった使い方は有効とは言い難い。検査の特徴を理解して、正しく使うことが重要だ」と指摘しています。>

R3.9.28NHK「未承認の抗原検査キットを販売か 通販会社役員ら2人逮捕 京都」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013279971000.html)。<以下引用>
<国の承認を受けていない新型コロナウイルスの抗原検査キットを感染の有無が判定できる医薬品として販売したとして、京都の通信販売会社の役員ら2人が警察に逮捕されました。このキットは中国製で、国の承認を受けたものと比べて数百分の1程度の検出精度しかなかったということです。逮捕されたのは、京都市中京区にある衛生用品通信販売会社の役員、井筒雅俊容疑者(39)と、社員の稲村知香容疑者(30)の2人です。警察によりますと、2人は去年12月からことし3月にかけて会社の通販サイトで、国の承認を受けていない新型コロナウイルスの中国製の抗原検査キットを感染の有無が判定できる医薬品として、5人に販売したなどとして医薬品医療機器法違反の疑いが持たれています。会社のサイトでは、「感染の不安がある人におすすめ」などと宣伝し、1キットを4000円前後で販売して、1000万円以上を売り上げていたとみられるということです。警察の調べに対し、いずれも容疑を認め、井筒容疑者は「善意の気持ちから販売した」などと話し、稲村容疑者は「コロナ禍で必要とされている商品だと思った」と話しているということです。このキットを警察が民間の専門機関に依頼して調べたところ、国の承認を受けて医療現場などで使われているものと比べて、264分の1の検出精度しかなかったということです。未承認の抗原検査キットの販売で業者が逮捕されるのは全国で初めてです。同型のキット 自治体で配布も 警察によりますと、今回の中国製の抗原検査キットはインターネットの大手通販サイトなどでも、別の業者が研究用として販売していて、自治体などでの使用も確認されているということです。このうち、京都府与謝野町では先月お盆で帰省する人などに、今回の事件で販売されていたものと同じ型の中国製のキットをおよそ630セット、無償で配布しました。その後、町は京都府から「新型コロナウイルスの診断ができると誤解を与えるおそれがあり不適切だ」として指導を受け、配布を中止しました。同型のキットのウイルスの検出精度が国の承認を受けたものと比べて大幅に低かったことについて、与謝野町は「コメントできない」としています。専門家「偽陰性で感染拡大おそれも」 新型コロナウイルスの抗原検査に詳しい、長崎大学の柳原克紀教授は「未承認の性能が劣悪な抗原検査キットでは『偽陰性』となる可能性が高く、使用者が感染しているのにしてないと思い、感染を広げてしまうおそれがあることが大きな問題だ」と指摘しました。そのうえで「ウィズコロナの時代では、すべての人がPCR検査を受けることは現実的ではなく、抗原検査自体は有用であり、使っていかないと乗り切れない。抗原検査キットを使う人は、さまざまな製品があり、中身がよいものもあれば悪いものもあるということを認識しておくべきだと思う」と話していました。抗原検査キットとは 「抗原検査」は、ウイルスに含まれる特徴的な物質を調べる検査で、遺伝子を増幅して検出するPCR検査と違って特別な機器は必要ありません。鼻の奥を拭った検体などを簡易キットを使って検査すると、15分から30分程度で結果が分かります。ただ、PCR検査に比べて精度は低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性となることがあります。厚生労働省は、承認した抗原検査キットについては、これまで医療現場などで使用を認めていましたが、27日から一般の人を対象に薬局での販売も特例的に認めることになりました。一方、国の承認を受けてない抗原検査キットについては、厚生労働省は性能などが不確かだとして一般の人が感染の有無を調べる目的で使用すべきではないとしてきました。しかし、インターネットなどでは、診断のためではなく「研究用」として、多くの未承認の抗原検査キットが1セット数百円から数千円程度で販売されています。>

「職場での検査に関する一般事業者からの問合せに対応できる医薬品卸売業者等について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00296.html)が案内されているが、まちの薬局で抗原検査キットが販売されれば、新たな段階に入るかもしれない。R3.6.9「医療機関・高齢者施設等への抗原簡易キットの配布事業について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000791150.pdf)、R3.8.20「保育所等へ配布した抗原簡易キットの取扱について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000821637.pdf)、R3.8.13「職場における積極的な検査の促進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000819118.pdf)、R3.7.29「新型コロナウイルス感染症に係る抗原簡易キットの寄附及び当該キットの学校への配布について」(https://www.mext.go.jp/content/20210729-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf)などが発出され、抗原簡易キットが身近になっている。R3.8.13「職場における積極的な検査の促進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000819118.pdf)も踏まえたい。新型コロナウイルス感染症対策分科会(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin.html)のR3.9.3「ワクチン接種が進む中で日常生活はどのように変わり得るのか?」(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai7/vaccine_nichijou.pdf)p5~7「ワクチン・検査パッケージ」で、さらに簡易キット活用が進むかもしれない。R3.9.28NHK「未承認の抗原検査キットを販売か 通販会社役員ら2人逮捕 京都」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013279971000.html)をみると、薬局での承認された検査キットの販売がむしろ期待されるように感じる。但し、R3.6.4「新型コロナウイルス感染症(COVID 19)病原体検査の指針(第4版)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000788513.pdf)p12「抗原定性検査は、検体の粘性が高い場合や小児などに偽陽性が生じることが報告」、p17「抗原定性検査で陽性となった場合は必要に応じて核酸検出検査等で確定診断を行い、陰性となった場合でも、濃厚接触者に対しては追加的に核酸検出検査等を実施する」を理解したい。また、「陽性だった場合の療養」「濃厚接触者の自宅待機」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_2)が心配で、適切な対応ができなくなるようではいけない。R3.9.7Web医事新報「第125回:自宅療養者を開業医が診るコツ」(https://www.jmedj.co.jp/premium/nagao2017/data/5082/)の「季節性インフル診療と同様に、地域のかかりつけ医で診断できれば市民に喜ばれる。発症後速やかに検査を受けることで、季節性インフルと同様に早期診断、そして即治療につなげることができる。」は全く同感である。治療について、R3.9.8Web医事新報「[緊急寄稿]COVID-19における薬剤治験のあり方─移植感染症学の視点からみたCOVID-19[第3章]高橋公太 (新潟大学名誉教授,日本臨床腎移植学会元理事長,高橋記念医学研究所所長)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17992)の「新たな政策として,きわめてシンプルな能動的政策,すなわちCOVID-19のウイルス検査陽性時の不顕性感染から顕性感染症発症前後までの期間が患者のウイルス量が最も多い時期であるので,これらの患者に積極的に経口抗ウイルス薬を服用させる方針に180度大きくかじ取りを変えるべきである」が出ているように、早期の経口抗ウイルス薬治療がカギを握ると感じる方が少なくないかもしれない。早期検査・早期治療が進めば、感染症法の規定の見直し(新型⇒5類)も見えてくるであろう。
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